ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK33】

ブラインドテイスティングWEEK33に臨んで

今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は白2、赤1の構成だ。

 

 ブラインドテイスティングWEEK33/1杯目

まずは1杯目。色は非常に薄めで、甲州以上、ピノ・グリ未満的なレンジが予想される。

香りはかなり特徴的というか、すごくいい香りがする。森のなかのリゾートホテルのいい感じの部屋に入ったらフルーツの入ったカゴがテーブルに置かれていました、みたいな清涼感&果実のニュアンスが漂う。

飲んでみても印象はそのままで非常に非常にフルーティで、飲みやすい。「フルーティで飲みやすいワインください」と店員さんにオーダーしてこれが出てきたらガッツポーズという味だ。初心者のころはまさにこういう味の白ワインが好きだった。

ただ、グラスの奥にはしっかりとアルコールの核みたいなものがあって、決してすごく軽いわけではない。果実がピアノ、酸がウッドベースでアルコールがドラムみたいな雰囲気。

候補のみなさんに集まっていただくと、
本命 ヴィオニエ
対抗 トロンテス
穴 ゲヴュルツトラミネールとかミュスカとか

みたいな感じ。で、ヴィオニエに非常に後ろ髪を引かれるけれども、今回はミュスカでいきたい。理由ですか? 勘ですね…!

フランス (アルザス)/ミュスカ/2022/12%


ブラインドテイスティングWEEK33/2杯目

続く2杯目も色はどちらかといえば薄め。アロマティック系なんでしょどうせ、みたいな色合いだが香りは1杯目とはまったく異なり、甘やか系列ではなくハーブ系だ。アルコールもしっかり感じられ、味わいの主体は酸。え、なにこれ。全然わかんない。

後味に少しの甘さがあってわずかにペトロール的な香りがするようなしないような。リースリングと答えたくなるけど先週出たしなリースリング。冷静に考えるとリースリングにしては粘性が弱い感じがする。

すっきりした酸がありつつ、あとあじには残り香程度の甘みもあって、印象はとても明るい。というわけでこれはヨーロッパの南のほうのワインなんじゃないすかね。スペインとかポルトガルとか。

となるとなんだろう。アルバリーニョはあるかもしれない。言われてみるとほんのわずかな塩味もある気がするし。海が見えるような気がしなくもない味だ。

ただ怖いのはソーヴィニヨン・ブランの可能性も普通にあること。ソーヴィニヨン・ブランは絶対に外してはダメなのでソーヴィニヨン・ブランと書きたい、という、テイスティングとは一切関係のない自分の弱い心との戦い、みたいになる。

あ、あとシャブリって言われても納得する。どうしようシャブリだったら。アリゴテ……いや、アリゴテのことは忘れる。アリゴテなんていない。

というわけで、
スペイン(リアス・バイシャス)/アルバリーニョ/2022/12.5% と予想した。

 

ブラインドテイスティングWEEK33/3杯目

今日唯一の赤のグラスはやや濃いめの赤紫色。グラスのふちはわずかにレンガ色に変化していて、ほんのちょっと、目元の小じわレベルで熟成してる感じがする。

でもって香りはうーんこれはかなり特徴的だ。もちろん果実があって、石とか下草みたいな感じがあってと赤ワインの基本的な香りがしつつなのだが、私の鼻には海苔の佃煮と感じる香りが届く。

なんでも、ジメチルスルフィドなる物質はワインに含まれる場合があり、それは海苔の香りを放つのだそうだ。そのジネチルナントカの仕業なのだろうか…?

一旦海苔のことは忘れて考えると、液体は非常にやわらかく、渋み、酸味は穏やか。そして果実もちゃんといてとても飲みやすい。スパイスを効かせた牛すね肉の煮込みとか、そういう料理と合わせておいしそう。海苔とか言っといてなんだがとてもおいしいワインだ。

といった特徴から判断するとメルローなんですよこれ。メルローって海苔の香りする……? 

他の候補はマルベック(先週出題)、カルメネールなど。カルメネールと迷うという一点から、産地はチリに決めた。アルコールもしっかりとあると思う。

チリ(セントラルヴァレー)/メルロー/2018/14.5%

 

ブラインドテイスティングWEEK予想を終えて

というわけで今週も予想が出揃った。果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。

 

【追記】

さて今週もワインマーケット・パーティ公式SNSで正解が発表された。以下、結果を見ていこう。

 

ブラインドテイスティングWEEK33 / 正解発表:1杯目

予想:フランス (アルザス)/ミュスカ/2022/12%

正解:日本(北海道)/ケルナー/2021/12.5%
 


ケルナーーーー!!!(突っ伏して拳で地面を叩きながら)

いつか必ず出題されるであろう品種であり、そのときは必ず当てたいと思っていた品種だったが見事に外した。薄めの色、森の中の清涼感、フルーツの甘やかさ、飲みやすさ、酸、すべてがケルナーを指している言われてみればだけど。

ちなみに正解ワインはグランポレール 余市ケルナー2021。Amazonでは送料込みでタイミング次第では2000円を切るワインだが、このワインは素晴らしい。ワイン初心者が求めるケースの多い「フルーティで飲みやすいワイン」のド真ん中の味わいなので、そういうのを求める方は迷わずこれを選んでください。

 

ブラインドテイスティングWEEK33 正解発表:2杯目

予想:スペイン(リアス・バイシャス)/アルバリーニョ/2022/12.5%


正解:ニュージーランドマールボロ)/ソーヴィニヨン・ブラン/2022/12%
 

ソーーーーーーーーヴィニヨン・ブラン! また外した!

ソーヴィニヨン・ブランは「出題すると8割が正解する品種」であり、今回も65名中49名が正解されたそうだが私はこの品種を2連続で外しています。

なぜ私はソーヴィニヨン・ブランを正解できないのか。答えは簡単だ。「ソーヴィニヨン・ブランと書いて外したら恥ずかしいから」である。つまり自意識! 不惑を超えて、私はまだ自意識と戦っている!

さらに、「沼田店長がそう簡単にソーヴィニヨン・ブランとか出さないっしょ」という文脈テイスティングも調味料的にそこに加わる。まさに自縄自縛! 飛ばない豚はただの豚! 目の前のグラスに向き合わぬ者に勝利は訪れないんですよ!

 

ブラインドテイスティングWEEK33  / 正解発表:3杯目

予想:チリ(セントラルヴァレー)/メルロー/2018/14.5%

正解:フランス(ローヌ)/グルナッシュ&シラー/2015/14.5%

というわけで今回絶対に当てたかった品種を素で外し、外してはいけない品種をグラスと向き合わないことで外して私はリアス・バイシャスの海よりも深く反省している。3杯目もあれですよ。予想が旧世界、旧世界だったので最後のは新世界だろうみたいなうがった見方をした結果の不正解なんすよ。

ブラインドテイスティングとは世界にグラスと己しかいない世界でワインと向き合う擬似精神と時の部屋でありほぼ座禅なんですよ。色即葡萄酒なんですよ。思わざればソーヴィニヨン・ブランなり、思えばソーヴィニヨン・ブランならざりきってたしか世阿弥も言ってた。

今回は箸にも棒にもかからない12問中正解2問のみという惨憺たる結果となった。負けに不思議の負けなしとはまさにこのこと。大いに反省し、次回巻き返しを図りたい。



 

ソムリエが選んだワインを醸造家が解説! 「学べるワイン会」レポート

「学べるワイン会」やってみた

醸造家・Nagiさん、ソムリエ・沼田店長、そして私の同世代三人組で、「学べるワイン会」なるイベントを企画・実施したのでレポートしたい。

場所は田原町駅すぐの101。30名近い人数でワイン会ができて、いろいろ融通を効かせてくれる大変ありがたい場所だ。

用意したワインは10種類。それを5つのテーマに沿って2杯ずつ比較テイスティングしていくというのが会の趣旨だ。そのテーマが以下のようなものになる。

テーマ出しとワインの選定・調達が沼田店長。各テーマごとの解説がNagiさんとそれぞれの専門領域を出し合っての開催。ちなみに私・ヒマワインの専門領域は雑用だ。

というわけで、さっそく5テーマの内容をそれぞれ見ていこう。

 

【テーマ1】シャンパーニュのドザージュ違いを学ぶ

まず、乾杯を兼ねてシャンパーニュのドザージュ(糖分添加)違いを飲み比べた。

テタンジェ ブリュット レゼルヴとテタンジェ ドゥミ・セックを飲み比べたのだが、この2杯がすごいのはドザージュ以外の要素はすべて同じということ。いわば同じワインの糖分添加量だけが違うというわけだ。

ここで面白かったのは「色」。違うのは糖分添加量だけのはずだが、ドゥミ・セックのほうが明らかに色が濃い。

「糖分添加によって光の屈折率が変わっている可能性はあります。また、使っているのが白いお砂糖なのか、濃縮果汁なのかといったことも影響しているかもしれません。ドイツではゼクトアイスワインを添加したりすることもありますから」とNagiさん。いきなり勉強になる。

 

【テーマ2】ブラインドテイスティング

続いては「Nagiさんからの挑戦状」と題し、Nagiさんがドイツからハンドキャリーしてきた2種類のワインをブラインドで飲んだ。

透明な液体、りんごの蜜の部分だけを集めてお酒にしたような透明な甘やかさ、シャープな酸にブドウそのものが概念化したようなピュアな果実感。そしてペトロール香のなさ。過去何度も飲ませてもらったNagiさんが造るリースリングの特徴が両者ともに出ている気がするのだが、なにが違うのだろうか?

ヴィンテージ? 糖分量? SO2添加の有無? 畑の標高? 畑の斜度では!? とさまざまな意見が出たが、正解は土壌違い。1杯は緑色粘板岩、もう1杯は赤色粘板岩土壌のワインだった。

土壌が違うとなにが違うのかといえば、この場合赤色粘板岩土壌のほうが地温が高く、それによってブドウの成熟に差が出るのだとNagiさん。そして、結果として酸も、糖度も、エキス量も、なにもかもに変化が生じる。

「土壌が違うから味が違う」とNagiさんは決して言わない。「土壌が異なるとXXに変化が生じ、それにより〜」と、原因と結果をセットで説明してくれるのだ。

われわれはつい「ドイツの、ナーエの赤色粘板岩土壌だからこの味になるんだね」と浅い理解をしてしまいがちだがさにあらずで、実際はこの土地のこの年の栽培条件を工場内で人工的に再現できれば理論上は同じ味のものは造れる。

もちろんそれは実際には不可能だろうが、「この土地だからこの味だ」と思考停止せずに、「なんでこの味なのか?」を重ねて問うほうが健全だと私なんかは思うんすけど皆様いかがでしょうか。

2020ヴィンテージはNagiさんが前職であるプリンツザルムで醸造を担当するようになった初年度の作品。「まだ技術的に足りてない」とのことだったが、どちらも前述の通りとてもキレイでおいしいワインだった。

NagiさんとやってるYouTube。ぜひご覧ください↓

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【テーマ3】フィルターをかけるとワインはどうなる? を学ぶ

さて、テーマ3はオレンジワインのフィルターあり/なしの比較テイスティング。使われたのはイタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の生産者ボルゴ・サヴァイアンの「アランサット」。品種はソーヴィニヨン・ブラン85%とピノ・グリ15%。

 

 

フィルターをかけるか、かけないかで味はどう違うのか。沼田店長は「前者は飴、後者は綿菓子」と表現していたが、フィルターをかけたほうは輪郭がはっきりしていて滑らか、ノンフィルターは少しの粉っぽさがあって味わいも複雑さがあるように感じる。

会場で挙手でアンケートをとってみると、おおよそ4:6でノンフィルターのほうが人気だった。私もどちらかというとノンフィルターのほうが好み。

Nagiさん自身が造るワインはボトリングまでに3回ほどフィルターをかけるという。その理由はすごくシンプルで、「フィルターで除去できるものはブドウ由来でない物質だけだから」とのこと。

それはなにかといえばブドウに付着した異物や雑菌などの微生物。それらを取り除くことで、ワインは安定した状態となり、劣化を防ぐことができる。

このあたりはNagiさんの専門領域。「さすがに2ミクロンのフィルターをかけると味わいまで変化してしまうのでそこまではかけませんが……」というウルトラマニアックなフィルター論に突入しかけていた。ワイン造りはミクロの世界ですなあ。

フィルター論を浴びたい方はこちら↓

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【テーマ4】ワイルドナチュラルとクリーンナチュラルを比較!

あっという間に会は進み、テーマ4はクリーンナチュラルとワイルドナチュラルの違い。

沼田店長いわく「自然派」ブームはSO2未添加で人的介入も極力減らしたワイルドナチュラルが主流の時代から。最低限のSO2添加をほどこしてネガティブな要素を排除したクリーンナチュラルが主流の時代に移行しつつあるという。

Nagiさんいわく、自然派の条件は100%健全果+SO2無添加。100%(99.9%でなく)健全果、というのは素人目にもなかなか厳しい条件なのでは? という気がする。ナチュラルワイン造りは大変だ。

グラスに注がれたワインから違和感を覚えるような香りがする場合、それはワインの中身が微生物汚染されているのかもしれない。SO2やフィルターを用いない場合、微生物からワインを守る手段は存在せず、そして自然界は微生物でいっぱいだ。

用意された2杯のワイン(ドメーヌ・デ・ザコル グリフとテスタロンガ ベイビー バンディード フォローユアドリーム)の品種はどちらもカリニャン。しかし、色味はかなり異なり、ワイルドナチュラル代表の前者は濃い紫、クリーンナチュラル代表の後者は淡いピンクパープルで、少し濁りもある。

前者はかなり特徴的な、自然派だなあ、という香りがする。この香りを良しとするかしないかはもちろん個人の好みだが、私はどちらかというとクラシックな造りのワインが好きだなと改めて感じたりしたのだった。

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【テーマ5】スクリューキャップは熟成するのか?

さて、最後のテーマは「スクリューキャップのワインは熟成するのか?」。沼田店長いわく、フランク・マサールは96年にイギリスのソムリエコンテストで優勝したソムリエで、その後スペインに渡ってワイン造りに転じたという人物。

どちらもスクリューキャップで栓がされたガルナッチャ「テッラ・アルタ エル・マゴ」の2014と2021を比較したのだが、熟成するのかしないのかという話でいうと「する」が結論だったと思う。

2014は色が紫から赤褐色っぽく変化しており、味わいも丸みを帯びてやわらかく、いい熟成とはまさにこのこと、というサクサスエイジング具合。では、空気を通さないはずのスクリューキャップでなぜこのような熟成が進むのだろうか?

Nagiさんによれば、スクリューキャップであってもヘッドスペース(液面とコルクの間、この場合液面とスクリューキャップ上部との間の空間)には酸素があり、それによって非常にゆっくり酸化は進む。

また、スクリューキャップ内部のライナーと呼ばれる部分は樹脂製であり、樹脂は空気をわずかながら透過することも影響している可能性があるとのこと。学びが深い。

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ドメーヌ・ユイの2種のワインもテイスティング

というわけで5種のテイスティングが終了したのだが、実はこの会場には北海道余市町の人気生産者、ドメーヌ・ユイの杉山哲哉さんが遊びに来てくれており、ドメーヌ・ユイの貴重なワインを2種提供していただいた。

1種はピノ・ノワールシャルドネピノ・グリを混醸したというワイン「A ルージュ 2023」、そしてもう1種がリリース予定なしという超貴重キュヴェである貴腐ピノ・ノワールを使った白ワイン「A3+2+1 ブラン・ド・ノワール2023」だ。

私はもともとドメーヌ・ユイのファン(今も春に飲むようにセラーに2本保管してある)。サプライズでこんな貴重ワインがいただけるなんて本当に嬉しい。

「A ルージュ 2023」はここまでのクリーンナチュラルの話題に沿うようなキレイな造りの混醸赤ワイン。ピノ・ノワールシャルドネがうまく調和し、ピノ・グリがアクセントとなることで滑らか。フルーツ王国・余市の材料の良さを思わせる味わいとなっていた。

「A3+2+1 ブラン・ド・ノワール2023」は、現在の日本の、というか北海道ワインのトレンドど真ん中、と言っていいような味わい。リリース予定のない幻のワインなので、この日飲めた方は私を含めて非常にラッキーだ。

杉山さんがなぜこの会に来てくれたかといえば、面識のなかったNagiさんにワインを飲ませて忌憚なき意見を述べてもらうためだったそう。すでに人気生産者でありながらこの勉強熱心さがすごいし尊敬すべきこと。ドメーヌ・ユイのワイン、これからもっともっとおいしくなっていくに違いありませんよ、みなさん。

 

学べるワイン会vol.1を終えて

というわけで、5種10本の予定が6種12本となった怒涛のテイスティング祭りからの生産者、専門家、愛好家、初心者の方、みんな入り混じっての雑談タイムまで、3時間は一瞬で過ぎた。(二次会では沼田店長セレクトのこれまた素晴らしいワインを6種いただいた)

ワイン好きならば「今目の前にあるグラスは、なぜこんな味なんだろう?」と思わない人はいないだろう。土壌か、ヴィンテージか、SO2添加量か。いったいなにが「違い」を生み出すのか?

その疑問の手がかりとなるような6種12杯を通じて、ワインという不思議な液体への理解が深まる夜となったのだった。もちろん全体像は見えない。でも、ワインというこの素晴らしい世界は、その一部の解像度が高まるだけでもより大きな魅力を感じさせてくれるものだ。

お越しいただいた皆様ありがとうございました。また次回、学べるワイン会VOL.2でお会いしましょう!

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ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK32】

ブラインドテイスティングWEEK32に臨んで

今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は白、赤、赤の構成だ。

ここ4週の私は確変モード。なんと2位→圏外→4位→3位ととんでもない好成績が続いており、「ヒマワイン、実力を隠していた…?」という説がささやかれているとかいないとか。なあに、隠してなどいない。今の成績は、断言しよう、たまたまだ!

というわけで今週も気楽に挑戦していこう。

 

 ブラインドテイスティングWEEK32/1杯目

さて、まずは1杯目の白から。外観はかなり色薄めのイエロー。甲州リースリングの中間くらいの印象を受ける。

香りはかなりシンプルにレモンで、味わいもリンゴ酢みたいなシャープな酸味が主体。こりゃあれですよ。イワシの酢漬けとかにめっちゃ合うやつ。

イワシっていうとどこだろう。シチリアとか、サルディーニャとかか。そこのさっぱりした白ワインっていうと……ヴェルメンティーノとか?

海に面した島のレストランで強い陽射しをパラソルで遮りながら、魚介料理に舌鼓を打ちつつクーラーでよく冷やされたこれを飲んだらさぞかしうまいだろうな、みたいな味だ。ハーブをたっぷり使ったスカンピのパスタとか合いそう。

あとの有力候補はわりと唐突にシュナン・ブラン。違うと信じたいが、ソーヴィニヨン・ブランリースリングも一応候補だ。ただ、どれも決め手に欠ける。

ならば第一印象でいっちゃおう!

 イタリア(サルデーニャ)/ヴェルメンティーノ/2022/12.5%


と予想。オーソドックスな品種がふたつに難問がひとつ組み合わされるのが #パーティブラインド の基本形。今回の「難問」はこれだと判断した。

 

ブラインドテイスティングWEEK32/2杯目

続いて2杯目。色合いは赤と紫の中間で、濃さ的には中間からやや薄め。粘性もあんまり高くない感じ。

一瞬マスカット・ベーリーA的キャンディ的香りがふわりと漂った気がしたんだけどそれもあるような、ないような。飲んでみると意外としっかり渋みがあり、軽い感じではなく、酸もそこそこ、果実もそこそこ。特徴つかめないなあなた!

つかめたのはわずかなキャンディ香(仮)だけ。それを手がかりにするならば選択肢はマスカット・ベーリーAとちょい熟ボジョレー・ヌーヴォーくらいだろうか。

これはもう全然わからないので徹底的に樽でキャンディをマスクしたベーリーAと予想した。ダイヤモンド酒造とか、そういうイメージ! これでピノ・ノワールだったら悲しいが、あり得る。あとはなんだろう、ガルナッチャとか…?

ともかく

日本(山梨)/マスカット・ベーリーA/2022/12% 

と予想した。


 

ブラインドテイスティングWEEK32/3杯目

3杯目はバチバチに濃い紫色。香りは革・獣といった非・食品系。味わいは渋みとアルコール感が強くて果実がそれを下支えするディープパープルな味。

テンプラニーリョ、が第一印象なんだけどテンプラにしては紫すぎる。ここまで紫一色ならばマルベックか。マルベックは全然あり得る。

ゲイミーな香りっていうんですかねこういうの。「猟鳥獣の香り」っていうやつ。肉にしか合いません私、と主張してくるこの感じはどこか南米大陸感がある。アルゼンチンのマルベックか、チリのカルメネールか、ウルグアイのタナか……。

ちなみに世界の牛肉消費量、2位がアルゼンチン、1位がウルグアイ。でもウルグアイのタナってことはないだろうさすがに! タナを棚に上げて(あっ)アルゼンチンで行ってみたいと思います。

アルゼンチン(メンドーサ)/マルベック/2018/14%

こう予想した。

 

ブラインドテイスティングWEEK32の予想を終えて

あれ、私、名前書き忘れてないよね…?

というわけで今週も予想が出揃った。果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。ちなみに今週ガチで正解0問がありえます…!

 

追記

というわけで今週も公式SNSより正解が発表された。さっそく答え合わせいってみよう。

 

ブラインドテイスティングWEEK32 / 正解発表:1杯目

予想:イタリア(サルデーニャ)/ヴェルメンティーノ/2022/12.5%


正解:オーストラリア(南オーストラリア)/リースリング/2022/11.5%

ここで先週の私の1杯目の予想を振り返っておこう。以下だ。

予想:オーストラリア (南オーストラリア州)/リースリング/2022/13%

おわかりだろうか? そう、先週だったら正解だったのだ。恵比寿ガーデンプレイスに発生した時空のねじれにより、おそらく先週の私はグラスを通じて今週のワインを飲んでおり、それでこのような回答をしたと思われる。そういうこともあるわけなんですよ量子揺らぐアインシュタイン的ブラインド空間ではきっと。というわけで完全なる不正解だった。

 

ブラインドテイスティングWEEK32 / 正解発表:2杯目

予想:日本(山梨)/マスカット・ベーリーA/2022/12%


正解:フランス(ブルゴーニュ)/ガメイ/2022/13.5%

はい痛恨・オブ・ザ・ウィーク。ブラインドテイスティングをしているとしばしば起こる、魂はガメイだと言っているにも関わらず手がマスカットベーリーAって書いちゃうやつ。ばかっ、おれの手! めっ!

今回の学びは、これが熟成ボジョレー ヌーヴォーではなく普通のクリュ・ボジョレー(サンタムール)だったという点。クリュ・ボジョレーのガメイにもキャンディ感はあるのだ。

そして産地はサンタムール。聖なる愛ね。バレンタインデーが近いということで、沼田店長がしばしばやるきまぐれ季節もの出題なのであった。メタ読みも甘かった…!

 

ブラインドテイスティングWEEK32 / 正解発表:3杯目

予想:アルゼンチン(メンドーサ)/マルベック/2019/14%


正解:アルゼンチン(メンドーサ)/マルベック/2022/14.9%

3問目はうまいこと正解だった。正解だと書くことが別にないんですよ本当に。やったぜ、ピース! くらいしか書くことがない。ここでの反省点はヴィンテージを2019と中途半端に予想していること。あれだけ青みがかった紫色、ヴィンテージは若いと判断するのが定石のはず。反省だ。

というわけで今週は4問正解という結果となった。ランキング的にはもちろん圏外(定位置)。これに懲りず、また来週もがんばっていきたい次第だ。みなさんも、 #パーティブラインド ご一緒しませんか?

 

314600円分のワインが入って231000円のエノテカ21周年福袋↓

 

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK31】

ブラインドテイスティングWEEK31に臨んで

今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は白1、赤2の構成だ。

直近の結果を振り返ると、3回前が奇跡の2位、前々回が箸にも棒にもかからない結果、前回が奇跡の4位。順番的には今回は箸にも棒にもかからない回となるが気のせいだろうそうだろう。

というわけでさっそく今週もブラインドテイスティングをはじめていく。

 

ブラインドテイスティングWEEK31/1杯目


まずは1杯目の白ワイン。色はかなり薄めで、透けるような黄色をしている。アロマティック品種っぽい色合いだが、華や果実みたいな香りではなく、どちらかというと干した麦わらみたいな香りがする。

飲むと非常にシャープなレモン系の酸があり、その酸の長い長い廊下の先にハチミツ入りの壺が置いてあります、みたいな印象。

ガソリンスタンド的香りこそないものの、第一印象はリースリングドイツワインはドライなものでもどこかに豊かな蜜の印象があるけれど、それがかなり奥まっているのでむしろすごく冷涼なニューワールド、な気がする。

この色の薄さ、酸のシャープさ。温度が上がると少しペトロールも出てきたような気がするし、これはリースリングで決め打ちしてしまおう。産地はどこだろう。全然わからないので勘でいきます。

オーストラリア (南オーストラリア州)/リースリング/2022/13%

と予想した。

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ブラインドテイスティングWEEK/2杯目


え、なんだこれ。ブラインドをやっていると、時々頭のなかが真っ白というか無というか空(くう)みたいな状態になることがあるがそうなるタイプのワインだ。さっぱりわかんない。逆に今までどうやって当ててたのかわかんなくなる。

まず前面に出ているのは酸だ。酸ぴっちぴち。続いて渋み。果実はチェリー的なのがちょっとあって、樽はそんなに効いてない印象だ。2、3年仕様の古樽で10か月熟成、とか輸入元資料に書いてありそうな雰囲気。

ツヴァイゲルト……ツヴァイゲルト博士じゃないこれ?(ツヴァイゲルトはツヴァイゲルト博士という人が開発した品種だそうですよ)

いつもはAかな、Bかな、いやCかな? みたいになるのだが、今週は別の品種が出てこない。なのでもうツヴァイゲルトでいっちゃおう。

そしてツヴァイっつったらオーストリアか北海道なわけなんですよ私のなかでは。なんとなく北海道、と言いたいが、このワインにある一定の濃さは北海道的ではないような……というわけでオーストリアのツヴァイゲルトでいこう。産地はブルゲンラント州。ちなみにブルゲンラント州に関する知見は私にはなく、「オーストリア ツヴァイゲルト 産地」で調べた結果(カンニング)であることをここに告白しておきます。

オーストリア(ブルゲンラント州)/ツヴァイゲルト/2022/12.5% 

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ブラインドテイスティングWEEK/3杯目

さて3杯目も赤ワインだ。ここで2杯目と3杯目のグラスを比較してみると、どちらもちょっと濃いめのガーネット、なのだが、3のほうはふちがややレンガ色に変化している。

右が3番

てことはまあ熟成しているわけでしょう常識的に考えて。でもってここはワインバーではなくワインショップ。お店のセラーで熟成させました、ということは基本ありえない。

つまり、3番目のグラスは「熟成した状態でリリースされるワイン」ということだろう。で、なに? と問われると困るんだけど。知らないよ、となるわけなんですけど。

飲んでみても味わいは熟成したワインっぽい。カカオ成分多めのチョコ、ドライフルーツ、コーヒー、ちょっぴり紹興酒といった、温泉街のスナックの接客を思わせるこなれた風味が漂っている。

こういう感じに熟成するワインってなんだろう。そして私は頬にイタリアの風を感じている。イタリアでDOCGの規定で長い熟成期間が定められてることが多いじゃないすか。

ネッビオーロじゃないと思う。じゃあブルネッロか。あるいはアマローネか。いわんやタウラージか。

そのなかだったらタウラージか。根拠はないけどタンニンが前にズガンと出ている感じにアリアニコ感がある。ような気がする。色も濃いし。

というわけで、
イタリア(カンパーニャ)/アリアニコ/2016/14%と予想してみた。ちなみにこれはめちゃくちゃおいしいワイン。ジビエと合わせて飲みたい。ジビエが想起されるということは肉をよく食べる産地→トスカーナ→ブルネッロの可能性もある気がするが、ここはタウラージでいっちゃおう。

 

ブラインドテイスティングWEEK31の予想を終えて

というわけで今週も予想が出揃った。果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。

 

【追記】

さて今週もワインマーケット・パーティ公式SNSで正解が発表された。以下、結果を見ていこう。


ブラインドテイスティングWEEK31 / 正解発表:1杯目

予想:オーストラリア (南オーストラリア州)/リースリング/2022/13%

正解:オーストラリア(ヤラ・ヴァレー)/シャルドネ/2022/13.2%
 


生産国、ヴィンテージ、アルコール度数が的中(正解が13.2%なので13%はおそらく正解扱いだと思う)しておきながらシャルドネリースリングと言ってしまったことで素直に喜べない微妙な結果に。

ヤラ・ヴァレーは改めて調べてみるとオーストラリアでもっとも冷涼な産地のひとつ。ちょっと改めて飲んでみないといけません。

 

ブラインドテイスティングWEEK31 / 正解発表:2杯目

予想:オーストリア(ブルゲンラント州)/ツヴァイゲルト/2022/12.5% 

正解:オーストリア(カンプタール)/ツヴァイゲルト/2020/12.5%
 

なんと本当にツヴァイゲルト博士だった。なんかこう、目をつぶってバットを振ったらホームランになった、というドラえもんにおけるのび太の草野球的展開であり、生産国、品種、アルコール度数までおまけに正解で、早くも6問的中だ。どうなってんのこれ。

 

ブラインドテイスティングWEEK31 / 正解発表:3杯目

予想:イタリア(カンパーニャ)/アリアニコ/2016/14%

正解:イタリア(トスカーナ)/サンジョヴェーゼ/2016/14%
 

3杯目も微妙に惜しい感じで、正解はサンジョヴェーゼ。ワインについて調べてみると「ブルネッロになるはずのブドウを使用した6年熟成リゼルヴァ」とあり、品種は正確にはサンジョヴェーゼ・グロッソ

6年熟成のサンジョヴェーゼはこんな感じになるんだ、といういい勉強になった。沼田店長いわく2016のトスカーナは素晴らしい年とのことで、このワインもすでに述べたようにすごくおいしいワインだった。ジビエのお店とかに持ち込んだらこりゃもうたまらんでしょうなぁ。

ともあれ生産国、ヴィンテージ、アルコール度数がまたしてもなんだか知らないけど当たり、驚くなかれ、12項目中9項目的中という自己ベストを更新してしまったまじか。

そして、順位はなんと参加76名中3位。この日ワインマーケット・パーティではなく新橋駅前宝くじラッキーセンターに向かっていたら2億円くらい当たっていたんじゃないか、という奇跡の好結果となったのだった。

リースリングシャルドネを間違えているし、ツヴァイゲルト博士は勘だし、あんまり手応えはないのだが結果が出たのはとてもうれしい。それにしても、1-27回までランクイン0回、28-31回でランクイン3回というこの結果の偏りはなんなんだろう。やはり私が向かうべきは新橋駅前宝くじラッキーセンターなのかもしれない。

 

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK30】

ブラインドテイスティングWEEK30に臨んで

今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は泡、白、赤が1本ずつの構成だ。

ちなみに先週は12項目中4項目正解。先週よりも多く正解したいところだが果たしてどうか。早速飲んでいこう。

 

ブラインドテイスティングWEEK/1杯目

まずは泡。香るのは果実とトーストで、シャンパーニュ方面からプロセッコ方面かと言われればシャンパーニュ方面の味わいだ。

果実がたっぷり感じられ、色も濃いめで、ほんの少しの苦味がアクセントになっている。

これは難問だ。非常に難問だ。素直に答えるならばシャンパーニュなのだが、前回シャンパーニュだったんすよ。

2連続シャンパーニュはないだろうというメタ読み(邪道)をした上で再度テイスティングしてみると、
シャンパーニュより酸がない
シャンパーニュより果実がある
ような気がする。

なのでフランチャコルタ、アルタランガ、イングリッシュスパークリングといった酸味勝負のみなさんを候補から外してしまおう。ついでに過去に出題されていたゼクト、プロセッコなども外しちゃおう(メタ読み(邪道))。

となると候補はこんな。
カリフォルニアスパークリング
カバ
MCC(南ア)

チリとかアルゼンチンとかオーストラリアとかは出されてもわからないから除外。なんとなくクレマンでもない気がする(前回シャンパーニュだったから。メタ以下略)。

で、これだけわかりやすくおいしくて、わかりやすくシャンパン感があるのはMCCだと思うわけですよ自分。クライン・ザルゼだと思うわけですよもっといえば。

南アフリカ (ステレンボッシュ)/シャルドネ主体/NV/11.5%(ドザージュ10g/L)
と予想した。



ブラインドテイスティングWEEK/2杯目

2杯目はやや緑がかって見える濃いめイエローの白ワイン。粘性がかなり高く、アルコール度数が高そう。

で、香りがかなり、すごく特徴的だ。なんなのこれ。酸化熟成っぽいニュアンスなのかな。ちょっとシェリー感が醸し出されてる気がする、非・フレッシュなタイプの白ワインだ。松井、イチロー、清原とかじゃなくて、笘篠、種田、元木、みたいなタイプ(野球の話です)。

あれなんだっけこれ。飲んだことあるけど知らないみたいなワインだ。ヴァン・ジョーヌが思い浮かぶけどヴァン・ジョーヌってこんな感じでしたっけ?

自然派アロマティック品種みたいな感じもなきにしもあらずな気がする。以前ワインマーケット・パーティで飲んだのでいうとハインリッヒのゲヴュルツトラミネールとかちょっとこんなニュアンスだったような。

おいしいが、かなり特徴的。クセのあるチーズなんかと合わせて爆発的においしくなりそうなワインだ。クセがあるけど強すぎない、とてもおいしいワイン。

結局ほかに候補は浮かばなかった。
フランス(ジュラ)/サヴァニャン/2016/13.5%
と予想。自信はまったくない。 


 

ブラインドテイスティングWEEK/3杯目

陰気、もといインキーなワインだ。色は深い深い紫色。菫、杉、熟した李……と普段「漢字は極力ひらく」がモットーの私が思わず漢字で表記しちゃうような重さ・暗さがある。重心の低さが谷繁(元中日監督。名捕手)。

候補はかなり限られると思う。ワイン界の陰気なやつら、お前らちょっと来いといって集まった陰気なメンバーがこちらだ。

カベルネ・ソーヴィニヨン
メルロー
シラー
マルベック
テンプラニーリョ
タナ

いやいやメルローちゃんは陰気じゃないだろうとか意見はあると思う。わかる。でもメルローちゃんにもそういう側面はあるのだ。闇堕ちメルローっていうか。

あとなんかありましたっけ。トゥーリガ・ナシオナルとかか。クシノマヴロとか。サペラヴィとか。プティ・シラーとか。そのあたりが出たらお手上げだ。

ではこのワインの正体はなんだろうか。スパイシーな感じはないのでシラーではないと思う。言うてもメルローちゃんはなかなかここまで陰気にはならないので外そう。

カベルネ・フランではないと思うんですよ。あの子以外と陰気になりきれないから。根が陽キャピノタージュもそう。

ビジュこそ陰気だがタンニンが強すぎるわけでなく、酸も強すぎず、果実もあっておいしいワイン。赤身肉の厚切りステーキかなんかと合わせて最高においしそう。

というわけで今回はストイック系カリカベと予想した。

アメリカ(カリフォルニア)/カベルネ・ソーヴィニヨン/2018/15%

 

 

ブラインドテイスティングWEEK30の予想を終えて

というわけで今週も予想が出揃った。果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。

 

【追記】

さて今週も公式から正解が発表された。さっそく見ていこう。

 

ブラインドテイスティングWEEK30 / 正解発表:1杯目

予想:南アフリカ (ステレンボッシュ)/シャルドネ主体/NV/11.5%(ドザージュ10g/L)

正解:スペイン(ベネデス)/マカベオ、チャレッロ、パレリャーダ/NV/11.5%(ドザージュ0g)
 


今から負け惜しみを言います。これ、MCCと回答した帰り道、恵比寿駅へと向かう動く歩道の上で「カバだったかもしれない」と思ったんですよ本当に。逃した魚、あれは小さく見積もって2メートルはあったんですよ。

軽い苦味=カバ。シャンパーニュ方向を向いているがどこかプロセッコっぽさもある=カバ。単一品種ではなく複数品種ならではの複雑さ=カバ。すべての要素がカバだと言ってるのにおれのバカ!(これが言いたかった)

というわけで正解はカバでした。残念。

 

ブラインドテイスティングWEEK 30/ 正解発表:2杯目

予想:フランス(ジュラ)/サヴァニャン/2016/13.5%

正解:フランス(ジュラ)/サヴァニャン/2017/13.5%
 

おお、すごい。これは見事に正解。気をてらわずに思ったとおりに回答したのが吉と出た。沼田店長の解説によれば「酸化熟成したサヴァニャンではなく、ウィヤージュしているサヴァニャン」とのこと。ウィヤージュ=樽熟成時の目減り分を補うことで、それをしないからヴァン・ジョーヌは酸化熟成のニュアンスを強く帯びるわけですね。

なので、ヴァン・ジョーヌっぽいけどヴァン・ジョーヌじゃない気がするという私の考えはわりと正解で、今回はこれがファインプレーとなった。


ブラインドテイスティングWEEK30 / 正解発表:3杯目

予想:アメリカ(カリフォルニア)/カベルネ・ソーヴィニヨン/2018/15%


正解:アメリカ(カリフォルニア)/メルロー/2019/ 14.7%

闇堕ちメルローだったか……! というわけでアメリカ、カリフォルニアは正解だったけど品種はメルローちゃんだった。沼田店長いわく、「カベルネ・ソーヴィニヨンメルローを見分けられる確率は50%」とのことなのでこれは仕方ない。カベソーっぽいメルローもあれば、メルローっぽいカベソーもあるのだ。

というわけで今回は7項目が的中。産地も2か所が当たり、ヴィンテージなどもそこそこ寄せられていたことから、なんと参加66名中4位入賞(3位の方が3名おられるので、実質は6位)という結果となった。うれしい。カバと回答してればなあ!

と、参加者全員が思っているであろうタラレバを噛み締めつつ、来週もがんばっていきたいと思います。

himawine.hatenablog.com

都光の決算福袋よさそう↓

 

 

マスダの南アフリカワイン試飲会行ってきたのでおいしかったのを「16種類」選んでみた

インポーター・マスダの南アフリカワイン試飲会に参加した

インポーター・マスダが主催する南アフリカワインの試飲会に行ってきた。マスダはどうやらサービス精神のブレーキがぶっ壊れてる会社であるようで毎回試飲可能な銘柄が豪華かつ非常に多いのだが、今回もなんと57種類が試飲できた。

私のなかで「試飲会に呼んでいただけたら飲める範囲で多くのワインを飲む」という謎マナーがあるので、今回も57種類すべてを飲んだ。おかげでヘロヘロですありがとうございます。

さて、今回の南アフリカワイン試飲会はいくつかのブロックに分かれていた。

1:さっぱり白ワイン
2:こってり白ワイン
3;泡
4:ピノ・ノワール
5:ピノタージュ、シラーなど
6:カベルネ・ソーヴィニヨンなど

見ての通り1→6(実際はそのような番号による区分はないが)と数字が大きくなるほどワインの肩幅が広くなっていく。私は超どミーハーふつうの酒飲みなのでまず泡を飲み、次いで1から順に飲んで行った。やっぱり最初に泡のみたいじゃないすか…!

というわけで、各カテゴリごとに「これは!」というワインを挙げていきたい。

 

マスダの南アフリカワイン試飲会でおいしかったワイン【泡編】

まずは泡カテゴリから。以前飲んで好きだったのはクローヌのロゼ、そしてステレンラストのスパークリングシュナンブランだったが、今回感動したのはやはり新ヴィンテージ(2021)で登場したクローヌのロゼだった。

後ろがロゼ。ロゼがヤバい。

価格は4200円と少々お高めだが、これは4000円前後の泡として明らかに世界最強の座を狙って戦えるレベル。分厚い果実と酸と複雑さ、同価格帯でこれに匹敵する泡はやっぱりなかなかないよなあと思う味わいだった。素晴らしい。

もうひとつ印象的だったのだがリーベックという生産者のスパークリング・ブリュット。

ラベルが映えないがおいしい。

シャルドネピノ・ノワールのフリーランジュースを用い、シャンパーニュ酵母を使ってシャルマ方式で造るというなんともハイブリッド感のあるワイン。

シャルマ方式だからか2300円と安く、味わいはこの価格帯として素晴らしく。某お店の方曰く「シトラスのニュアンスに熟したりんごが加わって、味わいは最高。シャルマだから泡の持ちだけが心配」とのことだったが、泡のあるうちに飲み切ってしまえば無敵ということだと思う。

クローヌのロゼ、いつ飲んでもほんとにおいしい↓ ※リンクはVT違いです(以下同)

 

マスダの南アフリカワイン試飲会でおいしかったワイン【さっぱり白編】

どんどんいこう。続いては「1」のさっぱり白部門だ。一番おいしかったのは定番中のド定番、ステレンラストのマザーシップ シュナン・ブラン2022。いついかなるときに飲んでもおいしいワインという印象だが気が付けば価格も5000円となかなかいかつくなっている。

そんななか、今回コスパが素晴らしいと感じたのがドルニエのココアヒル シュナン・ブラン2022。

この「ココアヒル」のシリーズぜんぶおいしかった。

一部フレンチオーク樽で熟成しているというだけにバニラ感があり、全体にトロピカル風味があってうまい。それでいて価格は2000円と安い。今回のBESTコスパ白はこれで決まりだ。

これは高コスパ

 

マスダの南アフリカワイン試飲会でおいしかったワイン【こってり白編】

続いてはこってり白ワイン部門。このカテゴリの横綱といえばブーケンハーツクルーフのセミヨンとかポール・クルーバーのセブンフラッグス シャルドネとかラーツのイーデンハイデンシティシュナン・ブランとかのモンスターワインだと思われるが今回はいずれも未出品。

そんななか、なんだこりゃうますぎる、となったのがロングリッジのオースティン シュナン・ブラン2022。

ドゥミ・セックスタイルなのだそうでかなり甘めなのだが、酸もバッチバチにあってバランスが非常に良い。

同じくロングリッジのシャルドネやアタクラシアのシャルドネもおいしかったが、このオースティンが頭ひとつ抜けた味わいだった。

なんでも良年のみ生産される系キュヴェらしく、飲んだことがなかったのもさもありなん。甘いはジャスティ、を体現する白ワインだった。

驚きのおいしさだった↓

 

マスダの南アフリカワイン試飲会でおいしかったワイン【ピノ・ノワール編】

白と泡のゾーンを抜けてここからは赤ワイン。まずはピノ・ノワール部門からだが、ここは大定番にして私の考える安うまピノ・ノワール地上最強銘柄であるロングリッジのキュヴェ・リカがやっぱり抜けてうまい。

3600円のワインながら定価がこれより高いワインと比較しても香りが強く、味に芯がある。

しかもこの21ヴィンテージの特徴なのだろうか、すごくやわらかいわけなんですよ。会社では鬼上司なんだけど子どもの前では甘あまトロトロな人物、みたいな緊張感とゆるさのうまい具合の共存がある。南アの21ヴィンテージ、どうやらすごくいいみたいだ。

このカテゴリではデイヴィッド・ナディアのグルナッシュ2022もおいしかったが、こちらは価格が6300円。コスパという点では、やはりキュヴェ・リカに軍配が挙がると思う。

2000円台ではステラー・オーガニクスのリバーズエンド・ピノ・ノワールが2300円ながら秀逸だった。

 

マスダの南アフリカワイン試飲会でおいしかったワイン【シラー&ピノタージュ編】

続いては5番目のシラー&ピノタージュカテゴリだが、このカテゴリの個人的ベストはキアモントのシラー2016。

マスダで寝かせておいたキュヴェなのだそうで、まさしく今が飲み頃という角のとれたまろやかうまい液。価格も4700円とそこまで高くなく、5000円以下くらいの価格でちょっと贅沢したい日に飲む、名より実のワインとしては地球レベルで最強の一角を占めるんじゃないか、という親しみやすさと深みを兼ね備えた味がする。

このカテゴリではロングリッジのピノタージュ2020もおいしかった。

今回ロングリッジ総じてすごくよかったなあ。あとブーケンハーツ・クルーフのウルフトラップ・レッドも1600円と非常に安いのにとてもおいしく、自宅のハウスワイン候補に良さそうと感じた。

「自宅のハウスワイン」、「俺のマイボール」って感じがして良いですね。

 

マスダの南アフリカワイン試飲会でおいしかったワイン【カベルネ・ソーヴィニヨンなど編】

さていよいよ最後のカテゴリ、「カベルネ・ソーヴィニヨンなど」である。私はマスダの試飲会を通じていつも思うのだが、南アフリカワインでおいしいのは、
1:ピノタージュとシュナン・ブラン
2:MCC(スパークリングワイン)
3:3000-4000円のピノ・ノワール
4:金額問わずボルドー
だと思う。というわけでこのカテゴリのワインは大概なにを飲んでもおいしい。ボルドー的な重厚感と複雑さと爽やかさがありながら、南アならではの果実味と親しみやすさも加わって、雑に言って無敵、みたいな味になりやすいのだ。野球が上手くて人柄もいい大谷翔平みたいになりやすい。

そんななか、今回の試飲会では安ワイン価格帯の3キュヴェがおいしいと思った。

まずは最初のほうでも名前の挙がったドルニエのココアヒル・レッド。

ココアヒルふたたび。

ココアヒル、南ア高コスパワインの新たなベンチマーク候補だと思う。果実が強く、「フルーティ」とか「ジューシー」とかワインに使ってはいけないとされる形容詞が脳裏に浮かびまくる味。

マスダの名物営業マン・三宅さんいわく「レストランさんにも個人飲みにも、よう売れてます」とのこと。こりゃよう売れるでしょうそうでしょう。

ブーケンハーツクルーフのポークパインリッジ カベルネ・ソーヴィニヨンもよかった。ポークパインリッジはシラーがおいしいと思っているのだがカベルネも素晴らしい。2200円とお手頃価格で確実にお値段以上の味がする。

そして今回全体ベスト3くらいに入ると思ったのがラステンバーグカベルネ・ソーヴィニヨン2022。

南アの20-21-22VTは良いみたいですよ!

なんでも南アのここ数年は、20>21>22とどんどん良くなる素晴らしいヴィンテージ3連発だったのだそうで、このキュヴェもちょっと驚くべき内容の良さがあった。

カベルネながら主体は果実でもタンニンでもなく酸。非常にフレッシュな、果実丸かじり系の酸に甘さと渋さが調味料的に足され、飲む角度によってジュースにも、スープにも、ワインにも感じられる多層的で複合的な味がする。しかもお値段2700円。推せる。

22 は売ってなかった↓

というわけで以上かなり駆け足になってしまったが、マスダの試飲会で印象に残ったワインたちをご紹介した。価格に対して圧倒的なパフォーマンスを見せ続ける南アフリカワイン、今後も目を離せそうにない。

 

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK29】

ブラインドテイスティングWEEK29に臨んで

恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。2024年初挑戦。前回、2023年末の回で品種と産地全当てという奇跡の結果を出して以来の挑戦。

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今週は白1、赤2の構成で、今週は珍しく赤が両方とも薄めのうすうすセット。果たしてその中身はなんだろうか? さっそく飲んでいこう。

 

ブラインドテイスティングWEEK29/1杯目

つっても私はね、ははは、前回品種と産地をパーフェクト回答した男。今回も余裕でしょうどう考えても、と飲んでいったのだがあれおかしいなさっぱりわかんないぞ。3週間のブランクで完全に経験値リセットされてる……。

色はかなり薄めで、アロマティック系。香りは少し弱めで、ソーヴィニヨン・ブラン、しか思い浮かばないわりとガチで。特徴でいうと蜜っぽさのなさだろうか。それがゆえにシュナン・ブラン、リースリングとかではない気がする。加えて、ゴリゴリのアロマティック品種でもなく思える。

ニュートラルな酸味主体の味わいで、後味に樽的なコクを感じる。ソーヴィニヨン・ブランなんだけど樽がかかってるタイプとかかな。となるとニュージーランドではなくカリフォルニアか。

というわけであまり考えずに、
アメリカ (カリフォルニア)/ソーヴィニヨン・ブラン/2021/14%

と予想した。

樽熟成を経ている予想なのでヴィンテージは1年古めに予想。カリフォルニアと予想してかつ果実味リッチなのでアルコール度数は高め予想でいってみよう。


ブラインドテイスティングWEEK29/2杯目

続いて2杯目は色は薄いが香りはバーン! とやってくる。後味にはやはり樽のニュアンスがあり、「酸とタンニンと果実」をテーマに岡本太郎に発注した彫刻、みたいな印象だ。なんつーか、酸とタンニンと果実が幾何学的にバランスを保っているのではなく、生命感を持って各要素が爆発的に躍動しているイメージなんですよ。かなりおいしい、好みのワインだ。

ピノ・ノワールネッビオーロ、あるいはピノ・ノワールっぽいシラー。あるいはピノ・ノワールっぽいグルナッシュ、あるいはピノ・ノワールっぽいサンソー、あたりが候補になるだろうか。

グルナッシュやサンソーは決め手がない。そして私はネッビオーロに「炭」の要素を概念的・観念的に感じるのだが、それがないように感じるのでピノ・ノワールかシラーの二択に絞ろう。

どっちだろうか。わからないので最終的に色で判断した。シラーはこんなに薄くない! ゆえに! ピノ・ノワール! それも気を衒わずにブルゴーニュでいってみる。というわけで、

フランス(ブルゴーニュ)/ピノ・ノワール/2021/13% 
色が薄いという点から寒かった2021と予想。アルコール度数はもう少し低くてもいいのかもしれないけどボリュームはないことないと思うので13%と予想した。

 

ブラインドテイスティングWEEK29/3杯目

さて3杯目も赤なのだが、おそろしいことに、2杯目と印象がめちゃくちゃ似てる。過去ここまで印象の似た2杯が並んだことがあっただろうか(いやない)という赤2杯の並びだ。本気で「あの〜、同じのが2杯きちゃったみたいなんですけど(汗)」みたいに沼田店長に言おうかと思ったレベル?

ピノ・ノワールネッビオーロ、あるいはピノ・ノワールっぽいシラー。ピノ・ノワールっぽいグルナッシュ、ピノ・ノワールっぽいサンソー、あたりが候補。(同じ)

差分はタンニンだ。こっちのほうが渋い。あと樽のニュアンスが弱いように感じる。薄くて渋いってなんだろう。ガメイか。ピノ・ノワールとガメイを並べて出題する……ありそうだ。というわけで、

フランス(ブルゴーニュ)/ガメイ/2021/13%

と予想した。同じヴィンテージ、同じアルコール度数で揃え、品種だけの差分なのではないかという予想だ。今年の私は出題者も回答者も人間なんだから出題意図を読み解くのもまたブラインドテイスティングのうち、という珍理論で勝負していこうと思います。

 

ブラインドテイスティングWEEK予想を終えてf:id:ichibanboshimomojiro:20240115183450j:image

というわけで今週も予想が出揃った。果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。

 

ブラインドテイスティングWEEK26 / 正解発表:1杯目

予想:アメリカ (カリフォルニア)/ソーヴィニヨン・ブラン/2021/14%


正解:フランス(ブルゴーニュ)/アリゴテ/2021/12.5%
 

アリゴテのことを忘れていました。ニュートラルな味わい、軽めな樽、一瞬脳裏をよぎったシャルドネなどなどヒントはたくさん。箸にも棒にもかからないより、こういう「正解する可能性もゼロではなかった」ほうが悔しいんですよほんとに。針にかかった魚めっちゃデカかったんすよガチで。釣れなかったけども。みたいな話をしてるのは知ってる。



ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:2杯目

予想:フランス(ブルゴーニュ)/ピノ・ノワール/2021/13% 


正解:ニュージーランドマールボロ)/ピノ・ノワール/2022/13%
 

ピノ・ノワールは正解だったが、残念、産地はニュージーランドだった。外したのは残念だったが、このワインは素晴らしいワインだと感じた。外したけれど、飲めたことに感謝、そんなワインだ。フラれたけど、出会えたことに感謝! みたいな話をしてるのは知ってる。

ともあれこれおいしいですよみなさん!

 

ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:3杯目

予想:フランス(ブルゴーニュ)/ガメイ/2021/13%


正解:イタリア(シチリア)/ネレッロ・マスカレーぜ/2020/13%
 

ネレッロ・マスカレーぜか! なるほど色薄め、タンニン、果実、酸すべてしっかりの陰性(イタリア)チャーミング(シチリア)、なるほど言われてみれば納得がいく。

ネレッロ・マスカレーゼ、私のなかで響きがカッコいいと思う品種NO.1なので当てたかったなあ。なんの関係もない話をしてるのは知ってる。

というわけで今回は産地および品種はひとつだけ正解。あとはヴィンテージやアルコール度数がちょこちょこ当たって4項目正解となった。また次回がんばる!

 

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