ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

カルディのサマーチャンスボックスでシャンパンを当てるには?【KALDI】

カルディのサマーチャンスボックス(2023)を買ってみた

ひさしぶりにカルディのワインくじを買ってみた。

私はかつてカルディのワインくじが出るたびにこれを買う、ということを繰り返していた。なぜならアタリがドン・ペリニヨンだったからだ。2000円で買えて1/60の確率でドンペリが当たるというちょうど良い湯加減の射幸性にひかれて、季節に一度それが発売されるのを楽しみにしていたのだった。

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いや、いま考えると1/60でドンペリ2008が当たるなら当たるまで買ってよかったんじゃないかってレベル。大切なことはいつだって、それが手に入らなくなってからその大切さに気づくものである。

しかし時は流れ、折りからの円安だのなにもかもの値上げだのといったことごとの影響なのかどうなのか、カルディのワインくじからドン・ペリニヨンは姿を消した。

そして2023年夏、くじは一口1400円と格安になり、その代わり一等は7500円のシャンパーニュ、ポール・グール ブラン・ド・ブラン プルミエクリュとなった。

コーヒーを買いに行ったカルディでたまたま売られているのを目にしたタイミングでワイン2本以上で10%オフキャンペーンも実施中。夏だしブラン・ド・ブラン飲みたいよね、ということで2本買ってみた。

 

カルディのサマーチャンスボックス(2023)の中身

ここで今回のくじの中身を見ていこう。こんな感じだ。

やはり2500円以下の末等の割合が多く、2500円以下の合計はなんと54本だえぐ。

大アタリは1本(7500)
小アタリは5本(3500〜4800円)
ハズレは54本(2200〜2500円)

今回のワインの総額は60本で15万3400円。1本あたりの平均額は2556円であり、購入価格1400円の1.826倍のワインが期待できる。カルディのワインくじのROIOW(リターン・オブ・インベストメント・オブ・ワイン=投資額と期待されるワインの金額の比 ※適当にでっちあげた造語)の過去平均は1.87前後なので、だいたいいつも通りからややお得度低めといったところ。

アタリも小さいがハズレも小さい1円パチンコ的仕様となっていることがわかる。

 

カルディのサマーチャンスボックス(2023)でシャンパンを当てるには?

さて、ではどのようにして店頭に積まれた箱の中からシャンパーニュを見つけ出すかだが、それを知るにはシャンパーニュの製法から考える必要がある。

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シャンパーニュは一次発酵でワインとなったあと、糖分と酵母を添加されて瓶内で2次発酵を行い、それによって生じた炭酸ガスを瓶内、ならびに液体中に封じ込めることで発泡性を得ているというワイン。

瓶の内側から生じるガスの作用で大昔は発酵中に瓶が爆発するなんてこともままあったようで、以上のような経緯から丈夫な瓶が必要であるため要するに重い。

なので重い箱を探すのがシャンパーニュくじの基本となる。特殊なパーカッションを演奏する奏者のように店頭に並ぶ箱を素早く引き抜いては戻すのを繰り返すというのがカルディワインくじガチ勢仕草だ。それっていい大人のやることなんですかね? という疑問はどうか胸にしまっていただきたいものである。

もうひとつ重要なのが重心だ。たとえばボルドー型のようなボトル形状に比べ、シャンパーニュのボトルは重心が低い。より「おきあがりこぼし」的になるのだ。

箱の上部を持ち、ほんのわずかに左右に揺さぶると重心を感じることができる。末端を動かした場合により大きなモーメントが働くのがシャンパーニュである可能性が高い。

とはいえ以上のような小ざかしいテクニックは販売側も先刻ご承知で、当たりボトルに似た重さ・形状のワインをハズレとして大量に仕込んでいたりする。

重さと重心からスパークリングワインであることは判別できても、それがシャンパーニュとは限らない。どこまでいっても「当たりの確率を高める」ことしかできないので最後は勝負ごとの常で結局のところ運だ。

というわけで店頭に並ぶ60個の箱の中から、「これは!」という箱をふたつチョイスした。いざ、ボックスオープンの時間だ。

 

カルディのサマーチャンスボックス(2023)を2箱開けてみた

まず最初の箱を開けてみよう。出てきたのは……スパークリングワインのキャップシール。ということは困ったな、いきなりシャンパーニュ当てちゃったかもですね自分。

君の名は…?

と思いきや、よくよく見るとこれはド末等。カンティーネ・ピローヴァノのテッレ・ベンティヴォーリオ シャルドネスプマンテ メトド・クラシコだった。

シャンパーニュじゃなかった。

当たりのシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で、これは典型的な罠ワイン。当たりワインに擬態し、重さや重心で当たりを判別しようとする不埒な輩を仕止める役割。まんまとやられたぜ。

末等すぎる。

しかしこれはむしろ吉兆だ。つまり、このカンティーネ・ピローヴァノのテッレ・ベンティヴォーリオ シャルドネスプマンテ メトド・クラシコはアタリのワインと似たスペックを持っているということになる。

そして、手に伝わる感覚としては非常に似たものを選んだので……つまりもう1本はアタリの可能性がより高まったといえるのだ。

それをふまえてふたつめの箱を開けていく。今夜はシャンパーニュだな、こりゃ。

 

それではいってみよう。パカッ

 

 

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というわけで少々取り乱してしまったが2本目もカンティーネ・ピローヴァノ テッレ・ベンティヴォーリオ シャルドネスプマンテ メトド・クラシコだった。はい奇跡起きた。私の繊細な感覚は、正確に正解と思われるボトルをふたつ見極めたようだ。つまりド完敗である。

しかしながら考えてみるとカンティーネ・ピローヴァノ テッレ・ベンティヴォーリオ シャルドネスプマンテ メトド・クラシコは瓶内二次発酵っていう手の込んだ製法で造られる定価2200円のワインなわけなんですよ。それが1本1260円で買えたんだからむしろ勝利なんですよ今は夏だし。なんとなればカンティーネ・ピローヴァノ テッレ・ベンティヴォーリオ シャルドネスプマンテ メトド・クラシコが欲しかったんですよ僕はハハハ泣いてない

仕方がないのでこのワイン、よく冷やしてその日の夜に飲んでみたのだが、これはホントに全然悪いワインではなかった。青リンゴ的酸味と果実味、酵母由来のトーストのような感じもあって、なんていうかシャンパーニュとプロセッコのハイブリッド感がある。これは家に何本あってもいいやつ。

そんなこんなでひさしぶりのカルディのワインくじ「チャンスボックス」挑戦は終わった。またやる。

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ワインくじ熱の高まりを感じる↓