ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワイン歴2年のワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

三養醸造はどんな生産者? 「窪平2021」を飲みつつ調べてみた

三養醸造と「三養訓」

三養醸造の「窪平(くぼだいら)2021」が楽天で売っていたので買ってみた。三養醸造といえば、「共栄堂」が2021年まで醸造場所を間借りしていた老舗ワイナリー。共栄堂のワインは安くておいしくて非常に好印象なのでじゃあ三養醸造はいかがなものかと買ってみたのだった。というわけで今回は三養醸造とそのワインについて調べてみる。

三養醸造の「窪平2021」を飲みました。

三養醸造は1933年創業の山梨県山梨市牧丘町にあるワイナリー。その特徴的な名前は北宋の詩人・蘇東坡(そとうば)の「三養訓」に由来するそうだ。今回やけに難しい漢字が多いなしかし。それはともかくまずは「三養訓」を眺めてみよう。

安分以養神 (自分の置かれた身分にしっかり腰を落ち着けて、精神を安定させること)
寛胃以養気 (胃を楽にして、気力・根気をしっかり身につけること)
省費以養財 (無駄使いをやめて、財産(生活の安定)を作ること)

これワイン好きは全員墨書して自宅の見えるところに貼るべきやつなんじゃないすかね。余談だが伊豆長岡にある岩崎弥太郎ゆかりの旅館「三養荘」の名も三養訓に由来する。三養訓は岩崎家の家訓だったんだそうな。へー。

三養醸造では、この三養訓を「美味しい葡萄酒を飲んで楽しく生きよう」という想いを込めて社名に掲げているのだとか。奇遇なことに私の人生訓も「おいしいワインを飲んで愉快に生きよう」なのでこの時点で心の業務提携が完了。いいバイブスでワインが飲めそうな気配だ。

 

三養醸造はどんな生産者か

では、三養醸造が創業した1933年(昭和8年)当時の山梨のワイン産業はどのような状況だったのだろうか。WEBサイト「ワインの国 山梨」の『明治以降のワイン醸造』というページを参考に調べてみると、昭和5年に1088場だった山梨県内のワイン醸造場が昭和14年には3694場に達したとあるから、空前のワイナリー(醸造場)建設ラッシュだったことがわかる。

こちらの記事でも山梨のワインの歴史に触れています↓

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三養醸造醸造所は創業時からの古い蔵を修理・増築しながら使い続けているというから、あと10年ちょいで築100年を超える建物でワインを造っているということなる。それでいて道具や資材は積極的に最新のものを入れいてるのだとか。温故知新感あっていいな。

圃場(ほじょう)は牧丘町に1.2ヘクタールを管理。「甲州、マスカットベーリーA、シャルドネメルロー他の複数の欧州系品種を栽培」しているそうで、除草剤はおろか、有機農法でも利用可能なボルドー液(硫酸銅消石灰の混合溶液)も使わないのだとか。

 

三養醸造「窪平2021」はどんなワイン?

今回飲んだ窪平2021は「ワイナリー所在地のブドウのみを用いた」とあるので自社畑のブドウを使っているということだと思われるが、これが非常に面白いワイン。

「マスカットベーリーAを主体にアルモノワールカベルネソーヴィニヨン、サンジョベーゼ、シラー、プチマンサン、トレッビアーノ、アルバリーニョなどを混植、混醸」というフィールドブレンドかつ赤品種に白品種を加えたホワイトブレンド酸化防止剤無添加で造られているそうだ。

himawine.hatenablog.com

アルモノワールは聞き覚えのない品種だが、これはカベルネ・ソーヴィニヨンとツヴァイゲルトを交配させた品種だそうで、「農林水産技術会議」によれば、開発を担当したのは山梨県果樹試験場。烈果がなく、寒冷地でもよく発芽し、同条件で栽培・醸造したメルローカベルネ・ソーヴィニヨンよりも官能評価の評点も高いとある。なにそれいいじゃないの。寒冷地型カベルネ、みたいなことなのかな。品種登録は2009年だというから、まだ生まれたばかりの品種ですね。

フィールドブレンドワインは過去に何度か飲んでいい印象であることがほとんど。なので今回も大いに楽しみに飲んでみることにした。

 

三養醸造「窪平2021」を飲んでみた

このワイン、区分としてはロゼになるようだがグラスに注いでみると赤と言ったほうが良さそうな明るいルビー色をしている。香りはマスカットベーリーA主体らしいイチゴ感がありながら、バラのような良い香り、巨峰とかデラウェアのような食用ブドウっぽい感じもちょっとする。

飲んでみるとこれは個人的にすごく好きかもしれない。マスカットベーリーAで忌避されがちなキャンディっぽさはほぼまったくなくて、マスカットベーリーAと欧州系品種を混ぜました、という出自そのままの味わい。

原材料名は「ぶどう」のみ。

味わいは透き通っていて、アルコール度数11.5%と軽いこともあってすいすい飲めて体に染み渡る感がある。どうでもいい話で恐縮なのだが飲んだ日は昼間潮干狩りに出かけ、そこで採取してきたアサリをオリーブオイル、トマト、白ワイン(ダンシング・フレイム シャルドネ)で煮て食べたのだがそれとめっちゃくちゃ合った。あとワインと合わないでおなじみのマグロの刺身とも合った。日本の食卓との相性は出色だと思う。

栽培から醸造、ラベルのデザインに至るまでナチュラル感が強くあるけれど、色調も味わいもクリア。これで1650円はすごくいい。

と、非常においしかったなあ満足だなあと思っていたのだが、この文章を書くためにワインについて改めて調べてみたところ公式サイトの商品ページの最後のほうに[飲み頃]2022年9月頃から。と書いてあるのを発見。やべえ飲んじゃった。

飲み頃を迎えたらどんな味わいになるのだろうか。気になる!