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コノスルシングルヴィンヤード甲子園【第4試合】カベルネ・ソーヴィニヨンvsピノ・ノワール 【優勝校発表】

<前回までのあらすじ>

コノスルのシングルヴィンヤード全8種類を買ったのでどれが最強かを決める「コノスル甲子園」を開催することにした。

 

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カベルネ・ソーヴィニヨンvs ピノ・ノワール、勝つのはどっち?

コノスルのシングルヴィンヤード甲子園もいよいよ最終第4試合に突入した。対戦するのはカベルネ・ソーヴィニヨンピノ・ノワール。いずれ劣らぬ優勝候補だ。

コノスルといえばピノ・ノワールに力を入れていることで有名。1999年にブルゴーニュ醸造家を招聘してピノ・ノワール・プロジェクトをスタートさせ、同社のフラグシップワインのひとつ「オシオ」もピノ・ノワールからつくられる。

一方のカベルネ・ソーヴィニヨンはもうひとつのフラグシップで最高級キュヴェの「シレンシオ」の原料品種であり、コンビニやスーパーで売られる「ビシクレタ」レンジではもっとも多く棚に置かれているのを見かける主力中の主力品種でもある。

今回、8品種の頂点が決まります。

このブログでは過去にコノスルの下位レンジであるビシクレタならびにレゼルバ エスペシャルを全部飲み、ランキング化する企画を実施しているが、ビシクレタ、レゼルバ エスペシャルの順位を合計した総合ランキングではカベルネ・ソーヴィニヨンが1位(2位・2位)、ピノ・ノワールが2位(1位・4位)と実力は拮抗している。まさに夏の甲子園大阪府予選における大阪桐蔭VS履正社状態。あくまで予選の1試合でありながら、全国大会の決勝レベルのクオリティがある。

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果たしてどちらが勝ったのか。すでに予選を勝ち抜いたシャルドネ、カルメネール、リースリングとの戦いを制し、シングルヴィンヤードの頂点に立つのはどれか!? まずは両キュヴェについてサクっと調べていこう。

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ちなみにヴィンテージはカベルネ・ソーヴィニヨンが2019。ピノ・ノワールが2018だ。

 

コノスル シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨンはどんなワインか?

まずはカベルネから。ビシクレタではセントラルヴァレー、レゼルバエスペシャルではアコンカグアヴァレーが産地だったが、シングルヴィンヤードではセントラルヴァレーのサブリージョンであるマイポヴァレーのエル・レクルソ葡萄園第18区画のブドウが使われている。18番はプロ野球のエースナンバーでこれは期待が高まろうというもの。カベルネはコノスルの田中将大投手であります。

エースのカベルネ・ソーヴィニヨン投手。

エル・レクルソ葡萄園は他の地域に比べて涼しいのだそうで、そのあたりがワインの味わいにどう反映されてるかがポイントになりそう。

ステンレスタンクで発酵後、フレンチオークで14カ月熟成、その後1カ月ステンレスタンクで熟成。私が飲んだ2019ヴィンテージのテックシートは日本語サイトにも本国サイトにもなかったので参考までにだが、2018ヴィンテージはアルコール度数は14%、残糖3.0g/l、PH3.47、総酸0.35g/lとなっている。酸すくなっ。

 

コノスル シングルヴィンヤード ピノ・ノワールはどんなワインか?

続いてはピノ・ノワールだ。こちらはサンアントニオヴァレーのカンポ・リンド葡萄園で一番涼しい畑である第21区画のブドウを使用。カンポ・リンドは海から15キロの場所に位置する。チリで海で近いといえば登場するのはフンボルト海流で、それが生み出す冷たい海風がピノ・ノワールがゆっくり熟すのを助けてくれる。世間は韓流ブームだが、チリワインのトレンドは韓流よりも寒流である。

ピノ・ノワール。寒流育ち。

コールド・マセラシオンのあとオープントップタンクで発酵。定期的なピジャージュで色と香りをやさしく抽出し、新樽率20%のフレンチオーク樽で11カ月熟成させている。2018ヴィンテージはとくにいいヴィンテージだったようで、ティム・アトキン93点、ジェームズ・サックリング91点を獲得している。

こちらも2018のテックシートはないので2016を参考までに参照すると、アルコール度数は14.3%、残糖2.5g/l、PH3.36、総酸6.3g/lとなっている。カベルネと比べると酸の違いが際立ちますね。

 

コノスル シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨンを飲んでみた

そんなこんなで、いざ運命のプレイボールだ。事前に実施したアンケートではピノ・ノワール有利の予想が多かったが、勝負は下駄を履くまでわからない。

先攻はカベルネ・ソーヴィニヨンだが、率直に言って全体的に飲む日本ハムファイターズ感2022感があるというか、万波中世、清宮幸太郎といった大成したらすごい選手になりそうだけど現時点ではやや我慢の起用、みたいなタイプの選手的印象を受けた。なにを言っているのか全然わからないですかそうですか。

vivinoの評価は3.6とまずまず。

青っぽい香りにスパイシーさもあって、全体的に若さを感じるわけなんですよこれはワインの話として。果実味もあるけれど渋みがかなり強く、酸味が弱いためどうも噛み合わない印象だ。しかしポテンシャルは十分に感じられ、回が進むにつれ、すなわち2日目、3日目となっていくにつれどんどんおいしくなっていったのもまた事実。

全体にあまり褒めてない感があるけれど、他のワインとの対戦だったら勝ち上がるケースは多くあったと思う。しかし今回は対戦相手が悪すぎた。

 

コノスル シングルヴィンヤード ピノ・ノワールを飲んでみた

というわけで後攻はピノ・ノワールなのだがこれが非常においしかったわけなんですよホントに。開けた瞬間からおばあちゃんが箪笥の奥に大切にしまい込んだなにか的な上品な良い香りで、酸味が主体渋みもしっかりな硬質な味わい。その奥にしっかりと果実や旨味の存在を感じられる。

vivinoの評価は3.6とカベルネと同等。全体にvivinoはチリワインで高得点が出にくいです(愚痴)。

2本同時に飲み進めて、3日に完全開花。華やかな香りが豊かにあって、どこかみかんみたいな甘ずっぱさも出てくる。これは見事と言うべきで、1500円くらいで買えるピノ・ノワールとしてのバランスは私の経験だと五指に入ると思う。

カベルネ・ソーヴィニヨンも2018ヴィンテージだったらまた違う結果となったのだろうか。「最新ヴィンテージでお届け」みたいないわばヴィンテージガチャ的注文のなかで両者の明暗が分かれた印象となった。勝負は時の運ですね。

というわけで、勝ったのはピノ・ノワール。これにより一回戦の4試合が終了し、ベスト4が出揃った。対戦結果を振り返ってみよう。

第一試合:◯シャルドネ ×カリニャン
第二試合:◯カルメネール ×シラー
第三試合:◯リースリング ×8グレープス
第四試合:○ピノ・ノワール ×カベルネ・ソーヴィニヨン

この4品種のなかから「優勝校」を決めなければならないのだが、やべえどうやって決めるのか全然決めてなかった。どうしようかと考えた末、「甲子園」というコンセプトをかなぐり捨てて、ここからはサドンデス方式でのプレーオフとしたい。

 

コノスル シングルヴィンヤード8品種の頂点に立つのは!?

まず脱落するのは残念ながらカルメネールだ。シラーとの激闘を制したカルメネールだが、他の3品種が強すぎた。

そして、粒揃いのBEST3のなかで(あくまで私の印象においてだが)一枚落ちるのは非常に残念ながらリースリング。いやリースリングめちゃくちゃおいしかったんですよ。ただ、同じ白品種で比較した場合、シングルヴィンヤードではシャルドネの完成度の高さに軍配が上がる。

というわけで優勝候補はシャルドネピノ・ノワールというブルゴーニュ品種に絞られた。そして優勝はピノ・ノワールだ。完全に他の品種より頭ひとつ抜けてたという印象で、迷わず決めることができた。

全体のランキングも発表しよう。100人いれば100人別のランキングがあると思うが私の場合こんな感じだった。

1 ピノ・ノワール
2 シャルドネ
3 リースリング
4 カベルネ・ソーヴィニヨン
5 カルメネール
6 シラー
7 カリニャン
8 8グレープス

ピノ・ノワールはビシクレタに次ぎ、二度目の1位獲得となった。コノスルのピノ・ノワールプロジェクト、伊達じゃないっす。

というわけでシングルヴィンヤード甲子園は幕を閉じた。次は最後の上位レンジ「20バレル」7品種の頂点を決める戦いが近日中に幕を開けるはずだ。このままピノ・ノワールが独走するのか。ストップ・ザ・ピノを果たす品種が現れるのか……!? どうぞ、お楽しみに。