ウィラメットバレーとソーコルブロッサー エヴォリューション ピノ・ノワール
アメリカ・オレゴン州のピノ・ノワールがなにを飲んでもおいしいので、オレゴンのなかでも名産地と名高いウィラメットバレーのワインはさらにおいしいに違いないと探してみた。
本ブログのコンセプトのひとつに「3000円以下の世界のおいしいピノ・ノワールを探す」というものがあるが、ウィラメットバレー、さすが名産地だけあって3000円を切るワインがなかなかない。
そんななか、私が探した範囲で唯一2000円台で見つけられたのが、「ソーコルブロッサー エヴォリューション ピノ・ノワール」だ。購入価格は2508円。ラベルに「ウィラメットバレー」と記載されていることを指差し確認して買い物カゴに投入した。
迷う理由が値段なら買え。買う理由が値段なら買うな。
という名言があるがこの際無視だ。
迷ったら両方買え。
迷わず飲めよ、飲めばわかるさ。
本ブログでは、立派な格言よりそれホントすかねっていう格言をつねに採用していきたいと思っている次第。なので買った。
ソーコルブロッサー エヴォリューション ピノ・ノワールはどんなワインか?
さてではこのワインどんな生産者が造るどんなワインなのかと調べてみると、ソーコルブロッサーは1971年創業で、2021年で創業50周年。現在は創業者のふたりの跡継ぎ、アリソンとアレックスの姉弟が共同社長を務めているようだ。
オレゴン州ダンディヒルに106エーカーの土地を持っていて、AVAはウィラメットバレーAVAに含まれるサブリージョンのダンディヒルAVA。でもって「エヴォリューション」は彼らのエントリーレンジみたいですね調べてみると。ピノ・ノワールの価格は20ドルだから、2508円で買えるのはかなりお得感があることもわかった。
で、どんなワインなのか。商品ページにCEOのアリソン・ソーコルブロッサーさんによる紹介動画が貼られているので見てみた。
その内容をかいつまんで私・ヒマワインとアリソンさんの妄想対談形式でお伝えすると以下のようになる。
ヒマ:このエヴォリューション ピノ・ノワールはどのようなワインでしょう?
アリ:すべてここウィラメットバレーで採れたブドウで作ったピノ・ノワール。熟した果実、ちょっぴりジャムっぽさ、そしてオークのタッチがあるわね。
ヒマ:どのように造っているのですか?
アリ:ステンレスタンクで、オークに触れさせて熟成させているの。
ヒマ:なるほど。どんな料理に合うのでしょうか?
アリ:ポークチョップなんか最高。あとキノコのリゾットとか。
ヒマ:どんなキノコがいいでしょう?
アリ:なんでも合うわよキノコなら! あとチョコタルトにも合うわ!
キノコに合うってことはワインにも土っぽさとか森っぽさ、キノコ感があるんですかね。ともあれ「オークに触れさせながらステンレスタンクで熟成させている」、というところが面白い妄想インタビューだった。
高価格帯ワインの紹介動画ではオークの小樽を使って新樽率が何パーで、みたいな話をしているので、廉価レンジではオークチップで風味付けをしているとかそういうことなのだろうか。CEO自ら明るくそれを紹介しているのがなんかいい。いつか訪問してみたいワイナリーリストに掲載決定である。
ソーコルブロッサーエヴォリューション ピノ・ノワールを飲んでみた
さて、CEOとも(妄想で)話せたし、そろそろ抜栓してみよう。
グラスに注いでみると色はやや濃い目の紫色。抜栓したては鉛筆の芯みたいな焼却炉みたいな香りで、飲んでみても強めの渋みが果実味を覆い隠している印象。転職したてでまだ社風になじめず一人で公園でお弁当食べてる人、みたいな心を閉ざした感じがするのでゆっくりと見守っていきましょうみたいな雰囲気を出しつつ3日に分けて飲んでみたのだが3日目に見事に開花した。
競馬にたとえるならばスタートから逃げを打ったタンニン号を、府中の2400メートルの長い直線で大外からまくってきた果実味号が見事に差し切った、みたいな展開。道中馬群に埋もれてた酸味号も気がつけば鼻差の3着にいるみたいな。ともかくおいしい甘渋ピノ・ノワールになっていたのだった。みてくれこの味みてくれこの味、ピノはピノでもピノ・ノワール、みたいな感じだ元ネタ知っている人いますか。
私の好みは甘ずっぱいピノノワールなので好みピンズドというわけではないのだけれど、甘渋は甘渋でおいしい。というわけでとてもいい3000円以下ピノ・ノワールだったのだった。おいしい3000円以下の世界のピノ・ノワールリストがまたひとつ潤った。
なんでも、ウィラメットバレーはかなり特異な形成のされ方をした土地のようで、一言でウィラメットバレーといっても、サブリージョンによって味わいがかなり異なるようだ。その違いはどのようなものなのか、ぼちぼちお散歩していきたい次第。