ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

成城石井オリジナル缶ワイン「SEJO ISHII スパークリングワイン」はどんな味? “ブラン”と“ロゼ”を飲んでみた。

成城石井のオリジナル缶入りスパークリングワインを飲んでみた

スーパーの成城石井でよく買う商品のひとつにバロークスの缶入りスパークリングワインがある。とりあえずビールならぬとりあえず泡的に便利に飲めてそこそこおいしい、というのが缶泡の良いところだ。

さてある日、成城石井の冷蔵ドリンクコーナーに「成城石井 SEIJO ISHII スパークリングワイン」なるオリジナル缶入りスパークリングワインが並んでいることに気がついた。価格は399円+税。バロークスが550円とかするので、100円ほど安い。

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SEIJO ISHII スパークリングワインの「ブラン」と「ロゼ」を飲みました。

容量250mlのバロークスの欠点は高い点。「なんでも酒や カクヤス」には500円スパークリングワインという無法な商品があり、750ml入りのそれよりも容量250mlのバロークスは下手すると高いため、毎回ほぼ同程度の価格で量3倍のカクヤス泡も存在しているんだよな、この世には、というモヤモヤを抱えたままレジに並ぶことになる。100円程度の差に過ぎないが、SEIJO ISHIIスパークリング は「カクヤスの500円泡より確実に安い」ことで余計な心理的ハードルがないのが良い。要領は290mlとバロークス比40ml多く、プルタブ式のバロークスに対し、スクリューキャップ式なので再栓可能なのもメリットだ。なんならバロークスの「惜しい点」を徹底的に潰している感まである。缶だけにってやかましいわ。

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 冷蔵ケースには「ブラン」と「ロゼ」の2種類があったので、迷ったら両方買え、という格言に従い両方買ってみた。やっぱりもう一個のほうも買いに行こう、と改めて出かける時間が十分にあるほど人生は長くない。

SEIJO ISHIIスパークリングワインの原料はチリ産ワイン。山梨のモンデ酒造が製造

さて、自宅に持ち帰りしげしげと眺めると、裏ラベルに原材料は輸入ワイン(チリ産)と炭酸ガス、亜硫酸塩であることがわかる。チリで造られたワインをリーファーコンテナで日本に輸入、製造所は山梨県のモンデ酒造とあるのでおそらくそこで炭酸ガスを入れ、缶に詰める作業を行っていると思われる。セブン&アイの「ヨセミテロード スパークリング」と同じような成り立ち。原料のワインはチリのプエルタス社(ヴィネドス・プエルタス)が造っているそうだ。公式サイトを見てみると、巨大な工場でワインを造る大規模生産者って感じでした。

モンデ酒造はつい最近セブンイレブンでオリジナルの甲州スパークリングを買ってみたばかり。こちらも公式サイトを見るとやはり缶ワインの製造に力を入れていることがわかる。モンテ酒造の公式twitterのトップ画像も缶ワインだし。

 

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SEIJO ISHIIスパークリングのブランはシャルドネ100%、ロゼはカベルネブレンド

さて、ではこの2商品はそれぞれどんなブドウ品種が使われているのだろうか。商品発売時のニュースを見ると「シャルドネ100%で造られたブランとシャルドネカベルネソーヴィニヨンのブレンドで造られたロゼ」とある。ロゼのほうは赤ワインを白ワイン的に造る的なロゼではなくて、白に赤を混ぜたピンク色のワイン、という感じのようだ。成城石井お客様相談室に質問してみたところ、その配合比率はシャルドネ90%、カベルネ10%とのことだった。カベルネ・ソーヴィニヨンシャルドネブレンドしたロゼ、つまり赤白ブレンドロゼを飲むのは初めてだ。

いやしかし、これちょっとジャストアイデアなんですけどカートリッジ式のソーダマシンとかを買ってきたらどんなワインでもスパークリング化することができるってことか。楽しそうだな。いつか実験してみたい。赤と白のブレンド比率をいろいろ試してみたりして。新世界ピノ・ノワールの赤泡とかどんな感じになっちゃうのかな。スパークリング・ゲヴュルツトラミネールとか。余談でした。

SEJO ISHII スパークリングワイン ブランとロゼを飲んでみた。

さて、まずはブランを飲んでみるとこれが意外と悪くない。バロークスの特徴的なかすかな苦味みたいなものがなく、悪くいえばジュースっぽい、良くいえば飲みやすいといった印象になる。炭酸ガスをあとから入れていると思うので発酵由来の細かい泡みたいなものはないわけだけれどもシュワシュワしているものは総じておいしい、という法則に則って普通にうまい。主張の強くない味なので、食事にも合わせやすそうだ。

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じゃあロゼのほうはどんなもんかと開けてみると私はこちらのほうが好み。10%のカベルネ・ソーヴィニヨンがいい仕事をしているようで、渋みと果実味、チリのカベルネらしい味わいが追加されてコクうまチャーミング。ハム、たまご、納豆、牛乳、ヨーグルトなどとともに冷蔵庫に常備しておきたい系の、冷蔵庫のなかに存在しない場合に「ない」というより「切らしてる」という認識になりそうなデイリー泡テイストがする。これ1本で優勝までは行けないが、2回戦突破までは行ける。なんでもない火曜の夜とかには2回戦突破くらいの飲み方がちょうど良かったりしますよね。

別にめちゃくちゃおいしいわけではないが、重要なのは290mlという実にちょうどいいサイズでスクリューキャップ方式の缶に入れられている点だ。気軽な晩酌にもいいし、グラス1杯だけ飲みたい、という場合2日に分けて飲むこともできるはずだ。泡は相当弱まりそうではあるけれど。お花見とかにもそりゃもういいだろう。

というわけで、飲むタイプの常備菜としてしばらく採用してみたいという結論となった。バロークスにとってはかなり強力なライバルな気がするなあ、これ。

価格を無視して味わいだけでいえば缶ワインの過去ベストはこれ↓