ペリエ・ジュエ グラン・ブリュットとメルカリ
昨年末に大掃除をしていたところ箪笥の中から買ったはいいが着てないジャケットが発掘されたのでメルカリで売却、売上金をメルペイに変換して「やまや」でペリエ・ジュエのグラン・ブリュットを買った。着る機会のないジャケットがおいしいシャンパーニュに変わる21世紀に生まれて良かった。
そうして買ったペリエ・ジュエ グラン・ブリュットを知人の結婚祝いに飲むことにした。ペリエ・ジュエ、飲んだことなかった&飲んでみたかったのだが7000円前後するワインはなかなか買えないわけなんですよ普段700円前後のワインを飲んでいる身からすると。というわけでメルカリに感謝。
シャンパーニュ ペリエ・ジュエの歴史
せっかくなのでペリエ・ジュエについて調べてみると、メゾンの創設は1811年。コルク業者だったペリエさんとカルヴァドスの生産者の娘だったジュエさんが結婚し設立したのがはじまり。
その歴史をひもとくと、1846年に「キュヴェK」というブリュット、すなわち当時珍しかった辛口のシャンパーニュがイギリスで受け、シャンパーニュ界に確固たる地位を築いたことがわかる。でもってその「キュヴェK」を起源とするのが今回飲んだ「グラン・ブリュット」という流れ。
ペリエ・ジュエとベル・エポックとジャポニズム
あとこれは余談なのだが、ペリエ・ジュエのフラグシップであるベルエポックのボトルを1902年にデザインしたのはアール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家であるエミール・ガレ。ガレは日本人留学生・高島北海という人物と交流があったようで、日本にも何度か来ているのだそうだ。
その影響なのかどうなのか、ベル・エポックのボトルに描かれている花は「ジャパニーズ・ホワイト・アネモネ」、日本では秋明菊と呼ばれる花なんだそうだ。うーん、ジャポニズム。
秋明菊、花言葉は「薄れゆく愛」だそうですよ。はかないですなあ。愛はなぜ薄れゆくのか……シャンパーニュでも飲みながら考えたいテーマですねペリエ・ジュエの話だった。
ペリエ・ジュエ グラン・ブリュットを飲んでみた
エノテカの商品ページによればグラン・ブリュットに使われているのはピノ・ノワールとピノムニエがそれぞれ40%、シャルドネが20%。リザーブワインを12〜20%ブレンドして造るのだそうだ。どんな味わいか飲んでみようそうしよう。
グラスに注ぐと輝くような黄金色で注いだ瞬間「あ、春。(注:今は1月です)」みたいになる。桜の花が満開で足元にはタンポポが咲き乱れるような、春の野原のような明るさがあるわけなんですよグラスの中身が。泡もすごいしとにかく生命力に満ち溢れている。飲む開花宣言ですよこれは。
香りは酸味も蜜もたっぷりのリンゴのような香り。シャンパーニュ特有のパンみたいな香りは弱めで、飲んでみてもその印象は大きく変わらない。私が飲んだ乏しい経験のなかで、もっとも果実を感じたシャンパーニュはこのペリエ・ジュエ グラン・ブリュットなんじゃないかという気がする。いやーおいしいですねこれは。
私はもう少し酸味が鋭いタイプのシャンパーニュが好きなので、個人的な好みからは少々外れるのだが、この極めて明るい、プランタンな感じのこのシャンパーニュもとてもいいなと思ったのだった。春に桜の木の下で飲んだら間違いなく最高。やりたい。誰かやりましょう。あとベルエポックもいずれ飲まなければならぬ。グラスで、になるかもしれないけれども。
ペリエ・ジュエと世界最古のシャンパーニュ
というわけで大満足の初ペリエ・ジュエだったのだが最後にもうひとつ余談。時は2009年、ギネスが認定する世界最古のシャンパーニュである1825年のシャンパーニュが飲まれたそうなのだが、その銘柄はペリエ・ジュエだったのだそうだ。
当時はドサージュたっぷり、ブランデーも少量添加されていたのだそうで、200年近い時を経たそのワインは参加してシェリーのようなニュアンスになっていたものの十分美味しく飲むことができ、「泡もまだ生きていた」そうだ。
私はまだシャンパーニュ古酒沼には足を踏み入れていないが、シャンパーニュについて調べることは歴史について調べることなので、自ずと興味が湧いてくる。1825年のペリエ・ジュエはあと2本残っているのだそうだ。いつ、誰が飲むのかはわからないが、いざ抜栓される際はなんとか1mlなめさせてもらえないですかね……!