ひな祭りのちらし寿司になにを合わせればいいのか問題
3月3日は桃の節句・ひなまつり。私には娘がいるので、雛人形を飾り、ちらし寿司で祝うわけだがここで問題はどんなワインを合わせるか、だろう。選択肢はなんとなく思い浮かぶが、ここはツイッターで私みたいなもんをフォローしてくださっている賢者のみなさんのご意見を募るのがよかろうと考え、つのってみた。
【御意見募集】ちらし寿司に合うワインって、なんだと思われますか?【ひなまつり】
— ヒマワイン (@hima_wine) 2021年3月3日
すると、予想を超えて17ものコメントをいただいた。ワイン以外のご意見もいただいたが、その内訳をワインに限って羅列すると以下のようになる。
- ロゼ(スパークリング)
- ロゼ(スティル)
- 白泡
- 日本ワイン(デラウェア、甲州、マスカットベーリーA)
- グリューナーフェルトリーナー
- ミュスカデ
- ソーヴィニヨン・ブラン
- インツォリア
- アンバー
- ヴィーニョ・ヴェルデ
- リースリング
もっとも多かったのはロゼ、あるいはロゼスパークリング(ロゼシャンパーニュ)というご意見。桃の節句の桃色だし、酢飯の甘酸っぱさとロゼ泡の酸味・果実味がいかにも互いを引き立てそうだ。
こうなってくると、バレンタインはチョコ、クリスマスはKFC、節分は恵方巻みたいなノリで桃の節句はロゼ泡、みたいなキャンペーンをワイン業界はやるべきなんじゃないかって気もしてくるな余談だけど。
選ぶべきはロゼか、スッキリ白か、甘やか白か?
さて、赤ワインはマスカットベーリーAというご意見ひとつで、アンバーワインの提案があり、それ以外はすべて白という結果となった。それも主に酸味とサッパリ感が持ち味の品種中心。酢飯の主に酸味と合いつつ、日本酒の純米吟醸的にサッパリ合わせられそうで、それも実に魅力的。
一方で、甘やかなデラウェアを合わせるという意見も頂戴した。なるほど、酢飯の甘さに着目すれば、甘く煮たしいたけやたけのこといった具の甘さに合わせてデラウェアなどの日本ワインは良さそう。日本ワインの白ブレンドって香り甘め、飲むとスッキリでおいしいですよね。
というわけで、ちらし寿司に合うワインは大きく3つに分かれることがわかった。
【1】ロゼ泡>酢飯の甘酸っぱさに合わせる
【2】サッパリした白>酢飯の酸っぱさに合わせる
【3】甘やかな白>酢飯や具の甘さに合わせる
以上の三択になりそうだ。
ヤウマ ピーカブーを選択
というわけで手持ちから選んだのが、
【1】ヤウマ ピーカブー(ロゼ泡)
【2】シャルル エルネー(シャンパーニュ)
【3】ドメーヌ・モン モンペ(白泡)
の3つ。で、悩んだ末に「ヤウマ ピーカブー」を調査した。
ヤウマは2006年にオーストラリア最優秀ソムリエに輝いた人物が立ち上げたワイナリー。ピーカブーはグルナッシュ100%で造られる微発泡のペットナット。試飲会で飲んで甘酸っぱくて旨味あふれる味わいが気に入って買った1本だ。
ツイッターで様々な意見をお聞かせいただいた上で選んだので非常に納得感がある。ちらし寿司にお吸い物(ハマグリまさかの売り切れ)、刺身盛り合わせ等と一緒に食卓に並べ王冠をスポンと外して飲んでみた。
ヤウマ ピーカブーをちらし寿司に合わせて飲んでみた
色はオレンジとピンクの中間のような色。ノンフィルターなので少し濁り気味だけど、きれいな色だ。で、味も香りもイチゴっぽいのだが、なんていうんでしょうか。まったく「あまおう」的でない、限りなく野苺に近い酸味の強いイチゴ感がある。イチゴ狩りで摘みたてのまだ熟す前の食べた時のフレッシュ感と、同時にビニールハウス内に充満している土の香り、さらには同じ敷地内にある牛舎の香りも風に乗ってナノレベルで漂ってくるみたいな感じ。
良くも悪くも自然派らしい野趣、それがしかし、今回のちらし寿司には異様なまでに合ったんですよ本当に。『ルパン三世 カリオストロの城』の終盤に大怪我を負ったルパンが回復すべくパンと肉をガツガツ食べかつワインで流し込むといったシーンがあるがあんな感じになった。ヤツはとんでもないものを盗んでいきました……あなたのお寿司です!
それにしても。料理を想定して、それに合わせるべくしっかりと準備してワインを選ぶとこんなに食事が楽しくなるのか! と今更ながら感動である。試飲会で飲んでおいしいと感じた、それ以上の感動がこの日の食事では得られたのであった。ピーカブーは試飲会の印象よりわずかに酸味が強く(果実味が弱く)、それがいいほうに作用したのかもしれない。
それもこれも、ツイッターでご意見をお寄せくださった皆様のおかげ。この場を借りてお礼申し上げる次第だ。ありがとうございました。しかしつのるもんだなあ、意見。また折に触れてつのらせていただくと思いますので、その節はよろしくお願いします(テへ&ペロ)。
ヤウマ、「ピーカブー」は残念ながら見つけられず。。