コント・ド・シャンベリ ブリュットをカクヤスで550円で買った
その圧倒的な安さで「なんでも酒や カクヤス」の看板商品と化している感のある税抜き500円が売りの「ワンコインシリーズ」。夏場に飲むビール代わりのスパークリングワインとして私もしばしば買うのだが、先日そのラインナップのなかに見かけないワインを発見したのですかさず買ってみた。
それがコント・ド・シャンベリ ブリュット、という名前のワイン。輸入元は株式会社都光(であることを、都光の社長である戸塚尚孝氏がtwitterで教えてくれた)。550円、改めて驚異の安さだ。
どんなワインかと調べてみると、生産者はスペインのフェリックス・ソリス。あれどこかで聞いた名前だな。と自分のブログ内を検索してみると、おお、あれだ。スーパーの西友で売ってるおいしい100円台赤ワイン「FIYレッドブレンド」を造ってるところだ。スペイン最大手の巨大企業。巨大な工場で工業製品的にワインをつくる生産者である。
コント・ド・シャンベリの使用ブドウ、アイレンとビウラとは
早速公式サイトを見てみると、コント・ド・シャンベリはアイレンとビウラを使ったスパークリングワインであることがわかる。
アイレンはシャルドネとかソーヴィニヨン・ブランとかに比べると知名度低い感があるにも関わらず生産量は白品種で世界NO.1という品種で、Wikipediaによると2010年時点で栽培面積は世界3位。スペインではブドウの栽培面積の1/3がアイレンなのだそうだ。すごいぞアイレン。日照りに強く、収量が多い。強いぞアイレン。wikipediaに「味わいは没個性的であるとされる」と書かれちゃってるけど。負けるなアイレン。
で、ビウラって知らないなあと思って調べたところマカベオのことなんですね。カバの主要品種としておなじみのマカベオことビウラ、これまたwikiには「歴史的には際立った特徴のないブドウ品種であるとされてきた」とか書かれちゃってる。
「没個性」と「際立った特徴のない」ブドウ同士がタッグを組むっていう設定がラノベっぽくて良い。なんかのアレでエリート同士のタッグを撃破する的な胸アツな展開が待ってそうな予感だ。平凡と平凡を掛け合わせれば非凡になるんだ! みたいな。いいセリフだな。すべて妄想だけど。
コント・ド・シャンベリ ブリュットはどんな
さて、現実に立ち返ってテクニカルシートを見てみると、安うまワインの宝庫として私のなかで知られるカステーリャ=ラ・マンチャで栽培されたブドウを使って白ワインを作り、そこに炭酸ガスを添加してつくるみたいなことが書いてある。炭酸ガスのみならず、酸化防止剤、酸味料、保存料と添加物も盛り沢山。うーん、インダストリアル。とはいえ550円で750mlのボトルが手に入るワインに対してあれこれ言うのも野暮なので、いざ飲んでみることにしよう。
グラスに注いでみるとわりと濃い目のリアルゴールド感のある色合いの液体から元気よく泡が立ちのぼり、グラスの表面でプチプチ弾ける。炭酸ガス添加ワインらしい激しさ。炭酸ガス添加ワインは翌日に泡がヘタリ倒す傾向があるのでその日のうちに飲み切りたいものだ、アルコール度数10.5度だしと飲んでみると、うん、普通にうまい。
その味わいは、たとえていうならば大人のC.C.レモンだ。知らなかったのだがC.C.レモンって今もバリバリの現役で、「スーパーC.C.レモン」っていう機能性表示食品になったりしてるんだそうだ正しくなんの関係もないけど。
ともかくレモンのような酸味が前面に出て、次にC.C.レモン的な甘みがあり、レモンの皮的苦味がお気持ちとばかりに複雑性を足している。全体的にリモン(スペイン語)味。やや甘さが気にならないでもないけど、それも食事を邪魔するほどでなく、夏場の夕暮れにサクッと開けて飲み始めるのには良い。
というわけで、多くは期待しないカクヤス500円泡にあって、まさに期待通りのパフォーマンスを発揮してくれたのだった。今年もカクヤス500円泡の季節がやってきた!
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