天使が大砲をぶっ放す!「ツェー アー イー リースリング」をジャケ買いしてみた
ネットでいろいろなワインを調べていたら見つけた「イミッヒ・バッテリーベルグ ツェー アー イー リースリング トロッケン カビネット」に目が止まった。天使が大砲をぶっ放してるラベルが良すぎる。
調べてみると、生産者のイミッヒ・バッテリーベルクの名前は、ドイツはモーゼルにある畑の開墾時に崖をダイナマイトで爆破したことから砲兵隊(バッテリー)にちなんでつけられたのだそうだ。なんだそりゃ。これには16歳で砲兵少尉となったナポレオンもビックリである。
と、砲兵といえばナポレオンだよね、みたいなことで適当に書いてみたところ、バッテリーベルクの畑にはナポレオンとの縁がガチであった。公式サイトの説明によれば、バッテリーベルクの畑は、1804年にナポレオンが作成した「ブドウの木の分類」を基にした「1868年プロイセンのブドウ畑の分類」で、最高クラスに分類されているんだそうだ。
そしてまったく関係ないけど少年時代のナポレオンが雪合戦で指揮をしたところ、たくみな指揮と陣地構築で相手陣営を圧倒したって話は仮に作り話だとしてもよくできてると思う。
ワインメーカーは「ドクター・ローゼン」でワインメーカー見習いとしてキャリアをスタートさせたという人物。ドクター・ローゼンといえばつい最近同じオーナーが所有する「ヴィラ ヴォルフ」のシュペートブルグンダーを飲んだばかり。そちらもおいしかったので期待大だ。あんまり関係ないかもだけど。
「ツェー アー イー リースリング カビネット トロッケン」はどんなワインか?
ワインは亜硫酸以外の添加物を用いずに野生酵母だけで発酵させているんだそうで、ショップによっては「ナチュラルワイン」として売られている。輸入元はラシーヌ。ラシーヌのワインは以前飲んだものが大変おいしかったので楽しみだ。
数時間のマセレーション後、ステンレスタンクで発酵、澱引きせずに9カ月シュールリー熟成。C.A.I(ツェー・アー・イー)のワイン名は、カール・アウグスト・イミッヒっていうワイナリー創設時のオーナーの名前に由来するそうな。BMWはベンベでAMGはアーマーゲーって言ってましたよね昔。
ついでに「カビネットってなんだっけ?」がふわっとしてたのでwikiを雑にコピペ。
「ドイツのQmPワインと呼ばれる高級ワイン(特級ワイン)に認められた6つあるPrädikat(肩書き)の一つで、一番下にランクされている。醸造の際に、糖分を補うことが許されず、アルコール度数が低く、比較的軽い味わいのものが多い。 」
でもってトロッケンは辛口。
C.A.I.(創業者名)
リースリング (品種)
カビネット(度数低め)
トロッケン(辛口)
というわけですね。ドイツワインの基本のキを僕は学んでいこうと思います。
ツェー アー イー リースリング カビネット トロッケンを飲んでみた。
さて、グラスに注いでみると色はこれなんですかね。ペールイエローっていうのか、生搾りレモンサワーを注文し、テーブルでレモンをゴリゴリ絞ったときに出る汁を透明にしたみたいなごく薄レモン色。
で、飲んでみるとこれが非常にいい。和柑橘系のさっぱり7割果実味2割苦味少々みたいな味わいで。はっさくとか、ゆずとか、カボスとかのスッパ系果汁を1/100濃度くらいに希釈して加えてるんじゃないかというホメオパシー的さわやかさ。それでいて徹底的にドライなので食事の邪魔をまったくしない。白のナチュラルワインにはたまに超すっぱいのがあるが、そのニュアンスがほんの少しだけありつつすっぱさが気にならない絶妙なバランスですなこりゃ。
単独で飲んでもおいしいし料理の味わいの引き立て役もできるという司会もこなすお笑い芸人的、ゴールも奪える司令塔的な器用さがあっていやうまいなこれ。
というわけで、なんだか妙に気に入ってしまったのだった。たまには「ジャケ買い」もしてみるもんだなー。