ゴッセ グランド・レゼルヴ・ブリュットとゴッセ
家のなかで祝い事があったのでゴッセのグランド・レゼルヴ・ブリュットを飲んだので、せっかくだからゴッせについて調べてみることにした。
ゴッセがシャンパーニュ地方のアイ村に設立されたのは1584年というから天正12年。本能寺の変から2年後、家康と秀吉が覇権を争った小牧長久手の戦いがあった年だ。なんかすごい。
その頃ゴッセは赤のスティルワインを造っていた。当時、フランス国王の食卓を飾っていたワインはふたつの地域のワイン。ひとつがボーヌで、もうひとつがアイだったんだって。へー。
ゴッセ グランド・レゼルヴ・ブリュットとシャンパーニュの歴史
「シャンパーニュ地方のワイン」が発泡性のある「シャンパーニュ」になったのは18世紀。と、ここで盛大に話が逸れるのだが「シャンパーニュ」って言葉、もともとは古いフランス語の「Campagne=田舎」が由来なのそうだ(wikiより)。田舎……! その名が歴史に登場するのは1065年。ブロワ伯ティボー3世が甥からシャンパーニュ、トロワ、モーの伯領を奪い、シャンパーニュ伯となった時。田舎伯……! パテ・ド・カンパーニュは田舎風パテだが、そのカンパーニュにシャンパーニュの名は由来するということかー。
18世紀、修道士ドン・ペリニヨンが瓶内二次発酵の製法を確立。シャンパーニュ地方のワインは発泡ワインに姿を変えていく。なんでもそれまで発泡性のワインは白濁していたのだそうで(wikiより)、透明かつシュワシュワしているところが上流階級にウケたのだそうだ。
ゴッせは1738年に発泡性ワインの製造を開始。ゴッセの特徴的な形状の瓶(アンティーク・ボトル)が使われ始めたのも18世紀(1760年)。現在使われているのはその当時のレプリカなんだそうで優美で素敵だが私の使っている安シャンパンストッパーはハマらなかったのでみなさんご注意ください。
その後1994年にゴッセはレミー=コアントロー社(レミー・マルタンとかコアントローとかパッソアとか)に買収され、同社経営のもと100万本を生産するまでに成長し、今に至る。
ゴッセ グランド・レゼルヴ・ブリュットはどんなワインか
今回飲んだスタンダードレンジのグランド・レゼルヴ・ブリュットは、そんなゴッせのスタンダード。アイ、ブジー、アンボネイ、ル・メニル・シュール・オジェ、ヴィレ・ムルマリーなどからのシャルドネ45%、ピノ・ノワール45%、ピノ・ムニエ10%を使用。熟成は3年以上、ドザージュは8g/L。
で、公式サイトで繰り返し言及されているように、マロラクティック発酵していないのが最大の特徴みたい。シャンパーニュはマロラクティック発酵を行うか否かが、樽を使うか否かとともにかなり大きなポイントになるんだなー当たり前かもしれないけれども。クリュッグ、サロン、クリスタルなどがノンマロだそうですよ。
いやしかし、シャンパーニュを飲むたびにその生産者について調べているけれどもそのたびに何かしら必ず発見がある。シャンパーニュは飲む歴史。これほんと。
ゴッセ グランド・レゼルヴ・ブリュットを飲んでみた
グラスに注いでみると、泡立ちは必ずしも強くなく、小さく繊細な泡がグラスの底から立ち上る。公式サイトで「シャンパーニュ・ゴッセでは私達はまずワインを造る。泡はそれを昇華させる為のものだ」という前醸造長の言葉が紹介されてるけどまさにそんな感じ。「炭酸飲料」という感じはなく、それがかえってシャンパーニュだなあという感を強めてる気がする。
シャンパーニュ、泡立ちが強くても「これぞシャンパーニュ!」と思うし弱くても「これぞシャンパーニュ!」と思うのなんなのである。
グラスに注ぐと、握力が100キロとかある人がリンゴを握り潰しました? 私の目の前で? ってくらい弾けるようなリンゴの香り。マロラクティック発酵をしないのは「自然な果実のアロマを与えるりんご酸を残す為」だそうだがリンゴ酸とはリンゴの香りのする酸のことだった……? そして、シャンパーニュならではのパン的な香りは弱めだ。
味わいは果実味が非常に豊かで、酸味もしっかり。リンゴとか白ブドウとかレモンとか、天然水に加えるフレーバーみたいな要素がたっぷり。シャンパーニュとっつきやすさグランプリで少なくとも決勝トーナメントまでは残るんじゃないかっていう味わいだ。ちなみに好みでいえばめちゃくちゃ好み。
いやーおいしかった。長い人生、また飲む機会もあるはず。そのときが早くも楽しみになるワインだった。400年超の伝統、あなどれるわけがない! いつかプレスティージ・キュヴェの「セレブリス」も飲んでみたいなー!