ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

カルディで売ってる象のワイン、あれどうなの? 「バランス」赤・白を飲んでみた【Balance】

カルディで「バランス」の赤と白を買った

カルディコーヒーファーム、略称カルディが好きでよく行く。主にコーヒーを買うために行くのだが、ワインコーナーを毎回チェックすることとなり、結果、高確率でワインを買うハメになる。

でもってカルディのワインコーナーに行くといやでも目に入るのが象がなんですかねあれは? 棒? かなんかの上に乗っかってるラベルが特徴的なワインだ。名を「バランス」という。そのままか。

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バランス シュナンブラン/コロンバール(左)とバランス カベルネ・ソーヴィニヨン/メルロー(右)を飲みました。

私はこのワインが毎回気になるなあと思いながら一度も飲んだことがない。こうなるともう何年も前を通りがかるたびに気になってるんだけど一度も入ったことがない謎の店、みたいなもんで、いつかは一度体験しておかないわけにはいかないような気分。

いつかっていうのは今のことなので、187ml入りのミニボトルで試してみることにした。価格は303円税込である。購入したのは赤のバランス カベルネ・ソーヴィニヨン/メルローと、白のバランス シュナンブラン/コロンバールのふたつ。187mlってことはグラス2杯分くらいでしょうか。

私はワインを2〜2.5日に1本ペースで飲むのだが、「ちょっと足りない」「あと1杯飲みたい」がわりと頻繁に起こる。そういうちょい飲みたい需要に187mlのミニボトルは突き刺さるので、これでおいしかったらかなり助かる。安いし。他球団を戦力外になった中継ぎ投手を獲得したら50イニングくらい喰ってくれて助かった、みたいな活躍を期待したい。

バランスはどんなワインか?

さて、ではバランスは南アフリカのワイン生産者大手のオーバーヘックスワインズインターナショナルがメインに位置付けるブランド。オーバーヘックスワインズは2006年創業の新しい企業にも関わらず、公式サイトによれば瓶入りワインの輸出業者として5番目に大きい規模にまで成長しているんだそうな。すごい。

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本拠地は南アフリカのワイン造りの中心地、西ケープ州。そこの栽培農家と多く契約することで様々なスタイルのワインを自由自在に、かつ廉価&高品質に造ることができるみたいに自社の説明文のところには書いてあり、このあたりの説明はカリフォルニアや南フランスとかの大規模生産者が書きがちな感じと同じ。大企業のスケールメリットを活かして、個性はあまりないかもしれないけれども高品質で粗がない、良くも悪くもリーズナブルなワインを生産する。味わい的な意味でのオンリーワンを目指すのではなく、売り上げ的な意味でのナンバーワンを目指していく方向性だ。

大企業のブランドサイトあるあるで、ワインに関する情報は少ない。品質第一をポリシーに、信頼できる生産者からブドウを集め、熟練のスタッフが造る。売り上げは象が暮らす環境保全のチャリティに一部が寄付される。東京・新橋の居酒屋で日替わりランチを注文したら生姜焼きに味噌汁、ごはん、漬物に冷奴がついてきましたみたいなテンプレ感である。おいしくて、おとくで、サスティナブルだそうなので、それは何よりである。

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また、バランスという商品名は、いい人生にはバランスが大切だよねっていう考えから名付けられたのだそうだ。「そうなんだ」以外にコメントがない。ネーミングも普通だ。とはいえ、棒の上でプルプル震えてるように見える象のラベルは秀逸だ。思わず手に取りたくなる。とくにカルディのような店の店頭では。

ちなみにバランスの公式サイトでは、ラベルの象を操って、転倒しないようバランスをとりながら坂道を爆走するっていうブラウザゲームが楽しめるのほんと謎なのでぜひごらんください。

バランス カベルネ/メルローとシュナンブラン/コロンバールを飲んでみた

さて、そんなこんなで飲んでみた。まず白を飲んでみると、意外と香りが華やか。南の島のリゾートホテルのウェルカムドリンクで出てきそうなトロピカルフルーツ感のある香り(ただし弱め)で、飲むとやや酸味が強め。味はグレープフルーツっぽいのだけど、グレープフルーツの白いとこ、あれなんていうんですかね。なんかフカフカしたとこ。あれ的な苦味もわりとある。公式サイトでは、白ワインでつくるカクテルとして白ワイン、ミント、ブラウンシュガー、ライム、ソーダと氷を足してつくるホワイトワインモヒートが紹介されていたがそれはとってもおいしそう。今度やってみよう。

 

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では赤はどうかと飲んでみると、こちらも白に味の感じが似ていて、香りはわりとチャーミング(ただし弱め)なんだけど飲むと酸味と渋みが強め。公式サイトで紹介されている、イチゴ2、3個、ブルーベリー4、5個、蜂蜜ティースプーン1/2、ライム果汁1/2個分、ソーダ適量を加えてつくる赤ワインスプリッツァーにしたらこれまたおいしそう。白か赤どちらかと言われれば赤のほうがおいしいと思う。

というわけで、味に関していえば特筆すべきものはないのだが、187mlという容量の手軽さは魅力。303円税込の価格も魅力的。そして、ワインカクテルの材料にしてみるのも楽しそう、というわけで、意外とまた買うかもという気はする。

ただ、数年来気になっていた主張の強い謎の店に意を決して入店したら、出てきた料理は別になんか普通だったときのような、なんだか魔法が解けたような気分を味わったりもしたのだった。そんな気分を味わうのも意外と悪くないものである。たぶん。

南アフリカの安ワインは1000円台なのが信じられないこのワインがいまだ暫定1位です