ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

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肉のハナマサ直輸入ワインの実力は!? 「ランガティラ ソーヴィニヨン・ブラン」(935円)を飲んでみた。【RANGATIRA SAUVIGNON BLANC】

肉のハナマサと私。

東京、神奈川、千葉。埼玉の人間なら「肉のハナマサ」を知らない人はおそらくいないだろう。「業務用スーパー」とか「プロの為の店」みたいなキャッチコピーの生鮮とPB商品が充実した黄色い看板のアレだ。

私はハナマサの独特な雰囲気が好きでよく行き、通常のデミグラスソース缶の原材料は牛肉なのに、業務用デミグラスソース缶の原材料は羊肉なのか! と小さな発見をして小さく感動したりしている。

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さて、ハナマサは株式会社ハナマサの下にスーパー部門の株式会社花正とレストラン部門の株式会社カルネステーションがあるという構成の企業グループ。創業は1923年で、その名の通り元々は東京・平井の花屋だったそうだ。そして、株式会社花正は小売だけでなく食品の輸入も行っている。余談この上ないがカルネはイタリア語で肉の意。なのでカルネステーションは「肉の駅」ということになる。「道の駅」ならぬ。

さて、イタリアといえば私には毎年秋冬にかけて来日し、自宅に滞在してもらう有名レストラン勤務のイタリア人夫婦の友人がいるのだが、ハナマサが大好きな彼らに言わせると「ハナマサに売ってるイタリア食材はまったく悪くない。しかもモノによってはイタリアより安いのなんなの」とのこと。なんなの。こっちが聞きたい。「ハナマサ・イズ・クレージー」って言ってましたよ。オウサムとかインクレディブルみたいなノリで。ハナマサにはお手上げだぜ!

肉のハナマサ直輸入「ランガティラ ソーヴィニヨン・ブラン」はどんなワインか

さて、ここからが本題で、ハナマサには以上のような経緯から輸入元を株式会社花正とする直輸入ワインも売られている。パスタやオリーブオイルが高品質で安いならばワインはどうかと買ってみた。それが、ランガティラ ソーヴィニヨン・ブラン。お値段は税込935円と財布にやさしい3桁円。ソーヴィニヨン・ブラン(以下、SB)の産地としてハズレが少ない印象のニュージーランドのワインだ。

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ハナマサ直輸入ワイン「ランガティラ ソーヴィニヨン・ブラン」の勇姿。

さっそくどんなワインから調べようとハナマサのサイトを見ると情報はほぼ皆無。というわけで、rangatira wine とかってワードを適当に検索クエリに入力すると、ニュージーランドはホークスベイのカ・タヒという生産者がヒットした。っていうか、いまラベル見たら思いっきりラベルに「KA TAHI WINES」って書いてあった。何かを調べるときに最初に使うべきはGoogleではなく自分の目です。一次情報はいつだってボトルにある。

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さて、カ・タヒは「The One」という意味なんだそうで、カ・タヒとランガティラ 、ふたつのブランドでワインをリリースしている。のだが、公式サイトにあたると、ランガティラには「フォー・ザ・リアリー・スペシャル・イヤーズ」という文言が付されており、なんつーんですかねヴィンテージ入りのシャンパーニュみたいなもんで良年だけしか生産されないやつみたい。しかも、デイリーレンジのカ・タヒにはSBがあるのに、ランガティラにはラインナップされてない。どうなっているのか。

ランガティラかカ・タヒか?

次に価格を見ていく。前述したようにランガティアブランドにはSBがないので、シャルドネ(CH)と比較する。(1NZドルは69円換算)

カ・タヒSB>6本98ドル=1本1127円

ランガティラCH>6本173ドル=1本1989円

あれおかしいな、高いなランガティラ。つーか廉価レンジのカ・タヒでも日本で買うより高いぞ。ハナマサ・イズ・クレージーがまたしても証明されつつあるのかなこれ。

というわけで真相は不明なのだが、以上から類推される可能性とそれぞれのお得度は以下のようになる。
ハナマサで935円で売られている「ランガティラSB」は……
【可能性1】ランガティラブランドのオリジナル商品>超お徳
【可能性2】ランガティラブランドで中身はカ・タヒ>お得
いずれにしても935円で買えるのはニュージーランドで6本セットを買うより安い。ハナマサの調達力恐るべし。そして個人的にはランガティラって書いてあるんだからランガティラってことにしようそうしようということで、【可能性1】を心の中で採用。公式サイトにも醸造等に関する情報はとくになかったので、あとは飲むのみである。現地の半額で飲めるのかよ、超お得だぜ! っていうマインドセットで。世の中の問題はポジティブマインドセットで9割解決する。

ランガティラ ソーヴィニヨン・ブランを飲んでみた。

というわけでよく冷やしてスクリューキャップをくるくる回転、グラスに注いでみると、一瞬なんか変な匂いがする。なんだこれ。ワイン達人の方々がよくいうペトロール香ってやつかしら? ん? どうなのよ? え? とグラスに思い切り鼻を突っ込んでクンクンしてたら鼻先に液体が触れた拍子にグラスが揺れて飛沫が鼻腔を直撃して蒸せた。生兵法は怪我の元とはまさにこのことである。死ぬかと思った。

口に含むと苦味も強く感じたのだが、香りも苦味も最初の一瞬だけ。なんだったんだろうレベルで消えたから、私の勘違いだったのかもしれない。そして、最初の違和感が消えたあと改めて飲んでみると、普通においしいSBですねこれは。うまい! 最高! ホークスベイの奇跡! みたいなこともなく、値段に対して十分おいしいという満足感とともにスイスイ飲める類のやつ。

広島東洋カープでいうところの社会人野球にすら入団を断られる静岡の無名大学生だったのが育成契約でプロ入り後みるみる頭角を現し、支配下契約を勝ち取ると今年一時期は一軍のリードオフマンとして活躍した大盛穂(おおもり・みのる)外野手的なワインということができる。良年だったら3割打ちそうなポテンシャル。これのスパークリングっていうのもあるので、いずれ試してみたい。

ハナマサの935円ワイン、楽しめた!

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