零細ブロガーの元に高級ワインが届いてしまった 。
先日、こんな記事を投稿した。
himawine.hatenablog.comすると、世の中には奇特な方もいるもので、貴様の書いたブログの記事が悪くなかったから褒美にサンプルワインを送ってしんぜるという大変ありがたいお申し出をいただいた(実際はもちろんはるかに丁寧な文面でメッセージをいただきました)。送ってくれたのは購入したショップ「CAVE DE L NAOTAKA」店主の戸塚尚孝氏。
一面識もないこの零細ブロガーにワインを送ってくださるというこの度量。しかもプロフィールを拝見するとボルドー ボンタン騎士団コマンドールとある。これが騎士道精神……!
というわけで、送っていただいたワインをさっそく味わってみた、というのが本稿の趣旨だ。このような経緯があるので、多少手心が加わってしまうかもしれないが、ワインについては真摯に思ったことを率直に書こうと決意してワインを飲み、かつ執筆に臨んでいることをお断りしておきたい。
さて、とっておきのサンプルワインだという情報とともに送っていただいたワインを開封すると、中から現れたのは「デ ウェホフ ザ・サイト シャルドネ」。定価5000円弱のこここ、高級ワインじゃないっすか。しかも2016ヴィンテージはムンドゥスヴィニという品評会で南アのNO.1になっているというすごいワイン。
2020年3月末に開設した弊ブログの最初の記事が「デ ウェホフ ライムストーンヒル シャルドネ」だったが、それを購入したのが奇しくもCAVE DE L NAOTAKA。記事の公開後に戸塚氏からコメントをいただき、「買ったお店の店長さんからコメントもらった!」と思ったものである。ご縁を感じる。
himawine.hatenablog.comさて、デ ウェホフは南アフリカの生産者。いつもならばいろいろ調べてつらつら書くところだが、今回は趣旨を変え、戸塚氏にインタビューを敢行することとした。
CAVE DE L NAOTAKA 戸塚尚孝氏インタビュー
ヒマだしワイン飲む(以下、ヒマ):というわけでさっそくですが戸塚さん、なぜこのワインを販売しようと思ったんでしょうか?
戸塚尚孝氏(以下、戸塚):ドイツの展示会で金髪の綺麗なお姉さんがブースにいたので目につきました。飲んだらシャルドネの美味しさに驚き日本までサンプルを送ってもらうようにお願いしました。
ヒマ:綺麗なお姉さんがきっかけだったんですね(笑)。では、そのサンプルを飲んで「これはいい!」となった、と。
戸塚:私がかなりの多忙だった年で、試飲できたのがサンプル到着後、約1年たっていました。セラーに寝かされたままになっていたんですが、いざ試飲してみるとかなりいい感じに熟成していて試飲していたスタッフ一同驚きの声をあげるほどでしたね。
ヒマ:なるほど〜。戸塚さんは、このワインに「南アのコルトンシャルルマーニュ」というキャッチコピーをつけてらっしゃいますが、その意図は?
戸塚:実際飲み比べて味わいが似てたので、お客様にわかりやすいようにあのキャッチにしました。少しコルトンシャルルマーニュより果実味が強いですが。
ヒマ:私はコルトンシャルルマーニュを飲んだことがないのでわからないのが残念ですが……生産者のデ ウェホフについても教えていただけますか?
戸塚:ウェホフには今年の2月に行く予定でしたが、コロナの影響で行くことができなくなりました。しかし、あちらのCEOやスタッフは私たちの試飲会のために毎年来日してくれています。非常にフットワークが軽く素晴らしい人たちです。
ヒマ:私は「バトラー」「ライムストーンヒル」「フィネス」そして今回の「ザ・サイト」と飲ませてもらいましたが、全部シャルドネだけど味わいが違って面白かったです。
戸塚:このウェホフシャルドネシリーズ5種はそれぞれ味の違いがあり、5種一緒に飲み比べると非常に面白いです。価格と味わいのバランスで考えるなら、このウェホフより優れたシャルドネの生産者はいないと私は思っています。
※
というわけで、戸塚氏がいかにこの生産者に強い思い入れを抱いているかがわかる。そしてきっかけはまさかの金髪の綺麗なお姉さん……ありがとう、金髪の綺麗なお姉さん。
さて、このワインがどんなワインかといえば、南向きのわずか2.55ヘクタールの畑のブドウで造るシングルヴィンヤードのワインで、南アのベスト白ワインも受賞しているのだとか。オーク樽で発酵の後、樽のなかで数カ月間シュール・リーを行い、その後オリのない状態で12カ月樽の中で熟成後、リリースされるよう。4708円税込という安くない価格だけに、やはり手が込んでる。心して飲んでみましょう。
デ ウェホフ ザ・サイトいざ飲んでみた
飲んでみると……なんだこりゃめちゃくちゃうまいじゃないっすか。過去に飲んだフラッグシップの「バトラー」も、「フィネス」も最廉価レンジの「ライムストーンヒル」もおいしかったので予想通りではあるのだが、その予想を上回る味。
まずくるのは酸。「あれ、すっぱい?」って思うギリギリのところで果実味が押し寄せる。酸と果実のつるかめ算状態。酸が秒速2メートル、果実味が3秒後に秒速5メートルで押し寄せる場合に私が「ウヒョー!」と口走るのは何秒後でしょうみたいな。でもって最後は樽もやってきて、酸・果実味・樽の風味が合体し、ダブルゼータガンダム状態でハイメガうまみ砲をのどの奥に発射してくる。これうまい! 飲んで微妙だったらどう誤魔化そうかと悩んでいたのは内緒です(書いてる)!
戸塚氏が「このウェホフより優れたシャルドネの生産者はいないと私は思っています」というように、シャルドネだけで5種類(現地公式サイトには6種類)もあるというのは、それだけシャルドネ造りに自信があるということだと思う。しかも、どれを飲んでもなるほど個性が異なり、それぞれ違うおいしさがある。これけっこうすごいことなような気がする。
いやはや、大満足。戸塚さん、素敵なワインをありがとうございました。
戸塚氏オススメがこちらのセット。単品で買うよりだいぶお得。