日本ワインコンクール「部門最高賞」ワインとは?
Japan Wine Competition(日本ワインコンクール)2022の審査結果が発表された。25名の審査員が視覚、香り、味わい、みたいな項目ごとに100点満点で採点。審査員は名だたるソムリエの方とか学術系の方、国税庁の方など官民産学のエキスパートが集結してる感じ。
12に分かれた審査部門は以下のような感じだ。
「欧州系品種(赤/白)」→メルローとかシャルドネとか
「国内改良等品種(赤/白)」→マスカットベーリーAとかリースリングリオンとか
「甲州」→甲州
「北米系等品種(赤/白)」→キャンベルアーリーとかナイアガラ、デラウェアとか
「欧州・国内改良品種等ブレンド(赤/白)」→ブレンド
こういった品種による分類のほか、極甘口、ロゼワイン、スパークリングワインの3部門がある。
以上12部門、エントリーしたワインの総数は706で、そのうちの24銘柄に「金賞」が贈られている。でもって、銀賞以上を受賞したなかから部門ごとに「部門最高賞」が選ばれるようだ。
「部門最高賞」が選出されているのは12部門のうち基準を満たした10部門10銘柄。なのだが、そのうち金賞受賞かつ部門最高賞を受賞しているのは6銘柄に限られる(その他は銀賞からの選出)。
もちろんそれも大変な栄誉であるとは思うのだが、本記事では、金賞と部門最高賞をW受賞したベスト・オブ・ベスト感のある6銘柄がどのようなものかを見ていきたいと思う。ちなみに金賞の選出基準は「85.0点以上を標準とする各部門エントリー数の3~5%相当」のワインだそうです。わかるようなわからないようなちょっとわかるような気がする。
日本ワインコンクール2022【欧州系品種 赤部門最高賞】マンズワイン ソラリス 千曲川 メルロー 2018
まず、153銘柄がエントリーした激戦区「欧州系品種・赤」から見ていこう。この魔境ともいえる部門で最高賞に輝いたのはマンズワインの「ソラリス 千曲川メルロー2018」。この部門では8銘柄が金賞を受賞しているが、そのうち4つがマンズワインの「ソラリス」シリーズで占められているすげえ。
受賞8ワインを見ていくと、サントリー 登見 赤(山梨県)を除いた7銘柄が長野県のワイン。さらにシャトー・メルシャンの椀子シラーを除いては、メルロー単一あるいはメルローが入ったブレンドワイン。日本における欧州系品種のエースで4番は長野のメルローだ。長野のメルロー、あまり飲んできていないので意識して飲んでみよう。
「長野県WEB物産展」なるものが実施中らしく、対象商品に1000円オフクーポンが出てる。この長野県産ワイン4種飲み比べセットとか良さそう。いいぞ、長野県!https://t.co/8L6ednkJZ5
— ヒマワイン|ワインブロガー (@hima_wine) 2022年7月30日
ソラリス 千曲川メルローは千曲川ワインバレー東地区の畑で造られたメルローを使ったワイン。なんと樹齢30年以上のものも含まれるのだそうだ。日本のメルローのベンチマークとして、いずれ飲んでみたいですね。
ちなみにふるさと納税でも手に入る↓
日本ワインコンクール2022【欧州系品種 白部門最高賞】熊本ワインファーム 菊鹿シャルドネ 樽熟成2019
エントリー総数706のうちもっとも多い158銘柄が出品されたのが欧州系品種 白部門。金賞を受賞したのは8銘柄で、北は北海道から南は九州までさまざまな地域のワインが金賞を受賞しているなか、部門最高賞に輝いたのは熊本ワインファーム株式会社の菊鹿シャルドネ 樽熟成2019。納得だ。おいしいもんなあ、菊鹿。
金賞受賞の8銘柄の内訳は、シャルドネ5、ソーヴィニヨン・ブラン、アルバリーニョ、ケルナーが各1だった。銀賞まで見渡しても圧倒的に受賞ワインで多いのはシャルドネ。日本って意外とシャルドネどころだったりするんですかね。
ネットでも買えるNVのほうは銅賞を受賞↓
日本ワインコンクール2022【国内改良等品種 赤部門最高賞】 井筒ワイン NAC マスカット・ベリーA[遅摘み] 2019
続いてグッと日本ワイン感が高まる「国内改良等品種 赤」部門。エントリー数は116、そのうち3銘柄が金賞を受賞しているうち、部門最高賞は井筒ワインの「NAC マスカット・ベリーA[遅詰み]」が受賞している。ちなみにNACはナガノ・アぺレーション・コントロールの略です。
この部門で金賞とコストパフォーマンス賞をW受賞しているのが同じ井筒ワインのNAC マスカット・ベリーA。1496円と安いのでこれちょっと買ってみよ。
もうひとつの金賞受賞ワインは新潟・岩の原葡萄園の「岩の原葡萄園 ヘリテイジ2019」。マスカット・ベリーAの生みの親・川上善兵衛ゆかりのワイナリーなので貫禄の受賞といった感じだ。
この部門では山葡萄や小公子といった日本ならではの品種も銀賞を受賞していたりして、賞を眺めているだけで楽しい。
日本ワインコンクール2022【甲州部門最高賞】盛田甲州ワイナリー シャンモリ柑橘香 勝沼甲州2021
続いての部門は「甲州」だ。甲州だけで部門になってるのすげえ。甲州部門には部門別で3番目に多い119銘柄が出品され、3銘柄が金賞を受賞しているが、最高賞は盛田甲州ワイナリーの シャンモリ 柑橘香 勝沼甲州 2021が受賞。金賞・部門最高賞・コストパフォーマンス賞の三冠に輝いたのは全体を通じてこのワインだけだすげえ。価格は1870円。
調べたらデカンタ・ワールド・ワイン・アワードでも銅賞を獲っていたりと、国際的にも評価されてるみたい。「柑橘香」っていう香りが名称に入ってるのも面白いしこれも買って飲んでみようと思います。
その他の金賞受賞銘柄は蒼龍葡萄酒の「キュリアス タイプOR」とシャトレーゼベルフォーレワイナリー 勝沼ワイナリーの「勝沼甲州樽発酵」でキュリアスORはオレンジワインスタイル。
甲州=スッキリ味という印象があるが、オレンジだったり樽発酵させたり、複雑な方向の味わいも評価されていることがわかる。甲州、もっとちゃんと飲まないといかんですな。
日本ワインコンクール2022【極甘口部門最高賞】マンズワイン ソラリス 信濃リースリング クリオ・エクストラクション 2019
極甘口部門の最高賞はまたしてもマンズワインのソラリスが受賞。信濃リースリングはマンズワインがシャルドネとリースリングを交配させて作ったという品種で、クリオ・エクストラクションは「完熟葡萄を凍らせ、溶けてくるところを搾る」という手法だそう。自社開発品種で賞取るの胸アツだなー。
日本ワインコンクール2022【スパークリング部門最高賞】安心院葡萄酒工房 安心院スパークリングワイン 2020
スパークリング部門の部門最高賞は安心院葡萄酒工房の安心院スパークリングワイン2020。このワインは一昨年、まだ日本ワインのことを今以上に知らないときに都内の某有名ショップの方が「日本のスパークリングワインではこれがベスト」と言っていたワインだ。
公式サイトには2019ヴィンテージが掲載されていて、それによるとシャルドネ100%のブラン・ド・ブランなんですね安心院スパークリングワイン。オススメされておきながら実はまだ飲んでいないので、これも飲んでみなければならない。
受賞したヴィンテージとは異なるけど少し熟成したのも飲んでみたい↓
というわけで以上6ワインが日本ワインコンクール2022の部門最高賞を受賞したワインたちを見てきた。改めて日本ワインってすごい数があるし、まだ飲んだことのない、飲みたいワインに満ちてるなあと思った次第だ。