ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

小布施ワイナリー『ソガペールエフィス スパークリングワイン「R」辛口』を飲んでみた。

小布施ワイナリーのスパークリングワインを買った。前回飲んだ同ワイナリーのロゼ泡「グラップ・アンティエール」が美味しかったので、今度は白泡を同じカーブ・ド・リラックスで購入したという流れ。

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さて、小布施ワイナリーの公式サイトには商品ページが存在しないので、まず悩むのはこのワインをなんと呼んだらいいのか、だ。ワインと向き合う際に、「あの〜、なんとお呼びしたらよろしいでしょうか……?」と聞くところから始まる婚活会場状態。

裏ラベルにはこう書いてある。

スパークリングワイン「R」辛口

ブランドブラン 瓶内二次発酵 ブリュット

ところが、商品名の表記は販売店によってマチマチだ。こんな感じ(ヴィンテージ表記は省略)。

ソガペールエフィス スパークリングR 辛口
ソガ ペールエフィス スパークリングR メトードトラディショネル(瓶内二次発酵)
ソガ・ペールエフィス スパークリングワイン  「R」辛口
ソガ ペールエフィス スパークリング<R> ブランドブラン ブリュット

キャノンじゃなくてキヤノンブリジストンじゃなくてブリヂストンブルドッグソースじゃなくてブルドックソースであるといったように表記は重要だ。ちなみにブルドッ「グ」と濁点がつくと語感が悪いからブルドッ「ク」と濁らない表記にしたんだそうなワインの名前の話だった。

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ソガペールエフィス スパークリングワイン「R」辛口を飲みました。

さて、どの販売店のサイトを見ても「ソガ ペール エ フィス」の文言は含まれるのだがそこの表記がまず揺れてる。入れるのが正式なのであれば、裏ラベルや、公式サイト等での表記から、スペースもナカグロ(・←コイツ)も入らない「ソガペールエフィス」と表記するのが正しかろう。かつ、ラベル裏の商品名(と思われる部分)2段目の製法を記した箇所は“トル可”のようだ。以上から総合的に導き出される名称の結論は、

ソガペールエフィス スパークリングワイン「R」辛口

これである。私はこうお呼びする。今日、ソガペールエフィス スパークリングワイン「R」辛口を我は飲む。

「なんと呼ぶべきか」だけで約800字を費やしてしまったが、このワインにはまだまだ気になる点があるので続けます。

まず、ソガペールエフィスとはなにか。公式サイトの奥深くにこう説明がある。

私たちは毎年自社農場比率を高めています。しかしながら、まだ100%までには至っていません。その足りない葡萄は私たちの現在と将来を理解してくださる仲間の2件の農家の方に信頼関係でわけていただいています。そのワインはドメイヌソガのラベルでは売らず、ソガペールエフィスというシリーズで販売しています。

自社農場のブドウはドメイヌソガ、買いブドウだとソガペールエフィスになる。ペールエフィスはペール(父)エ(と)フィス(息子)。「R」の一文字は、ラベル裏から引用すれば、

スパークリング実験作業時の通し記号です。Bから続いてきてRに至るこの名は実験、失敗、改良の積み重ねの歴史を示しています。

とのこと。

そして前回飲んだ「グラップ・アンティエール」もそうだったのだが品種名は明かされておらず「欧州系ワイン品種」とのみある。ネットで見つけた2013年ヴィンテージの裏ラベル画像を見ると、2013年は品種が明かされており、シャルドネソーヴィニヨン・ブラン、ケルナー、バッカスブレンド。2016年も同様。手元にあるワインにはヴィンテージ表記がないが、ベースワインのヴィンテージは2017年とある(デゴルジュマンは2020年2月とのこと)。使ってる品種は同じなのか。比率が違ったりするのか。深まる謎。こりゃもう飲んでみるしかないっス。

というわけで飲んでみるべくワイヤをくるくるねじろうとしたらこれがまた固い! 前回飲んだロゼ泡も固かったけれども今回も固い! そしてこの固さから伝わるなんともいえない手仕事感。指は痛いが嫌いじゃないぜ。

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裏ラベルの情報量と熱量が最高。

グラスに注ぐと朝焼けが終わった後の透明な光みたいな色。で、飲んでみるとンマーッこれおいしいですね。蜜と水分で皮がはちきれそうになってるリンゴを皮ごと丸かじりしたみたいな感じがあるのにジュースっぽくなく、安っぽさもまるで感じないのは2017年のベースワインを2020年2月までオリと一緒に熟成させたからなんでしょうか。わからないけど深みがあって、でもハツラツとしている。これ若造りの逆ですね。若見え。え、あの人30代半ばなの20代にしか見えないけどむしろストライクです僕、と訳のわからないことを容疑者は申しており……みたいになる。これは飲めるタイプの年齢不詳の美女。

品種はもちろん飲んでみたところでさっぱりわからないが、そんなことはもうどうでもいいやみたいな気分に自ずとなる。そんなことよりおかわりください。値段はちょっとお高めで3000円。値段相応のおいしさがしっかりあると思うのでこれはコスパ良しと言っていいかもしれない。

小布施ワイナリー2本目、今回も美味しくて、かつ楽しめた。まだ他のも自宅にあるので、近々飲むのが楽しみです。

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