ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

ドメーヌ・ユイ「T6+254 ペティアン ロゼ」を飲んでみた。【北海道余市町】

ドメーヌ・ユイ T6+254 ペティアン ロゼと北海道余市町と私

桜の花が満開になったのでワインを片手に近所の公園へと向かった。手にしたのはドメーヌユイのT6+254 ペティアン ロゼ。先日、カーブドリラックスのセールで買った(定価でだけど)1本である。

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ドメーヌ・ユイの「T6+254 ペティアン ロゼ」を飲みました。

ドメーヌ・ユイは北海道余市郡余市町の生産者。私は、昨年同じ余市町のドメーヌ・モンの「モンペ」を飲んで以来の余市町が推し自治体。

ふるさと納税余市町に一点張りし、ブログ記事にはしていないのだがモンガク谷ワイナリーの「杤」に静かに衝撃を受けたり、平川ワイナリーのワインがどのワインを飲んでも安定しておいしいことに震えたりしている。

私は千葉県出身で東京都在住だが広島東洋カープが好きで北海道余市町のワインが好きだ。人生ってわかんないもんですね。

ドメーヌ・ユイ T6+254 ペティアン ロゼはどんなワインか

さて、このワイン、まず名前が独特だ。「T6+254」ってなんのことかしらと裏ラベルを見ると、ドメーヌ・ユイの畑の地図が記載されている。「T」とはドメーヌ・ユイが余市町黒川地区に持つT圃場のことを表すようで、そこの「6番区画」を中心に、2番区画、5番区画、4番区画のブドウを加えて造ったことを示すようだ。まったく関係ないけど日露戦争の激戦地である203高地は海抜203メートルだからその名前になったそうです。

品種はナイアガラ52%、キャンベルアーリー26%、ポートランド22%。「樹齢30年の古木のブドウ3種を無農薬で栽培し、亜硫酸を加えずに野生酵母で発酵させた」とある。アルコール度数は8.5%。無濾過・無清澄でオリ引きもしてないみたいで、花見会場の近所の公園に移送したこともあって見た目はにんじんジュースみたいになってる。

ドメーヌ・ユイ T6+254 ペティアン ロゼとヴィティス・ラブルスカ

さて、ポートランドっていう品種が初耳だったので調べてみると白ブドウなんですねこれ。北海道果樹協会のサイトによれば、「白色生食用品種。甘みが多くジューシーで香りが強い」とある。

川越角屋酒店の商品ページに、このワインのワイナリーからの説明文と思われる文章が掲載されていて、品種に関してこんなふうに書いてある。

「このワインは先に紹介したナイアガラ、キャンベルの白、濃ロゼ3種のキュベと、ポートランドのキュベをブレンドしてできたワインです。ドメーヌユイではラブルスカをどうやって美味しいワインにするかを毎回試行錯誤していますが、昨年藤野ワイナリーで勉強させていただいた際に得た「いろいろな品種をブレンドする」という手法が一つ目の答えかなと思います。」

なるほどなー。ヨーロッパブドウのヴィティス・ヴィニフェラでなく、アメリカブドウのヴィティス・ラブルスカで造られてるってことですね。でもって、品種を混ぜることがおいしさの秘訣であり、それが商品名の「T6+254」にも表現されている、みたいなことが伝わってくる。

なんとなく全体像がぼんやりつかめた気がするので、いざ飲んでみよう。

ドメーヌ・ユイ T6+254 ペティアン ロゼを飲んでみた

というわけで満開の桜の花が弥生の風に揺れる中、王冠をペコッと外してグラスに注いでみた。

外飲み用のプラスチックグラスが見つからず、注いだのは痛恨の紙コップ。にもかかわらずうーん香りが素晴らしいなこれ。あれ? 桜の木の量、増えてない? 100倍くらいに。っていうくらいの華やかな香り。それとこれはナイアガラに特徴的な香りなんですかね、「モンペ」同様のトロピカルフルーツ的な香りがすごい。

放映中の女児向けアニメ『トロピカル〜ジュ! プリキュア』の主人公、夏海まなつは「イケてる」「ワクワクする」といった感情を「トロピカってる〜!」と表現するのだが、まさにこの香り、トロピカってる

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振る舞い酒も好評で、花見には本当に最適な1本でした

飲んでみると、花見会場に移送してすぐ開栓したことも影響してか、泡立ちはかなり弱め。ほんの少しだけプチプチした発泡が舌に楽しいくらいの具合でなんていうかトロピカってるなこれ(2回目)!

南国フルーツとか桃とかあんずみたいな香りなんだけど、濁った外観とは裏腹に飲み口はことのほかシャープ。ご近所さんにも振る舞いつつ飲んでたらスイスイ進んでもっと飲みたかった……という切なさとともに消えた。まさに恋しちゃったんだ多分気付いてないでしょ的切なさですよユイだけに。

それにしても紙コップでこの香りに味わい……これひょっとしてちゃんとしたグラスで味わわなきゃいけないやつだったんじゃないか感なきにしもあらずだが、レジャーシートの中心にデデンと鎮座し、ご近所さんから「ワインなのに王冠?」「なんでこんな色なの?」みたいに注目を浴びながらワイワイ飲むのもまた良し。「T6+254ペティアンロゼ」は華やかで香りが良くて暖かい、春という季節を酒にしたようなワインだったのだった。チラシ寿司とか合いそうだなあ。余市町、それは春や夏を思わせるワインを造る北緯43度の町。

とはいえ夜にグラスに注いでとことん向き合いたくもある。価格は2200円税込。また見かけたら買う確定の1本である。

 

流れ的には藤野ワイナリーも飲んでみたい。

 

もちろんシャンパーニュもね!

 

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フェウド・アランチョの泡「アックシィ」はどんなワイン? 味や価格や調べたことまとめ。【Feudo Arancio ACCUSSi】

フェウド・アランチョ アックシィを買ってみた。

春はあけぼの、春は泡。シュワシュワするもをかし。冬から春にかけて気温の上昇とともに咲くのが桜で飲みたくなるのがスパークリングワインだ。にも関わらず、冬の間の需要減に伴って在庫が意外となかったりする。そこで、平日の夜に気楽に開けられる泡として楽天のセールでフライパンを新調した際に送料調整で購入したのがフェウド・アランチョの「アックシィ」だ。990円税込と大変お安い。

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フェウド・アランチョの「アックシィ」を飲みました。

さて、シチリアの安うまワイン生産者として高名なアランチョだが、私にとって飲むのはこれが初めて。いったいどんな生産者なのかと調べてビックリ、700ヘクタールも畑もってるのか! アランチョ、っていう言葉の響きから、アランチョおじさんみたいな人物が妻と三人の子どもとともに先祖伝来の畑を世話しています。馬にまたがって。みたいな絵面を勝手に想像していたが全然違った。

 

フェウド・アランチョはどんな生産者か?

調べると、アランチョはトレント州の協同組合「グルッポ・メッツァコロナ」傘下のワイナリー。グルッポ・メッツァコロナは1904年に創設された協同組合で、今日では1600名の組合員と2800ヘクタールの畑を管理しているんだそうだすげえ。世界的に流通する安うまワインは大企業の巨大タンクの中からしか出てこない。悲しいけどこれって資本主義社会なのよね、である。毎回思うことだけど。

公式サイトによれば、アランチョのカンティーナには最高のワイン製造設備が設置され、完全に温度調整された環境のもと農学者と醸造家のチームによってワインが造られているとある。アランチョおじさん感マジで皆無。グーグルストリートビューで訪問してみてもなんですかこのはためく国旗は。「敷地」というより「領土」と呼びたい規模感である。

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フェウド・アランチョのエントランスのご様子。デカい。(Googleストリートビューの画面キャプチャ)

と、アランチョが安くておいしいと評判であることの理由(スケールメリット)が骨身に染みたところで今夜のワインを見ていこう。

 

フェウド・アランチョ アックシィはどんなワインか?

アックシィはグリッロ100%で造るワイン。ショップ、トスカニーの記事によれば、そもそもシチリアは暖かいのでスパークリングワインに必要な酸が足りないんだそうだ。そのため、酸の豊かなグリッロを用いているみたい。

グリッロってマルサラに使われる品種なんですね調べてみると。シェリー、ポート、マデイラと並ぶ世界四大酒精強化ワインでティラミスの原料としても知られるそうですマルサラ。今知ったのだが「ティラミス」は単語に分解するとティラ・ミ・スとなり、リフト・ミー・アップの意だそうです本当にワインとはなんの関係もないけど。気分がアガるデザートであるティラミスの原料であるマルサラの原料となるのが今回飲んだワインの原料であるグリッロだ。わかりにくい。

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ティラミス。食べれば気分がアガるスウィーツ。

データシートによれば、そのブドウの酸味をさらに保つために夜間に収穫してベースワインを造ったあと、耐圧タンクの中で再発酵。20日間ほどの熟成後、瓶詰めされるようだ。「望ましい圧力と残糖に達したら、ワインを-2/3度まで急速に冷却して発酵を止め」るとかって書いてあり、いかにも最新設備が揃ってる感じが字面からする。

調査的に片手落ち感があるのは肝心要の「ACCUSSI」の意味がよくわからない点。「告発」みたいな意味が出てくるんだけど、うーん、告発じゃないですよねたぶん。しかもアクーズィ、みたいな読みかと思いきや日本語表記アックシィっていう「機動戦士ガンダム」におけるジオン公国軍の水陸両用のモビルスーツみたいな読み方だし……というわけでアランチョの泡ということで「泡ンチョ」と呼ぶことにする。かわいいし。

 

フェウド・アランチョ アックシィを飲んでみた。

さて、窓の外の桜を眺めながらスポンと抜栓……しようと思ったら意外と硬くて苦労しつつもなんとか開けてグラスに注いでみると、麦わら帽子みたいな色でグラスの底から強めの泡が何筋が立ち昇る。

でもって飲んでみると、おお、面白い。初めて飲む味。シャンパーニュとはもちろん違うしカバとも違う。フランチャコルタやプロセッコとも全然違って、リモンチェロとか柑橘フレーバーの焼き菓子みたいな甘苦爽やか味。

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vivinoの点数は3.6。日本で買うのと欧州で買うのとで価格は変わらない感じ。お得。

そして泡はこれなんていうんですかね。「強炭酸!!」みたいな感じ。シャンパーニュの泡が口の中を泡で満たす感じだとしたら、泡ンチョの場合は喉の奥にガツンと来る泡という感じ。スパークリングワインというよりも、炭酸飲料、という印象を受けて、こういう言い方は良くないかもしれないけどちょっとレモンサワーっぽいなと思ったのだった。

でも飲みやすくてこれはこれでアリ。990円だし。アルコール度数も11%以上12%未満(裏ラベルより)と強くないから、「いただきます」の前にサクッと飲み始めるのにちょうどいい。あまりの飲みやすさにこれをチェイサーにして赤ワインを飲んでたところまで記憶があって目覚めたら深夜だった。

というわけで意外とティラ・ミ・スしてくれるワインだったのだった。お外でパーッと花見とか、夏場のバーベキューのお供とか、プールサイドで飲むとかにいいと思います。

 

 

やっぱりシャンパーニュですよ。なんつったって。

 

楽天お買い物マラソンの「ポイント20倍」ワイン、買うべきはどれ!? 全種類調査して予算1万円で選んでみた

ポイント20倍のお得なワイン、本当に買うべきは?

ワインショップ「ヴェリタス」が現在開催中の楽天お買い物マラソンに合わせて、一部商品の「ポイント20倍」を開催している。20%オフよりは弱いけれどもポイント20倍はそれ相当。ワインのセールは「20%オフが一番えらい」が理由は省くが私のひそかな持論なので、これは注目だ。

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「ポイント20倍」ワインを調査してみました。

ただ、ポイント20倍になっているワイン合計22種類のなかで飲んだことがあるのはわずか1種類(ストロベリーフィールズ)。どれがおいしいワインかがわからない。ということですべてのワインの口コミサイト・vivinoの評価を調査し、評価3.6以上のものを点数帯と価格帯ごとにまとめたのが以下だ。

 

【4.0以上/5000円以上】
(泡)ド・ヴノージュ ルイ・ドール ブリュット 4.4/2万2400円 (28評価)
(泡)ピエール・カロ ル・シュマン・ド・パラディ エクストラブリュット グランクリュ 4.4/9340円 4.4(24評価)

 

【4.0以上/5000円以下】
(赤)バスティード・デ・ソンジュ テール ブランシェ ルージュ ヴァン・ド・ペイ・ド・レロー 4.4/2290円(12評価)
(赤)グレースランド ストロベリーフィールズ 4.0/1840円
(甘)ドメーヌ・デュ・プティ・ヴァル コトー・デュ・レイヨン 1790円(18評価)
(赤)カヴェリエリーノ ロッソ ・ディ・モンテプルチアーノ オーガニック BIO 4.2/1740円(23評価)

 

【3.8〜3.9/5000円以上】
(赤)ドメーヌ・ド・パニス シャトー・ヌフ・デュ・パプ ノーブル・レヴェラシオン 3.9/5790円
(泡)ド・ヴノージュ コルドン・ブルー ブリュット ロゼ 3.8/5990円
(赤)シェーファー・フレーリッヒ ヴァイサー・ブルグンダー Sセレクション クヴァリテーツヴァイン トロッケン 3.8/5038円

 

【3.8〜3.9/5000円以下】
(赤)ヤン・シャーブ クローズ・エルミタージュ・ルージュ 3.9/2489円
(赤)ドメーヌ・デュ・カステル ラ・ヴィ・ルージュ・デュ・カステル 3.9/3047円
(白)バッテリーベルク ツェー・アー・イー リースリング トロッケン カビネット 3.8/2140円
(赤)ファットリエ・パッリ テヌータ・イル・モンテ キアンティ 3.8/1240円

 

【3.6】
(白)ドメーヌ・デュ・カステル ラ・ヴィ・ブラン・デュ・カステル 3.6/3047円
(白)ドメーヌ・ダニエル・セギノ シャブリ 3.6/2040円
(白)ドメーヌ・デュ・ボールガール ブルゴーニュ シャルドネ 3.6/1640円
(赤)シャトー・マショール ボジョレー シューペリュール 3.6/1690円
(白)ヴィンツァー・クレムス ヴァインマニュファクチュールクレムズ 3.6/1590円

 

ことのほか高評価多数だった

というわけですごく評価の高いワインが多くあったのだが、4.0以上のワインは評価数が総じて少ないのが微妙なところ、みたいな結果になった。統計上有意なサンプル数は300だとよく言われるところだが、vivinoの評価も三桁はサンプル数がほしくてこのあたりは悩ましい。さて、とはいえ高評価かつポイント20倍イコールお得だ。遠足のおやつは300円まで的発想のもと、予算1万円で選ぶなら、というシミュレートを行ってみた。

まず選んだのはヤン・シャーブのクローズエルミタージュ。評価は3.8。価格は2489円だ。これは個人的にエルミタージュはもちろんクローズエルミタージュのワインも飲んだことがない、というのが選出理由だ。

 

続いては、バスティード・デ ・ソンジュのテール・ブランシュ2003。評価は4.4と高いが評価数はわずか12。しかも2003ヴィンテージというホームランか三振か感あふれる1本。価格は2290円と外してもギリ笑顔でいられるし、ジョーカー的存在としてピックアップ。

 

気づくと赤ばっかりになりがちなので意識的に白も選んでいきたい。春なので冷涼な産地の白がよろしいんじゃないか、ということでドイツから評価3.8のバッテリーベルク「ツェー・アー・イー リースリング」2140円と、同3.6のオーストリアの「ヴァインマニュファクチュールクレムズ」をツモ。赤2本白2本を選んで合計金額は8509円となった。予算1万円なのであと1本選べる。

 

本当は泡といきたいところだけれども予算が合わない。なのでドメーヌ・デュ・プティ・ヴァルの甘口「コトー・デュ・レイヨン」をここは選択。評価数は少ないが、評価は4.2と高い甘口。人生には甘口ワインが必要だ。

 

以上選んだワインは計5本。vivino評価は3.8/4.4/3.8/3.6/4.2で、合計1万249円となった。ポイント20倍なのでざっくり2000ポイントつくとすれば、1本実質約1600円で買えるみたいな計算だ。お得感ある。ちなみに、ヴェリタスはよりどり6本で送料無料なので、ここに1本足せば送料も無料だ。ヴェリタス送料安いけど。

以上、楽天「お買い物マラソン」でなにを買おうか悩んでいる方が、参考にしていただけたら幸いである。私自身も残りの時間で大いに迷う予定っす。

※vivinoの評価は日々変化し、注文時と配送時で変わってる、とかがザラに起こります。あくまで、参考までに。

 

“クリュッグ同格”シャンパーニュの実力は? 「ガメ エクストラブリュット キャラクター」を飲んでみた。【Philippe Gamet Extra Brut Caractères 】

評判のいいシャンパーニュ「ガメ エクストラブリュット キャラクター」を買ってみた

カーブ・ド・エル・ナオタカ、シャンパンハウスなどのリカマングループのショップで売られているシャンパーニュ「ガメ エクストラブリュット キャラクター(以下、ガメ キャラクター)」の評判がいいので、飲んでみたいなものだなあと思っていたら、そのワインを含むシャンパーニュ3本がセットでお得に売っていたので買った。

 

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おいしいとウワサのシャンパーニュ、ガメ キャラクターを飲みました。


ガメ キャラクターは9900円税込という価格で売られている高級シャンパーニュ。一体どういうワインなのか調べてみる……前に、今回はこのワインの輸入元である株式会社都光の戸塚尚孝社長にお話を聞く機会があったので紹介したい。

 

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ガメ キャラクターはどんなワインか?

ヒマワイン(以下、ヒマ):ナオタカ社長、このワインってどんなワインですか?

戸塚尚孝氏(以下、ナオタカ):フランスの雑誌でクリュッグと同格になったシャンパーニュです。ヴァレ・ド・ラ・マルヌが本拠地で、栽培と醸造を両方行うRMのワインですね。

ヒマ:クリュッグと同格とはすごいですね。どうしてこのワインを輸入しようと?

ナオタカ:私も元々はこの生産者のことを知らなかったんですよ。たまたま訪問したら、「ロゼ・ド・セニエ」っていう真っ赤なシャンパーニュがあって、これがすごくおいしかったんです。

ヒマ:カーブ・ド・エル・ナオタカで売ってますね。かなり濃い色ですねこれ。

ナオタカ:「真紅のシャンパーニュ」なんです。おいしいですよ。それで、どうやら雑誌でクリュッグと同格になったのもあるらしい、と。

ヒマ:それが「キャラクター」だったわけですね。

ナオタカ:そうです。造り手(フィリップ・ガメ)はムニエの魔術師って呼ばれてて、最近その息子ががんばって手伝っているんですよ。昔赤坂で働いてたらしいんですけど。

ヒマ:赤坂で……!

ナオタカ:それで娘がマーケティングをやってるんですよ。美人ですよ。

ヒマ:美人……!

ナオタカ:飲んだらおいしいし、若手ががんばって造っているしということで、1200本買いました。

ヒマ:1200本も! なるほど、だからこそ安く出せるわけですね。

ナオタカ:120本輸入するのと1200本輸入するのでは、原価が全然違ってきますからね。

ヒマ:うーん、飲むのが楽しみになりました。ありがとうございます!

さてこのワイン、ムニエの魔術師フィリップ・ガメが造るだけにムニエ80%、ピノ・ノワール15%、シャルドネ5%というブレンド比率。オーク樽で醸造し、45カ月熟成させるという贅沢なつくり。エクストラブリュットというだけに、ドサージュは少なめの4g/L。

美人の娘、マリアンヌさんがディレクションしているというラベルは3種類あるのだが、ブドウの様子、収穫の様子と思われるモザイク調の画像で非常にオシャレ。いい意味でトラディショナルでない良さがあり3種類集めたくなる。

 

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ガメ キャラクターを飲んでみた。

このワインを、東京・和泉多摩川の「ワインステーション」に事前に持ち込み、戸塚氏が東京に来るタイミングで飲むこととした。ワインの輸入元の社長にそのワインをいち消費者が購入して振る舞うというわけのわからなさが乙である、というあまり理解してもらえなさそうな趣旨だ(上に挙げた会話はそのとき交わしたもの。インポーターの方の話を聞きながら飲むワインは一段とおいしいものだ)。

さて、グラスに注いでみるとシャンパーニュらしい黄金色で、非常に細かい泡がグラスの底から立ち上がる。で、香りがすごい。パンみたいなリンゴみたいなそうそうこれこれ感のある香りがボンッとグラスから溢れてきてすごいなこれ。

実はこのワインを開けたタイミングではすでに結構酔っ払ってたんだけど酔いが覚めるような香り。ワインを飲んで酔っ払った人物の酔いが別のワインの香りを嗅いで覚めるわけがなく、冷静に考えるとそう思ったこと自体が酔っている証拠にほかならないわけだが「こりゃ居住まいを正して飲まないと」みたいな気になったのも事実だ。

飲んでみるとなんでしょうかこれは。キリッとした酸味と蜜みたいなふくよかさが石灰岩の土俵の上で相撲をとっているみたいなすごく迫力のある味だ。元大関・霧島的な身体能力の高い筋肉質な印象の力士、じゃなかったシャンパーニュという印象である。

こりゃおいしいわ。泡、香り、味、すべての質量がともに豊か。

同席されたワインブログ界の重鎮、安ワイン道場師範が、この日のことをレポートしたブログに「このシャンパーニュは乾杯でキューっと飲んじゃったらもったいないですな。 」と書かれていたがホントそれ。

温度が上がるとどうなるか、翌日どうなるかまでたしかめたくなるワインであった。とはいえ、楽しい夜だったので良しである。

ガメ キャラクター、ぜひまたどこかで飲みたいワインでした。

 

このワインが入ったお得なセット。3月31日まではポイント7倍。

500円以下ワインの実力は!? 「肉のハナマサ」で税込482円のワインを買ってみた。【MILUNA ROSSO】

ワインを買いに、スーパー「肉のハナマサ」へ

先日、2020年から2021年にかけて飲んだワインのベストを出したところ、そのすべてがテイスティングで味わった1万円以上のワインになってしまった。

私は1000円台、2000円台のワインを自宅で食事と一緒に楽しむことを趣味としているワイン好き。1万円以上のワインなんていうものは本来幻であり、いわば芸能人・モデル、ルーニー・マーラ、みたいな存在。現実には存在しないものと思うべきものであり、飲むとしても盆と正月の年2回と己を戒めるべき類のものだ。

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「ミルーナ ロッソ」を買いました。

というわけでスーパー・肉のハナマサに向かった。業務用の食材を多く取り扱う肉のハナマサには独自なラインナップが魅力のワインの棚があり、しかもそこに並んでいるワインの多くが1000円を切る価格。高級ワインの思い出に浸ってたるみきった我が駄脳にハナマサワインで喝を入れ、感覚を平常に戻そうというのが趣旨である。

 

482円の「ミルーナ ロッソ」を買ってみた

さて、1000円以下のワインは下記のような価格帯に大別されると思われる。

1000円弱レンジ >ほぼ1000円みたいなワイン。「エヴォディア」とか。

750円前後レンジ >「ベンド カベルネ・ソーヴィニヨン」「FYI」などの名品あり。

500円以下レンジ >????????

ここでわかったことがある。私は税込500円以下のワインをほぼ飲んだことがない! え、マジか。そんなことないと思うけど。でもそうか。一時期よく飲んでた「カクヤス500円泡」シリーズはあれは税込550円か。少なくとも本ブログに500円を切る価格のワインは登場していない。

 

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これは不覚だ。ローエンドを知らずしてハイエンドを語れるわけがないハイエンドを飲む予定はないけど。ともかく今回買うのはせっかくだから500円以下に決定である。

ワイン評価アプリ「vivino」を用いて500円以下のワインのラベルをスキャンし、もっとも高評価のものを探す。情緒ゼロ%の方法だが、価格帯的に外した場合のリスクが高すぎる以上仕方ない。

というわけで最終的に選んだのが「ミルーナ ロッソ」お値段438円。税込482円。実際の会計で500円玉をころんと出してお釣りがくるのすごい。これでおいしかったら最高だ。かわいいは正義、といったCMが昔あったが安くておいしいも正義だ。vivinoの点数は3.6。決して悪い数字ではないですよこれ。

 

ミルーナ ロッソはどんなワインか?

生産者はイタリアはプーリア州のテレ・ディ・サーヴァ。お、デタ、プーリア州。イタリア最南端のブーツのかかと。南の産地は果実がたくさん実ってよく熟す。暖かさは安ワイン最大のレシピ。

生産者のテレ・ディ・サーヴァを検索すると、公式サイト的なものはヒットしないのだが、どうやらサン・マルツァーノが造ってるようだ。過去に「コレッツィオーネ チンクアンタ+3」「タロー プリミティーヴォ ディ マンドゥーリア」の2本を飲んだことがあり、前者はめちゃくちゃおいしく、後者も悪くなかった。安うまイタリア赤ワインあるところにサン・マルツォーネあり。

 

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輸入元の日本酒類販売によれば、ミルーナ ロッソに使われているのはサン・マルツァーノが得意なプリミティーヴォ、ネグロアマーロに加えてマルヴァジーア・ネーラ。面白いのはアルコール度数が12%しかないところで、南イタリア、太陽、プリミティーヴォッ(巻き舌)の割に軽め。熟してない果実を使ってるとかだったりするのかなとか飲む前からネガティブなことを考えるのはやめていざ抜栓しちゃおう。

 

ミルーナ ロッソを飲んでみた

さて、グラスに注いでみると色も思ったほどは濃くない。色が濃くないけれどもルビー色というわけではなくてこれなんつーんですかね。透明度の高い紫色、みたいな感じ。で、香りの第一印象は良い意味でも悪い意味でもなくツナサラダ。だからなんでブドウを収穫、破砕して発酵させた液体からツナサラダの香りがするんだよ、アドリア海の恵みかっ、とツッコミを入れつつ飲んでみると……うーんなるほど。そうか。こういう感じか。これは……これはまさに……居酒屋チェーンのグラスワイン(赤)! でも大丈夫、イケる。ギリ愛せる。これはおいしいタイプのグラスワイン(赤)自分、楽しめてる。多少己を鼓舞してるところなきにしもあらずだけれども。

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ミルーナ ロッソの後ろ姿。添加物とかは酸化防止剤以外入ってないみたい。

抜栓直後は酸味が強く、いやーちょっとこれ厳しいかなと思わないでもなかったが、時間の経過とともに少しずつ丸みを帯びてきて、うん。飲める。ええっ、これが税込482円!? 信じられない! 1000円台、いや2000円台と言われても納得! みたいなことはごめん正直ないが、500円でお釣りがくるワインでこれなら全然OK。

なにかの赤ワイン煮、みたいなのを作る際にこれを買い、料理の鍋にドボドボ注ぎつつ、残りをグラスに入れてゴクゴク飲む、みたいな使い方にパーフェクトなワインだ。なにしろ482円だし。

1万円以上するワインはそりゃまあうまい。でも、482円のワインもどっこいワインだ。どちらもワインという飲み物である以上、両方ともにリスペクト。そして引き続き1000円以下のおいしいワインも探して行こう。「ミルーナ ロッソ」を飲みながら、改めてそう誓ったのであった。

 

いやでもごめん、料理用でないのなら同じ生産者のこちらを買うべきだ。

 

1000円以下ならこれを買うべき。836円。482円ベースだと1.73倍の価格になるのか……!

 

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【泡・白・ロゼ・赤】2020-2021ベストワイン発表!【ブログ1周年】

1年間に飲んだうちのベストワインを選んでみた

2021年3月22日をもって、このブログも開始1周年を迎えた。この記事が229記事目。1年間、3日に2本のペースで記事を書いていたようだ。よく書いたしよく飲んだものである。

さて、せっかく1年の節目を迎えたので、この1年間で飲んだおいしいワイン、ベストワインを振り返ってみたい。「本当においしかった」という基準で選びたいので、今回の記事に限ってはボトルで購入して飲んだワインだけでなく、試飲したワインも含める。

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2020-2021のベストワインを選んでみました。

そして最初にお断りしておくと、以下にジャンルごとに挙げるベストワインはすべて「試飲、あるいはテイスティングイベントで飲んだワイン」である。球団生え抜きの人気選手たちが他球団からの移籍組、外国人助っ人などによりベンチ外に追いやられる、みたいな哀愁を感じるが仕方ないよね☆

 

では、いざ発表していこう。泡、白、赤の順に発表していく。

 

【泡】ドン・ペリニヨン2010

まずスパークリングワインっていうかこんなもんシャンパーニュに決まってるわけだが、ドン・ペリニヨン2010がなんだかんだ最高だった。初ドンペリが2020-2021マイベスト泡。飲んだのは3カ月ほど前だけど、今でも味をクッキリと思い出せる。

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ドンペリ2010、おいしかったなあ。

銀座エノテカ・ミレのテイスティングイベントで飲んだのだが、正規のイベント日程を過ぎた残りを「まだギリギリ泡が残っていると思います」と出していただいた1杯。その状態がかえって良かったのか、抜栓直後はもっと素晴らしかったのかは私にはわからないが、その日、その時、その状態の1杯が大変おいしかったのだった。

この1年は「ドンペリが当たる」というくじを見かけるたびに購入し、そのすべてで敗北した1年でもあった。今年こそ当てたいと思うので当てたらドンペリ会しましょうみなさん。

そして2021-2022シーズンの目標は熟成シャンパーニュを味わうこと。シャンパーニュ の有名銘柄も全然飲めていないので、いろいろ試して新たな味覚の扉を開きたいものである。ものであるなあ。自宅の敷地からレアメタルとか出ろ。

 

【白・甘】マルセル・ダイスのアルテンベルグ・ド・ベルグハイム グラン・クリュ(2012)

続いては白ワインだが、恵比寿のワインマーケットパーティでテイスティングしたマルセル・ダイスのアルテンベルグ・ド・ベルグハイム グラン・クリュがやべえやつだった。段違い平行棒だった。

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こんなもんただの飲む黄金ですよホントに。

アルザス13品種の混植・混醸(コンプランタシオン)で造られるワインは甘やかで、口に入れた瞬間に口の中が異世界化するような、おいしいおいしくないを超越して体験としてほかのすべてのワインと異なる感じだったのだった。妖精とかが飲む類の液ですよこれは。忘れ難い一杯だった。

 

【白・辛】エール・ダルジャン(2015)

上に挙げたワインを仮に甘口に分類するとすれば、辛口部門のベストはシャトー・ムートン・ロスチャイルドが造る白ワイン、エール・ダルジャン(2015)だった。こちらは汐留のオーソリティ カレッタ汐留店で試飲したものだがグラスに注いだ瞬間に固有結界が展開、周囲が花畑に変化するという脳の症状が起きた。

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エール・ダルジャンはすっごく香りが良かった。

2020-2021シーズン「香り部門」ベストもあるとすればこれ。ともかく凄まじい香りの量だった。マルセル・ダイスの華やかさ、甘やかさに対して、こちらは香り高さ、爽やかさがすごい。白で挙げた2本はどちらも1万円台で買うことができ、その意味では超高級ワインではないかもしれないけど超高級ワインはこれどうなっちゃうんですかね(戦慄)。

 

2015は見当たらなかった……

 

【ロゼ】プリューレ・ロック(2017)

ちなみに、エール・ダルジャンと同じタイミングで飲んだプリューレ・ロックのロゼ(2017)も素晴らしかった。ベストロゼがこれ。

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プリューレ・ロックのロゼ。くすんだ色味にフレッシュな味。さいこう。

 

【赤】シルヴァー・オーク アレクサンダー・ヴァレー(2001)

続いて赤ワインのベストだが、こちらも汐留のオーソリティで飲んだ「シルヴァー・オーク アレクサンダー・ヴァレー(2001)」がすごかった。オーパス・ワンを試しに行った際、比較のためにと頼んだこちらにぶっ飛ばされたのだった。

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2001ヴィンテージながらめちゃフレッシュだったんですよ。

2001と約20年前のヴィンテージながらこのワインにとっては21世紀って存在しなかったんですか? ってくらいのフレッシュさ。私は熟成ワインに関する知見が皆無なので、どのあたりが熟成由来の味わいなのかがわからないのが残念だったのだが、液体としてのクオリティの高さは凄いものがあった。飲んだ瞬間パキンと整うサウナみたいな感覚を得られた。

赤に関しては熟成を経たものもそうだが、五大シャトーも飲んでないしブルゴーニュの特級畑も飲んでないしと1年色々飲んだのが嘘のように「ほぼなんも飲んでない」が実感値。今年も折に触れていいやつを味わいたいと思う次第だ。庭から温泉湧かないかな。庭なかった。

 

2001はなかったが、1995ってのがあった。どんな味なんだろうなー

 

2020-2021ベスト・オブ・ベストはさてなんだ?

さて、以上のなかから2020-2021のベストワインをひとつだけ選ぶならば、マルセル・ダイスのアルテンベルグ・ド・ベルグハイム グラン・クリュということになる。私は自分が飲んだワインについては調べるが、世の中にある有名ワインのことは極めて不勉強なので、マルセル・ダイスも飲むまで知らなかった。その日たまたまワインマーケットパーティに行ってなければ飲んでおらず、こういう偶然の出会いがあるからワインはまた面白い。

さて、以上2020-2021シーズンを振り返ってみた。2021-2022シーズンはどんなワインと出会えるのか、楽しみでならない。

そして末筆ながら、このような駄文を1年間にわたり書き連ねることができたのも、読んでいただき、時に感想をいただく皆様あってのことである。改めて、感謝申し上げたい。

 

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ペレ・ベントゥーラ カバ・トレゾール ブリュット レセルバ。カルディでセールで1398円だったカバを飲んでみた。【Pere Ventura】

カルディでセールになっていたカバを買ってきた

カルディコーヒーファーム(以下、カルディ)にコーヒーを買いに行ったらスペインのカバが安売りされていた。息を吸うようにvivinoでラベルをスキャンすると3.7点と高得点であり、ちょうど泡を補強したいと思っていたところでもあったので買った。帰りに「まいばすけっと(イオン系列の小型スーパー)」で「サラ・ビベ」買お、と思っていたのでラッキーである。

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ペレ・ベントゥーラ カバ・トレゾール ブリュット レセルバを飲みました。

さて、帰宅して早速カルディののサイトをチェックすると、このワイン「ペレ・ベントゥーラ カバ・トレゾール ブリュット レセルバ」という名前であることがわかった。定価は2145円税込。35%オフくらいになってたことがわかった。セール価格は1398円。お得な買い物であった。

 

ペレ・ベントゥーラ カバ・トレゾール ブリュット レセルバはどんなワインか

生産者であるペレ・ベントゥーラはスペイン・カタルーニャのワインの名産地、ペネデスに本拠地を置く生産者なのだそうだ。そしてワインの名前である「トレゾール」はカタルーニャ語で「宝」の意。トレジャーがトレゾールになるわけですねカタルーニャだと。我が国で宝は焼酎の名前だがカタルーニャではカバの名前。「財宝」っていう名前の水も我が国にはある。宝、飲み物の名前にされがち。

そのトレゾールはどんなワインかと商品ページを見ると、ブレンド比率はマカベオ40%、チャレッロ40%、パレリャーダ30%だそうだって110%になってるよ足し算!

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「ペレ・ベントゥーラ」公式サイトより。ブドウ力110%だと……!?

足し算は間違っている気がするが、「このワインはバランスがいいんだ!」っていう思いが10%分あふれちゃった感じがしてなんとも良い。ワインを愛せば誤植まで愛せる(データシートではパレリャーダ20%となってた。よかった)。いずれにせよ、カバの代表品種3つの王道ブレンド、みたいな感じのようだ。熟成は24-30カ月。残糖は8グラム。

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カルディのサイトに戻ると、ペレ・ベントゥーラは「カバを生産する多くのワイナリーの中でも特にシャンパーニュを意識した造り手として知られています。」と書いてあるのだが、公式サイトにはとくにそのような記載はない。ただ、シャンパーニュを打倒したいというその意気や良しである。というわけでいざ、飲んでみよう。

 

ペレ・ベントゥーラ カバ・トレゾール ブリュット レセルバを飲んでみた

グラスに注いでみると、黄色味の強い黄金色で、グラスの底からいい感じに細かい泡がひと筋、ふた筋立ち上がる。ヤダ……シャンパーニュっぽいじゃないの。香りのクラッカーになにも乗せずに食べたときみたいな感じもシャンパーニュっぽければ、酸味がキリッとしつつもふくよかな味わいもシャンパーニュっぽい。シャンパーニュっぽさがすごい。わたしは、カバにはなんか特有の苦味みたいなのがあると思っているのだが、それをやっぱり感じる以外はほんとシャンパーニュっぽく、私の味覚レベルでは「はい、シャンパーニュをどうぞ」と出されたら、香りを嗅ぎ、ゆっくりと味わって「やっぱりシャンパーニュは違いますね」って間違いなく言う。いい顔で言う。「カバとは違うのだよ、カバとは」とか言いかねない。カバだっつーの。

 

シャンパーニュは、ボトルにシャンパーニュと書いてあることで味わいにドラが乗る(ブランドとはそのようなものだ)。このワインには悲しいかな、それがない。ただ、セール価格の1398円で買えるのであればめちゃくちゃアリ。通常価格の2145円でも、その値段で買えるシャンパーニュは少ないのでアリ。これは買って良かった。

このワイン、カルディのネットショップではすでに完売。実店舗で見つけたらまた買っちゃうと思う。セールは2021年3月31日までみたいです。