日本ワインショップ専門店「遅桜」へ
ワインショップ遅桜に行ってきた。
住所的には東京都港区西麻布、最寄駅は東京メトロ日比谷線の広尾駅(徒歩10分弱)というエリアにあり、日本ワインが角打ちで楽しめると聞いての訪店だ。
訪問したのは16時頃。手前にはテーブル席、奥にコの字型のカウンターがあり、カウンター席の背後の壁に日本ワインがズラッと並んでいる。奥には小さなウォークインセラーもあるようだ。
角打ちはあくまでも「ショップのおまけ」であることが多いが、このお店の場合角打ちがなんならメインなんじゃないかという勢いで、角打ち好きにはありがたい。
ワインショップ遅桜で角打ち
この日グラスで空いているのは5種。つねに5種類前後が開いているみたいだ。いいな。3杯50mlずつで1500円というセットがオススメのようで、それを頼むことにした。
この日開いていたのは以下。
タキザワワイナリー デラウェア 2015
広島三次ワイナリー TOMOEデラウェア 2021
機山ワイナリー メルロー 2017
ドメーヌ・ヒデ アートラベル2019
アール・ペイザン シャルドネ2022
朝日町ワイン 朝日町リースリング フォルテ&リオン2018
困ったなぜんぶ飲みたいぞ。こうして改めて見てみるとタキザワのデラ2015(2015!!)は飲んでおきたかった気がするが選んだのは三次ワイナリー、ドメーヌ・ヒデ、アール・ペイザンの3種類。ドメーヌ・ヒデとアール・ペイザンは飲んだことがなかったのだ。
遅桜で角打ち①:広島三次ワイナリー TOMOEデラウェア2021
まずは広島三次ワイナリーのTOMOEデラウェア2021。2023年5月に広島市で開催されたG7サミットの昼食会で同ワイナリーのTOMOEシャルドネ新月2020が供されたことでも話題で、私は最近こちらの「TOMOEシャルドネクリスプ」を飲んで1000円台とは思えない味で衝撃を受けたりしていた。
そんなこんなでデラウェアをいただいたのだが、これは過去イチそのまんまデラウェアだった。食用ブドウであるところのデラウェアの皮と果実の香りと味がするね、という印象で、良くも悪くも「ワイン」という感じがしないワインだと感じた。ワイン初心者の方にオススメするのに良さそう。
遅桜で角打ち②:アールペイザン シャルドネ2022
次に飲んだのはアールペイザンのシャルドネ。ワイナリーが所在する岩手県花巻市の自社農園もののブドウを使った、軽く樽のニュアンスのあるクセなく素直においしいシャルドネ。岩手という冷涼(ですよね?)な土地だからこその酸があって、これは好きな味だった。おお、発見だ。
アールペイザンは障碍を持つ方がワインの製造に携わるワイナリーなのだそうだが、それを謳うのではなく(実際、公式サイトではその旨の記載はない)、あくまでブランド力や品質で勝負していきたいという思いがあるそう。そのほうがフラットだから、ということのようで、すごく共感できる。
ともあれケアフィットファームワイナリー、とわ北斗ヴィンヤードなど障碍を持つ方が携わるワインは贔屓目抜きでおいしいケースが多いと感じる。先駆けは栃木のココ・ファームなのだろうか。
2019年にオープンしたばかりだというアールペイザン、いずれほかのキュヴェも飲みたい。
遅桜で角打ち3:ドメーヌ・ヒデ アートラベル2019
最後の1杯はドメーヌ・ヒデ アートラベル2019で、これは遅桜とのコラボで生まれたキュヴェなのだそうで、毎年ラベルアートが変わり、現行VTである2019は富士山アート写真家の若月新一さんの和紙に印画した富士山の写真が使われている。いい写真。
中身はフレンチオーク樽で30か月熟成させたというマスカット・ベーリーA。少し自然派的なワイルド系の香りがあるものの、液体は滑らかで果実味と酸味のバランスが良くておいしい。
モンガク谷ワイナリーの「楢」発見
と、3杯をうまいうまいと飲みながらふと後ろの棚を見ると面白いワインがいろいろと売っている。とくに小規模な生産者のワインの品揃えが充実している印象で、他のショップで見かけないものも多くある。
いろいろあるなあと眺めていると、あ、モンガク谷だ。北海道余市町の入手が難しいワインのひとつ、モンガク谷ワイナリーの「楢」が売っていたのでさすがにこれは見逃せねえわと確保した。普通売ってないワインがしれっと売ってるお店ってありますよねみんなナイショにしているフシがあるけれども。遅桜もそのうちのひとつのようだ。
西麻布のワインショップ「遅桜」は角打ちできる日本ワイン専門店。角打ちは常時5種前後が開いてるようで、3杯1500円のセットが実にいい感じ。珍しいのありそうだなーと日本ワインがズラリと並ぶ棚を眺めてたらモンガク谷ワイナリーの「楢」が売ってたので捕獲してきました。広尾駅徒歩10分弱。 pic.twitter.com/tsD3BIV5PP
— ヒマワイン|ワインブロガー (@hima_wine) 2023年7月8日
「楢2021」はピノタージュ75%、ピノノワール10%、ピノグリ10%、シャルドネ4%、ソーヴィニヨンブラン1%という珍しいセパージュのブラン・ド・ノワールタイプの白ワイン。楽しみだ。
さて、このあとハセ・ド・コダワールワイナリーの「ヒルズ ブラッククィーン2022」も開けていただいて飲んでみた。塩尻ワイン大学1期生でGAKU FARM&WINERYや丘の上ワイナリー幸西ワイナリーといった方々が同期という新しい生産者。
ヒルズ ブラッククィーン2022はこれほぼファーストヴィンテージとかそんな感じなんでしょうか。マスカット・ベーリーAと同じく日本ワインブドウの父・川上善兵衛が交配で生み出した善兵衛品種であるブラッククィーンは、色が濃いが味は濃くなく、酸味が主体の味わい。
角打ちができるワインショップは多いが、日本ワインが飲めるところは意外と多くない(あれば教えてください)。日本ワイン飲みたいなーという気分のときに、またお邪魔したいお店となったのだった。
2階にはワインバー・綺羅星も併設されている。18時までがショップ営業、灯ともしごろになるとショップが閉まり、バーがオープンするようだ。1階と2階のハシゴ、なんてのも楽しいかもしれないですね。
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