ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

ライムストーンヒル シャルドネ。南アの「シャルドネハウス」のスタンダードレンジを(1年8カ月ぶりに)飲んでみた。【Limestone Hill】

ライムストーンヒル シャルドネとヒマだしワインのむ。

早いものでこのブログをスタートさせて1年8カ月が経った。その第一回で取り上げたのは南アフリカの生産者、デ ウェホフ(以下、ウェホフ)のライムストーンヒルだった。

これ↓

himawine.hatenablog.com

楽天のセールでウェホフのフラグシップ「バトラー」を飲んで感動し、夏の暑い日の夕方にゴクゴク飲んで初めて生ビールのおいしさを実感した学生、みたいなノリでワインってなんておいしいんだろうと感動。

それから2年弱が経ち、バトラーを日本に輸入している会社の社長さんと飲み友達みたいになるんだから人生は恐ろしい冗談の連続だ。ブログはじめてよかったなあ。

 

ライムストーンヒル シャルドネと南アのシャルドネハウス「デ・ウェホフ」

さて、最近ちょっとしたきっかけがあってこのライムストーンヒルを再び購入した。ブログ開設から時間が経過し、私の味覚には変化があるのか否か、定点観測的な意味合いも含めて飲んでみた。いやそりゃ進化してるでしょうよ何本飲んだと思ってるんスか(前フリ)。

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ライムストーンヒル シャルドネを飲みました。

シャルドネハウス」を自負するウェホフのシャルドネには6キュヴェがある。バトラーを頂点に、ザ・サイト、レスカ、ヴォン・バロン、フィネス、そしてライムストーンヒルの順で、だからライムストーンヒルはスタンダードレンジ。樽は使わないアンウッデッドなシャルドネ。樽ドネならぬ鋼ドネ(はがどね)。

産地のロバートソンヴァレーは南アフリカの西ケープ州の生産地。その中心都市のロバートソンは1853年に設立され、当初は馬車製造で栄えるも鉄道網が発展して廃れ、次にダチョウ養殖で栄えるも第一次大戦後に廃れ、紆余曲折を経て現在は「バラとワインの谷」として知られるようになったという妙に要素の多い地域。結果オーライ感がすごい。

余談だがロバートソンはこの地に教会を建てた神父さんの名前だそうだ。私が最初に入植していたらヒマ・ヴァレーになっていた……?

himawine.hatenablog.com

ウェホフ家は1694年に南ア入植、ロバートソンヴァレーでもっとも古い造り手であり、この地に根ざして3代目。現当主のダニーさんはドイツのガイゼンハイム研究所で学んだ方なんだそうで、だから白品種が得意とかそんな感じなのかな。たしかにウェホフのワイン、ドイツ感あるような……ないような……!(なにも言ってない)

 

ライムストーンヒル シャルドネはどんなワインか?

ライムストーンヒルに話を戻すと、まず栽培は1ヘクタールあたり4000-4500本植えられた樹齢7-21年のブドウの樹から、ヘクタールあたり5-8トンを収穫するのだそうだそれが多いのか少ないのかはさっぱりわかんないけど。

収穫したブドウはステンレス樽で発酵、4カ月間シュール・リー。品種は100%シャルドネでアルコールは13.42%、総酸は7.39g/l、PHは3.41。残糖は4.8g/lだ。

と、数字を見せられてもさっぱりわかんないので、中庸オブザ中庸かつアンウッデッドなシャルドネであるコノスル ビシクレタ シャルドネと比較してみよう。こんな感じだ。

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ライムストーンヒル:アルコール13.42%、総酸7.39g/l、PHは3.41、残糖4.8g/l

コノスル ビシクレタ:アルコール13%、総酸6.17g/l、PH3.43、残糖3.8g/l

コノスルに比べると酸も糖もともに高いことがわかる。よくわかんないけどいいんじゃないでしょうかというわけでボチボチ飲んでみよう。

 

ライムストーンヒル シャルドネを飲んでみた(1年8カ月ぶり2回目)

グラスに注ぐとシャルドネというよりソーヴィニヨン・ブランのような薄い色。色の印象そのままにちょっぴり草的なハーブ的な香りがする。

私はブログの1記事目でこのワインを「はちみつレモン」と稚拙な表現で論じた。それから1年8カ月。私は数百本のワインを飲み、テイスティング能力に磨きをかけてきた。その上で飲んだ結果、私は思った。「はちみつレモンで合ってる」と。味覚に全然変化なかった(ただ飲んでるだけでテイスティング能力は上がりません)。

ハチミツみたいな甘い香りにレモンのような柑橘の香り、そこに草とかナッツ的な要素も加わっておいしいなあこれやっぱり。2000円台半ばで売られるワインなので当然といえば当然かもだけど、ちょっとギョッとするほどおいしい。さすが南アフリカワイン、コスパがどうかしてる。

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vivinoの評価は3.8。もっと高くてもいいくらいに感じる。

私はこれを朝食のおかずのサバの塩焼きの残りとかいう江戸時代の貧乏浪人の食卓みたいなつまみと合わせたのだが、これがまたむちゃくちゃ合った。少しレモンを絞ったらマジで完璧だった。

「私が経験した世界のシャルドネの99%よりもはるかに優れたバランスと飲みや

すさ、そして言うまでもなくフィネスを備えています」

ロバート・パーカーがこのワインを評してこう言ったらしいけど納得だ。

以前おいしいと感じたワインを改めて飲んでおいしいと感じるって、なんだかうれしいもんですね。

このセットは間違いない↓