ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

「巴工業」の株主優待でもらったサンテミリオン グランクリュのワインを飲んでみた! 【ビュー シャトー フルーケ 2017】

巴工業の株式を取得したら株主優待で赤ワインが送られてきた

あれは2020年の緊急事態宣言時。ヒマだったので株でも買ってみようかな、不惑も超えたし、と「株 買い方」みたいなボンヤリしたワードをGoogleの検索窓に打ち込んだり私はしていた。

そして私はワイン好き。株主優待でワインがもらえるやつとかないかな〜と探してみたらあった。それが「巴工業」で、100株以上を保有することで株主優待としてワインが贈られてくるとある。今までやってなかった株式投資にチャレンジできて、その上ワインまで送られてきたら最高だよねっていう、改めて書いてみてこの人大丈夫かなってレベルのゆるふわな理由で私は同社の株式を100株取得したのだった(ちなみに1月7日現在の株価は2026円)。

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ビュー シャトー フルーケ 2017を飲みました。

それから時が経ち2020年末。我が家の呼び鈴がピンポンとなり、我が家に1本のワインが届いた。ビュー シャトー フルーケ 2017 サンテミリオン グランクリュというこのワインの輸入元は巴ワイン・アンド・スピリッツ株式会社。巴工業の子会社で、つまり巴工業の株主優待品である。すげえ、ホントに来た。

ビュー シャトー フルーケ 2017 サンテミリオン グランクリュはどんなワインか

さて、改めて巴工業の「会社概要」を見ると、巴工業は1941年設立の遠心分離期の製造販売と化学工業製品の輸入販売を2本の柱とする会社で、本社所在地は東京都品川区。従業員は連結で733名いて、株主は2020年10月31日現在1万4907名。すなわち1万4906人プラス、私である。うーん不思議な気分。マジで末席中の末席っていうかほぼ座敷の外の廊下につっ立ってる感じではあるもののどっこい私も株主である。がんばってほしいです、巴工業。

さてこのブログはワインブログ。私個人のポンコツ株式投資話と巴工業の話はこのへんにして、ここからはワインについて調べていきたい。ビュー シャトー フルーケ 2017 サンテミリオン グランクリュ、いったいいかなるワインか。私はフランスワインのことをビビるくらい知らないので、サンテミリオンってボルドーだよねくらいの知識しかマジでない。

himawine.hatenablog.com

そんなわけでグランクリュって書いてあるしけっこう良いワインなんですかね! と調べてはじめて知ったのだが、「サンテミリオン グランクリュ」は格付けではなくAOC(原産地統制呼称)。「サンテミリオンワインの格付け」のwikipedia(英語版)によれば、サンテミリオングランクリュという呼称は、「基本的なアペラシオンの規則に基づいて与えられるものであり、グラン・クリュ・クラッセに匹敵する品質であるとは考えられていない」のだそうだ。さすがwikipedia、書き方に忖度がない。

AOCである「グランクリュ」と異なり、「グラン・クリュ・クラッセ」は格付けで、シャトー・オーゾンヌ、シャトー・シュヴァルブランを擁するプルミエグランクリュラッセAを筆頭に、プルミエグランクリュラッセB、グランクリュラッセ、という風に格付けがされるのだそうでこの格付けを巡っては法廷闘争があったり色々大変みたい。

AOCサンテミリオングランクリュはその下に位置し、200以上のシャトーがそこに含まれるのだそうだ。ひとまずの理解として「サンテミリオン グランクリュ」は、サンテミリオンの“ちょっといいワイン”で大体合ってそうな感じということがひとまずわかった。

さて、「ビュー シャトー フルーケ 2017 サンテミリオン グランクリュ」のうち「サンテミリオン グラン クリュ」部分はよく理解できたので、このワインそのものについて調べていこう。

ビュー シャトー フルーケ 2017 サンテミリオン グランクリュの生産者は?

まずはカタカナで検索してみると、見事に「株主優待が届きました!」っていう個人ブログのページと、ヤフオク! などオークションサイトの個別ページしかヒットしない。これ株主優待で届いたものがそのまま売られてますね明らかに。悲しい。ワインは飲み物。体質的に無理なのでなければ飲んでいただきたいものであるワイン好きとしては。ともあれ輸入元の巴ワイン・アンド・スピリッツ株式会社の公式サイトにも記載がないし、グーグルで調べてもアマゾンでも楽天でも見つけられない。英語で調べてもどうにも公式情報にたどりつけない。

困ったなと裏ラベルを見るとURL(www.vignoblesgarzaro.com/ )が記載されていたので、直接入力してみることにした。まさに灯台もと暗し。普通に生産者の公式サイトがヒットし、当該ワインも掲載されていた。

生産者はvignobles garzaro。ヴィグノーブルはフランス語で葡萄園。ガルザーロ葡萄園ってことですね。1912年から4代つづく生産者で、バロンという土地に60ヘクタール、ポムロール、サンテミリオングランクリュサンテミリオンにまたがる10ヘクタールの土地を管理しているようだ。

ワインのラインナップを見ると下は7ユーロから上は39ユーロまでのレンジのワインを生産している。「ビュー シャトー フルーケ」は定価17ユーロ(2165円)だから普通にいいワインじゃないのあなた。日本で普通に売るとしたら3000円台とかじゃないのかな。調べた結果現地で5ユーロで売ってるワインでしたってなるとちょっぴりガッカリだな辛いなと思っていたが、想像よりいいワインのようだ。これには私もウホウホ。その2017ヴィンテージはメルロー90%。カベルネフラン10%。12カ月の樽熟成後にリリースされるようだ。

ビュー シャトー フルーケ 2017 サンテミリオン グランクリュの謎

考えてみると、前述の通り巴工業の株主は1万4907人いる。日本武道館の収容人数が1万4471人なのでちょっとあふれちゃう横浜アリーナ持ってこいレベルの人数で、てことはつまり1万4471本のワインが必要ってことですよね多分。公式サイトに記載があるのに輸入元に記載がないこのワインは、もしかしたら株主優待専用ワインとして輸入しているものだったりするのかもしれない。

気になるな。私、気になります!(©️米澤穂信)ということで輸入元の巴ワイン・アンド・スピリッツに問い合わせてみると、やはり一般発売されていないワイン、すなわち株主優待専用のワインであるとのことだった。だからこれはつまりあれですよね。選ばれしものだけが飲めるワインだと、そういうことかね君ィ……(選ばれてない)。

ビュー シャトー フルーケ 2017 サンテミリオン グランクリュを飲んでみた

与太話はさておいて、ではこのワインどんな味わいなのか。2017年だしボルドーだしということでなんとなく堅牢な感じがするので飲む1時間くらい前にコルクを抜いて放置。仕事を終えたタイミングで今日も元気に飲んでみた。

香りは控えめなベリー的なやつに鉛筆の芯みたいな金属質が混ざったようないい感じ。そして味わいはすっぱ渋くてほのかに果実味。全体的になんですかねこれは。ベンツでいえばGクラスというか、直線ばかりで構成された液体、という印象。

私でもわかる硬さがあるので、まあまあそう硬くならずにまずは飲んでよ、と、宴会に遅れてきた新入社員にビールを注ぐ部長、みたいなビフォアコロナ感のある態度でもってしばらく待つと、じわじわと味の輪郭が丸みを帯びてきて親しみやすさが増してきて、アルコール度数が13.0%と軽めなこともあってスルスル飲めちゃう。赤い肉と合わせて本領を発揮する、赤ワインを飲んでるなあという気分になれる赤ワインだ。

いやはや、普通においしいワインだった。いいな、株主優待。2021年末にはどんなワインが送られてくるのか、今から楽しみになってしまったのだった。

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