ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

【KALDI】ドンペリは当たるか!? カルディ「ウインターチャンスボックス」詳細レポート【ワインくじ】

カルディのウインターチャンスボックスを買った

カルディことKALDI COFFEE FARMでドン・ペリニヨンが当たるワインくじ「ウインターチャンスボックス」を購入した。

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またこの季節が巡ってきました

カルディはだいたい季節に1回この手のワインくじを発売しており、それを私は毎回購入してブログの記事で発表している。2020年3月のブログ開設以来、早いもので今回で7回目のワインくじ挑戦だ。1回2200円なので、もう少しでドンペリが普通に購入できる金額を投資したことになる。

カルディのワインくじは店舗ごとの販売数が60個。そのうちのひとつがドンペリだ。つまり確率は1/60で、仮に30個を販売開始と同時に購入したとしても当たる確率は1/2に過ぎない。

 

カルディのウインターチャンスボックスでドンペリを当てるには?

え、じゃあやめよ。買うの。と思うのはしかし早計だ。このブログで繰り返しお伝えしてきたことなのだが、カルディのワインくじには勝ち筋があるのだ。それが「重量」である。

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ワインが入った箱。その重さが1702グラム=ドンペリです。

ドンペリが入った箱の重さは、ドンペリそのものの重量+カルディのワインくじの箱の重さの和で求められ、その答えは出ている。1702グラムだ。1円球を1702枚手のひらに載せた重さ。その重さを感知できれば、おめでとう、あなたはドンペリを手に入れる。

確率は1/60と高くはない。しかし、以上のように当てる方法は存在するので安心して購入していいだろう。私ですか? 私の場合、当て方は知っているけどたまたま当たってないだけ。今回当たると思うマジで。

 

カルディのウインターチャンスボックスと1702グラムのマナー

ともあれここで問題となるのは「マナー」だ。1702グラムを感知できるかどうかはさておいて、AとBの箱を比べてどちらが重いかを感知することはできる。

A>B Aを残す
A<C Cを残す
C>D Cを残す
C>E Cを残す
E>C Eを残す

といったように「左右どちらが重いか」を箱の数だけ繰り返せば、そりゃまあ当選確率は一定程度高まるだろう。店員さん、周りの客からの冷たい視線に耐え切ってなお、確率は100%に届かない。

というわけで今回は、優しい店員さんと一緒に5つほどの箱の重さを比較「どっちがドンペリですかねえ笑」みたいな楽しいトークの末、1本に絞った。

 

カルディのウインターチャンスボックスのラインナップと平均価格

というわけでいざ開封……の前に今回のラインナップを見ていこう。ワイン名の前の数字は何本入っているかを表している。価格は参考上代、あるいは通常価格だ。

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商品一覧。カルディの公式サイトより。
【チラシ1段目】あたり枠

1/60 ドン・ペリニヨン 2010 1万9634円
1/60 ドーヴェルニュ・ランヴィエ マス・ド・ボワローゾン シャトー・ヌフ・デュ・パプ トラディション 8000円
3/60 ペレ・ベントゥーラ カバ ヴィンテージブリュット グランレゼルバ 8000円

【チラシ2段目】妥協枠

1/60 ポッジョ・ボネッリ ポッジアッサイ 5000円
2/60 ベッラヴェデール ピノ・ネロ リゼルヴァ ファエーディ 5000円
2/60 エンリコ・ガッティ フランチャコルタ ブリュット
スペリ リパッソ ヴァルボリチェッラ・クラッシコ・スーペリオーレ 3600円
8/60 アンリ・エーラール リースリング グラン・クリュ・ブランド 3500円

【チラシ3段目】はずれ枠

4/60 ステレンボッシュヒルズ 1707リセルヴ レッド 3000円
5/60 ミケーレ・キアルロ チブレッシ ニッツァ 3000円
4/60 カナリッキオ・ディ・ソーブラ ロッソ・ディ・モンタルチーノ 3000円
12/60 ソーン・クラーク イーデン・ヴァレーNVブリュット 3000円
12/60 カンティネ・ピローヴァノ コンテドール チエロ・ドーロ メトド・クラシコ2500円

総額は20万6834円。1本あたりの平均単価は3447円だ。7月に発売されたサマーチャンスボックスの商品総額が21万8034円。1本あたりの単価は3639円だったので、いつも通りあるいはやや下振れした数字になっている。

あたりはドンペリただひとつといっていいのだが、お手頃カヴァの「ペレ・ベントゥーラ」の8000円するキュヴェとかは面白そうなので飲んでみたかったりもするなあと思いつつ、いざ開封の儀に移っていきたい。

なお、今回は事前に重さを測るのをやめた。開ける前にハズレであることが確定するからだあれはやめたほうがいい。というわけで、いきなり開けちゃいます。いってみよう。

 

カルディのウインターチャンスボックス……中身は!?

カルディのワインくじは、箱を開けるとボトルの頭がいきなり見える仕様。ドンペリの場合はシャンパンであり、キャップシールは黒であるため、黒かつキャップを固定するワイヤーがその下に巻きついている。

今回のラインナップでいえば、エンリコ・ガッティのフランチャコルタ、末等のイタリア泡などが「キャップシールが黒い泡」に該当するが、要するにそれ以外のものが出たらそれはドンペリではない。

それでは開けていこう。ルールはシンプルだ。黒でなければドンペリではない。よっしゃこいドンペリッッッ!

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あっ…

というわけであれですよ。まあ、なんていうか。ドンペリじゃなかったっていうか。いやいいんですよほんとに。イタリアワイン興味津々なんで自分泣いてない。

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ドンペリじゃなかった

ちなみに後から重さを測ったら1527グラムでした。重さって全っ然わかんないっすね(笑)。かっこわらいじゃないっつーの!(涙)

ともあれカルディのワインくじに挑むこと7度、今回もドンペリと巡り会うことはできなかった。縁あって私の家にやってきたのはカナリッキオ・ディ・ソーブラのロッソ・ディ・モンタルチーノ。クリスマスも近づくこの季節にピッタリのワインなんですよこれ。

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カナリッキオ・ディ・ソーブラのロッソ・ディ・モンタルチーノ。3000円つったら私のなかでは高級ワインなんですよ!

いつも言うことだが私のブログのコンセプトはすべてのワインをリスペクト。ワインに貴賎なく、ましてやあたりもはずれもない(くじにはある)。楽しく飲ませていただく所存だ。

ともあれ例年通りであれば、カルディは新年早々ニューイヤーチャンスボックスを発売する。2022年、新たな年にドンペリが当たったら、みんなで乾杯したいですね。

ワインくじはネットでも買えます↓

 

ヘルマナス714に行ってきた! 南アフリカワイン5杯×5皿+αのペアリングコースの全貌は?

南アフリカ専門店として名を馳せるアフリカーが新宿・荒木町にオープンしたワインバー・ヘルマナス714に行ってきた。

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ヘルマナス714、夜のご様子

南アフリカといえば2020年代の今、世界最高峰の高コスパワイン産出地帯なのではないかという土地。1万円のワインペアリングコース(5皿+5杯+デザート、ルイボスティー)でどんなワインと料理が楽しめるのか、ワクワクしながら東京メトロ丸の内線・四谷三丁目の駅からお店へと向かった。

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お品書きがこちら。デザートを除く5皿に5杯のワインがペアリングされる

お店の内装は黒をベースにしたシンプルでモダンなもの。テーブル席に通していただき、お品書きを眺めていると一杯目のスパークリングワインをソムリエの方が運んできてくれた。

 

ヘルマナス714のペアリングコース【1皿目】

出てきたのはグラハム・ベックのブリュット ロゼ ミレジム2012。ピノ・ノワールで造られたロゼ泡だ。特徴はイチゴみたいなかわいらしい香り。

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なみなみと注がれるグラハム・ベック ブリュット ロゼ2012。

でもってこれを非常にたくさん注いでくれるわけなんですよ。「乾杯用+1皿目へのペアリング用」ということで量が多めになっているんじゃないか説。

乾杯で喉を潤しても十分に残るので、残りは料理と一緒に楽しむ。私は非常にチョロいタイプの人間なので、この時点でもう好き。

さて、グラハム・ベックのロゼに合わせる料理は「イチゴと生ハムウエハースサンド〜最中バジル〜」だ。ごめんちょっとなに言ってるかわからない。料理の見た目は、完全に最中(もなか)だ。

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もなかキタ

イチゴの香りのワインにイチゴもなか。イチゴ×イチゴというシンプルな掛け算で、いただいてみると、イチゴ×イチゴ=イチゴ、というイチゴ100%的世界観にバジルと生ハムがアクセントと塩味を加えてうん、おいしい。

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まずは初球、右バッターのアウトローに軽めにストレートを投げ込んでワンストライクをとりにいくような静かな出だしという印象。日中の仕事の余韻もいい感じに抜けてきて、夜はここから。いざ2杯目の登場だ。

 

ヘルマナス714のペアリングコース【2皿目】

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2杯目は「ドーランス・ブラン」

運ばれてきたのはドーランス・ワインズの「ドーランス・ブラン」。シュナンブラン100%、ステンレスタンクで発酵後、4カ月澱の上で熟成させたあと、少量のSO2だけを添加してリリースされるというワイン。合わせる料理は「軽くグリルした帆立と蕪のマリネ〜菊花 柚子 エストラゴン〜」。

ワインはほんの少し自然派感のある、スッキリのなかに旨みも感じられるタイプ。料理も非常に繊細というかグラスに入っている白ワインを料理で再構成したような味わいで、実にピッタリとワインに寄り添っていた。

先頭バッターが出塁したあと送りバント成功という印象で、このあとの展開にさらに期待が高まっていく。

 

ヘルマナス714のペアリングコース【3皿目】

さて、ここからはいよいよ3、4、5番のクリーンナップに突入。3番バッターは「スワーワー ルイ・フルン セミヨン・グリ」。セミヨン・グリで造られたオレンジワインだ。

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スワーワー ルイ・フルン セミヨン・グリ

アフリカーのインディ・ジョーンズ映画みたいな見出しがつけられた特設ページセミヨン 〜南アフリカの秘宝〜」によれば、セミヨン・グリは「セミヨンが突然変異で赤く変異した」南アフリカにしかないと言われる品種なのだそうだ。へー。

掲載されているブドウの写真を見るとたしかに赤い。ならば普通に造るとオレンジじゃなくてロゼになるような気が素人としてはするわけだがそうはならないんですね。運ばれてきたグラスの中身はキレイなオレンジ色をしている。合わせる料理は「ひよこ豆のタヒンポタージュ〜鴨のラビオリと共に〜」だ。

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料理とワインの色味もきれいに揃っていい感じ

ワインはハーブのような香りに果実味、旨味が加わった肉厚な味わい。そのハーブの香りと、ポタージュに入れられたタイムの香りが合体して爆発、南アフリカ国立野生ハーブ園(※妄想上の施設)に一瞬で運ばれるような体験が得られた。すごいなこれ。

自宅ではここまでの料理とワインを合わせる精度は到底不可能。お店に来てこそ楽しめるペアリングの妙だと感じた。あと普通に鴨のラビオリが超うまい。「おかわり!」って元気に言いたくなるレベル。

 

ヘルマナス714のペアリングコース【4皿目】

ここまでロゼ泡→白→橙ときて、次に登場したのはアルダリンのソーヴィニヨン・ブラン

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4杯目はアルダリンのソーヴィニヨン・ブラン

流れ的にはロゼとか軽めの赤かと思いきや、さっぱり白。その意図やいかにと料理を待つと、運ばれてきたのは「サーモンとコンテチーズ パートフィロ包み〜ケープマレー風ココナッツミルクのソース〜」だ。前菜からはじまって、スープ、パスタだから次はお魚なわけかそうか。

アルダリンはツイッターのタイムラインでもたびたび見かける銘柄ながら未飲だったのだが、これ非常においしいですね……。私は爽やかすぎるソーヴィニヨン・ブランよりも少しコクのあるタイプが好きなのだがこれはまさにそれ。

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春巻きみたいなパリパリの食感でたいへんおいしい。

料理のほうの「パート フィロ包み」は私の文脈に置換して述べると揚げ春巻き的食感で、中のサーモン、コンテチーズも非常にさわやかな味わい。ワインも料理もどちらもシンプル&高品質という感じで、クライマックスへの助走は十分となった。

 

ヘルマナス714のペアリングコース【5皿目】

最後に注がれたのが、デイヴィッド&ナディアのグルナッシュ2020。これが単独で飲むとすっぱ&渋いという印象ながら味わいの芯があって、いかにも「肉と一緒に飲んでくれ頼む」というワイン。

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赤はデヴィナディのグルナッシュでした。

合わせるのは「蝦夷鹿ランプ肉ローストと小さなポポティー 〜スパイスを効かせた赤ワインソース&マッシュルームクリームソース〜」という一皿。ポポティーっていうのは要するにハンバーグとかつくねみたいなひき肉料理のことみたいです。

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おいしそうな見た目の通りにすごくおいしい

単独では正直あまり印象に残らないかもしれないワインが、蝦夷鹿を食べたあとで飲むと印象が一変。旨み帝国の逆襲というか、単体では私レベルには感知できなかった旨み成分がジユワッと溢れ出してくる。

単体で飲んでいたときに小さいと感じた味のボリュームの中に、途方もないエネルギーが詰まっていたという感じ。強敵(鹿)を目の前にした場合のサイヤ人(ワイン)的な、敵(肉)が強ければ強いほど強く(うまく)なる系ワインだ。

 

ヘルマナス714のペアリングコース【+α】

以上で5皿×5杯のワインペアリングコースは終了。だが、まだ食後の甘味として「カルダモン香るチョコレートテリーヌ〜マスカルポーネのムース添え〜」が待っている。

これにはルイボスティーが付いてくるのだが、お店からご提案いただいた「デ・クラン ケープ ヴィンテージ」を合わせてみた。南アフリカのポートスタイルの酒精強化ワインだ。

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この夜最大のサプライズがこれ。

でですね、これが「あれひょっとしてこれ今日イチじゃない?」くらいデザートに合った。私はワインに甘いものが合うわけないでしょどう考えても派だったのでビビった。心底驚いた。合いすぎ注意報

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ワインの写真も撮ったんですがめっちゃブレてたのでデザートの写真を貼ります。

なんというかこのワイン、そもそもがチョコっぽいのだ。甘口なので当然のごとく甘いのだが、渋みとか苦味みたいなものも同時に感じる味の構成が実にもってチョコ的。それに現実のチョコを合わせると、チョコの原子とチョコの原子が激突して核反応を起こしたような現象が脳内の味覚中枢で起こる。舌とかじゃなくて脳に直撃してくるんですよこの甘さと甘さの激突。カルダモンのスパイシーさとワインのスパイシーさも合う・オブ・ザ・合うだった。

というわけで5皿×5杯+1皿×1杯のペアリングは大満足で幕を下ろし、お会計1万1000円を支払うと、シェフとソムリエの方にお見送りしていただきながら店を後にしたのだった。うーん、満足。みなさんもぜひ!

これが相当お得ってことがよくわかった↓

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楽天スーパーセールといえばワイン福袋! 「セラー専科」で購入した福袋の中身を公開

楽天スーパーセールと福袋と私

楽天スーパーセールの季節がやってきた。そして楽天スーパーセールといえばワイン福袋楽天で福袋といえば毎月1日にうきうきワインの玉手箱やカーヴ・ド・エル・ナオタカなどリカマン系列のワインショップで一斉に発売され、いずれもお得な内容。

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2021年9月のスーパーセールは1.1万円で3本入りの福袋を購入

なのだが、スーパーセール時の福袋はそこからさらにお得度が上がる。否、正確には上がるような気がする。なんとなくだが各ショップとも「スーパーセールでのお得度は負けるわけにはいかねえ……!」みたいなアティテュードを出してくる印象があり、しのぎを削り抜いたギリギリのお得度を我ら消費者に提供してくれる気がするのだ。いつもお世話になってます。

 

2021年9月の楽天スーパーセールでは「セラー専科」の福袋を購入

というわけで今回の福袋の中身を占うべく、前回の楽天スーパーセールで購入した福袋を振り返っておこうというのが本記事の趣旨。ちなみに前回、2021年9月の楽天スーパーセールで、私はセラー専科のスーパーセール開始4時間限定のワイン3本入り1.1万円福袋を購入した。結果どうだったか、早速見ていこう。

前回の福袋すごかったんですよ。いきなり目玉ワインを発表してしまおう。これだ!

 

1本目 ボデガス・イ・ヴィニェードス「アリオン 2015」

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ボデガス・イ・ヴィニェードスの「アリオン」。私レベルでも知ってる有名スペインワイン「ウニコ」を手がけるベガ・シシリアが、ベガ・シシリアからわずか東へ15キロという位置に設立したというワイナリーの造るワイン。

ジェームズサックリング96点、ティム・アトキン94点、ロバート・パーカー93点+とかいうガチで普通にいいワインじゃないのこれ。

これのなにがすごいって、価格弾力性のある自社輸入ワインとかじゃなくて普通に市価1万円超のワインだということだ(輸入元はファインズ)。楽天での売価はおおむね1万2000円±1000円くらい。結構ガチでこれ1本で1万1000円の価値がある。

第一ツモがこれだった時点ですでにあとの2本はコノスル ビシクレタピノ・ノワールシャルドネですと言われても問題ないってレベル。

なのだが、実際はそんなことはなく、以降も素晴らしいワインが続いていく。というわけで2本目いってみよう。

 

2本目 カステッロ・ディ・モンテポ サッソアッローロ2016

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出たのは、イタリアはトスカーナの生産者、カステッロ・ディ・モンテポのサッソアッローロ2016。このワインもすごいワインで、ブルネッロの生みの親と呼ばれる人物の子孫が、「BBS11」という自分たちしか使えない特別なサンジョヴェーゼ・グロッソのクローンを使って造ってるんだそうですよなんかすげえ。

こちらも市価は5000〜6000円といったところ。このあたりから売価ベースではなく、原価ベースで元が取れてるんじゃないかという気がしてくる。もうほぼお腹いっぱい。なのだが、あと1本が控えている。こちらだ。

 

3本目 トゥーロ・ジュイヨのメルキュレイ“リュー・ディ・レ・シュノー・ブラン”

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最後のシメは市価5000円くらいのブルゴーニュ、コート・シャロネーズはメルキュレイの村名白ワイン、トゥーロ・ジュイヨのメルキュレイ “リュー・ディ・レ・シュノー・ブラン”だ。5000円レベルの白ワインなんて普通は買うときに手が震えそうなものだがことここに至ってはおまけレベルといった印象まで出てくるんですよ失礼を承知で言わせてもらうと。

このワインはすでに友人が遊びに来てくれた際に飲んでしまったのだが、とてもキレイな味わいで非常においしかったのだった。ブルゴーニュピノ・ノワールも最高だけどシャルドネも最高ですよね。いまさらなに言ってんだコイツと思われるかもしれませんが。

というわけで以上3本、定価ではなく楽天での(非リカマングループの)売価ベースで2万円超のワインが入っていて1.1万円はけっこうすごいなと思ったのだった。もはや購入という名の仕入状態である。

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こんな3本が詰まってました。お得感がヤバい。

というわけで、以上前回の楽天スーパーセールのセラー専科の福袋のおさらいであった。今回のスーパーセールでどんなワインが登場するかは不明だが、こんな感じでワクワクすることが私は好きなので、またなにか買ってみたいと思う次第。

福袋って食指が伸びないんだよな〜という方も、お得度が一段上がるスーパーセールで、ぜひ試してみてはいかがか。

セラー専科と同系列のカーヴ・ド・エル・ナオタカ、シャンパンハウスの福袋が色々出てます↓

 

ルイ・ジャドの白5本セットを買ったので、飲む順番を「Amazonソムリエ」に聞いてみた。

Amazonブラックフライデーセールでルイ・ジャド5本セットを買った

秋が深まって晩秋にかけては、私の場合なんだか白ワインが飲みたくなる。というわけで増加する白ワインの消費量を下支えするため、開催中だったAmazonブラックフライデーセールでルイ・ジャドの白5本セットを買った。

参考価格1万5345円が8483円になっているという代物で、割引率のエグさに惹かれたのと、ブルゴーニュの産地違い、品種違いを飲み比べたら楽しそうだな〜と思ったのが購入の動機。

その中身はこのようなものだった。(価格はヒマワイン調べの各ワインの楽天最安値)

コトー・ブルギニョン ブラン ¥1958 
マコン・ヴィラージュ  ¥2430 
ブルゴーニュ シャルドネ ¥2616 
ブーズロン ドメーヌ・ガジェ ¥2801 
シャブリ シャペル・オー・ルー ¥3172

 

ルイ・ジャド5本セットどの順番で飲んだらいいんだ問題

注文してほどなくしてワインが到着。自宅のテーブルに似たようなラベルのボトルが5本並ぶのは壮観で、ヤダ……お店みたい……! みたいになって静かに高まる。そしてそんな高まった状態で私は思った。「ところでこれどの順番で飲んだらいいのだ」と。

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「同一メーカーのボトルが並んでるの萌え」が私にはあります。

ワインについてわからないことがある場合、私はTwitterで私のアカウントをフォローしてくださっている方々に聞くことにしている。

すると珍しいことが起きた。AmazonHelpなるアカウントからこのような返信があったのだ。

え、なに面白い。Amazonソムリエって買ったセットの飲む順番まで教えてくれるのかよ。面白すぎるので、さっそく下記URLをご参照させていただくこととし、「ルイ・ジャド白5本セットはどの順番で飲むのがよろしいのでしょうか?」みたいなド直球な質問を送ってみた。

すると、以下のような回答が返ってきた。長いが全文を引用する。

 

ルイ・ジャド5本セットどの順番で飲んだらいいんだ問題。Amazonソムリエからの回答

ワインを飲む順番については、コース料理を食べる時のような感覚をお持ちいただくとよいと思います。
味付けの薄めのものから、濃い味のものへ進むイメージです。
これを逆にした場合、先に濃い味のものが来るとその印象が焼き付き、薄めの味わいが物足りなく感じてしまいます。
ワインはご存知の通りブドウを醗酵させて造られたアルコール飲料ですが嗜好品でもありますので、
今回は、以下のような順番をおすすめさせていただきます。
1から5に進む順番です。

1,ブーズロン ドメーヌ・ガジェ
2,コトー・ブルギニョン ブラン
3,ブルゴーニュ シャルドネ
4,マコン・ヴィラージュ
5,シャブリ シャペル・オー・ルー

*ブーズロン ドメーヌ・ガジェについて
このワインだけアリゴテ種だけで造られたものとなります。
2〜5は、シャルドネを使用(コトー・ブルギニョンはアリゴテをブレンド)したもので、ブドウが収穫された産地の個性を映し出す味わいが順に並びます。

この機会に、同じワインメーカーでも産地によって味わいの差・個性があるということを、味わって楽しんでいただけたら幸いです。

私はこの回答を読んで思った。「この回答は完璧だ」と。すげえなAmazonソムリエ。質問者がワインブロガーであり、ブログのネタにさせてもらう旨明記した上での回答であることもあるのだろうが、初歩的すぎず、そしてもちろんマニアックすぎない説明の仕方で、順番にも納得がいくのだった。

シャブリが最後列なんだな、意外だなとか、1〜3にかけてのアリゴテ単独→アリゴテ+シャルドネシャルドネ単独の流れとかめちゃくちゃ楽しそうだなとか、4番目と5番目のマコンとシャブリはいっぺんに開けて飲み比べしてみようかなとか、やりたいことが続々出てくる。あ、楽しい。

この記事は「ルイ・ジャドの白5本セットを買ったので飲む順番を『Amazonソムリエ』に聞いてみた」がテーマなのでこれでおしまいなのだが、今回の学びは、Amazonソムリエは利用すべきサービスであるということだった。

みなさんも、ワイン選びに迷ったら、あるいは飲む順番は? グラスは? 合わせる料理は? など迷ったら、質問してみると良いかもしれない。

Amazonブラックフライデーセールは今日2021年12月2日23時59分まで

当該セットは今買うと到着は12月19日以降の表示。気長に待てる方は是非↓

9980円が7984円に値引きされ、シャンパーニュが1本1000円台で買える(!)セット↓

ヴェリタス すべて金賞受賞 豪華 シャンパン 4本セット <a href=*1 (750mlx4本ワインセット)" title="ヴェリタス すべて金賞受賞 豪華 シャンパン 4本セット *2 (750mlx4本ワインセット)" />

 

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「キャンティ」っておいしいの? サンタ・ヴィルジニア キャンティを飲んでみた。

キャンティと私

私はこれまでキャンティを避けてワイン人生を送ってきた。

そもそもキャンティなのかキヤンティなのかキアンティなのかわからないし。東京・表参道にある有名な玩具店はキティランドではなくキディランドでもなくキデイランドなんですよほんと。

なんの本で読んだのか忘れてしまったのだが、キャンティはあまりにも有名すぎるが故に粗製濫造っていうか、品質の悪いものもなかにはあるというのを読みかじり「そういうのに当たったらヤだから」という理由でプーリアのプリミティーヴォとかを飲んでいたという経緯だ。

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サンタ・ヴィルジニア キャンティを飲みました。

そんななか、モノは試しだしなと買ってみたのがテヌータ・ラルニアノーネのサンタ・ヴィルジニア キャンティ 2018。デキャンターで2016年90点、2017年93点と2年連続でベストキャンティに選ばれたっていうキャンティだ。選ぶ基準がないわけだから、ひとつベストキャンティで行ってみようという金賞ボルドー的思考での購入である。

 

サンタ・ヴィルジニア キャンティとテヌータ・ラルニアノーネ

トスカーナシエナが本拠地の造り手、テヌータ・ラルニアノーネは、元々パスタ製造業をしていた人物がキャンティの丘を見渡せる土地を気に入り購入、創業者の娘の夫に才覚があったようで、積極的な設備投資を行うことで品質を向上、3代目が所有し、4代目が経営する今に至っているようだ。イタリア人って本当に家族仲がいいよなあ。

himawine.hatenablog.com

サンタ・ヴィルジニア キャンティはそのフラグシップ。サンジョヴェーゼ 80%、コロリーノ15%、カナイオーロ5%で造られるとある。

コロリーノとカナイオーロに関して知見がないので調べると、カナイオーロは「18世紀まではキャンティのワインのブレンドにおいて最も比率の高いブドウ品種であった可能性が非常に高い」(wikipedia)のだそうだ。それが、フィロキセラ耐性がなかったことでサンジョヴェーゼに主役の座を奪われて、現在はサンジョヴェーゼの果実味を強めタンニンを和らげる補助品種として活躍している。また、コロリーノは味とかじゃなくて色を濃くするのに使われるみたい。

 

サンタ・ヴィルジニア キャンティはどんなワインか

セメントタンクで発酵後、セメントタンクで4カ月熟成その後フランスおよびハンガリー産のトノーで8カ月熟成とあってトノーとはなんぞやと調べると900リットル入りの木樽のことなんすね。へー。樽ひとつにもいろいろ呼び名があるものだよなあ。私が好きなのはドッペルシュトゥック(ドイツの2400リットル入りの樽)。ドッペルシュトゥックのドッペルはドッペルゲンガーのドッペルっていう豆知識を覚えて帰ってください。

発酵と最初の熟成がセメントタンクってことはこれ私の好きなピュアな感じになってるんじゃないすかね。私の好きなワインは「甘酸っぱいワイン」なので大いに期待しつつ、いざ抜栓だ。

 

サンタ・ヴィルジニア キャンティを飲んでみた

DIAM3のコルクをスポンと抜いてグラスに注ぐと、輝くようなルビー色。グラスからは新宿高野っていうか千疋屋っていうか、どこかハーブっぽさをともなうフルーツの感じが漂ってくる。いいな。

飲んでみるとこれがツンとしたタイプのピノ・ノワールに果実を足して繊細さを引いてプラスマイナスゼロにしたようなバランスの味わい。突出した個性はないけど、果実味酸味渋みがいい感じの三角形を形成し、かつそれぞれの角が良い具合に丸みを帯びているような、キャンティ=渋すっぱおわり。だったらどうしようという私の不安を一掃してくれる味わいであった。好きです。

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vivinoの評価は4.0と高得点。vivinoはイタリアワインの点が高く出る傾向があるけどほんとおいしいですこれは。

単品価格は3000円台とちょっとお高いけど、1本2000円で買えるセットの1本としてなら大いにアリ。そんなキャンティDOCG体験でした。

ライムストーンヒル シャルドネ。南アの「シャルドネハウス」のスタンダードレンジを(1年8カ月ぶりに)飲んでみた。【Limestone Hill】

ライムストーンヒル シャルドネとヒマだしワインのむ。

早いものでこのブログをスタートさせて1年8カ月が経った。その第一回で取り上げたのは南アフリカの生産者、デ ウェホフ(以下、ウェホフ)のライムストーンヒルだった。

これ↓

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楽天のセールでウェホフのフラグシップ「バトラー」を飲んで感動し、夏の暑い日の夕方にゴクゴク飲んで初めて生ビールのおいしさを実感した学生、みたいなノリでワインってなんておいしいんだろうと感動。

それから2年弱が経ち、バトラーを日本に輸入している会社の社長さんと飲み友達みたいになるんだから人生は恐ろしい冗談の連続だ。ブログはじめてよかったなあ。

 

ライムストーンヒル シャルドネと南アのシャルドネハウス「デ・ウェホフ」

さて、最近ちょっとしたきっかけがあってこのライムストーンヒルを再び購入した。ブログ開設から時間が経過し、私の味覚には変化があるのか否か、定点観測的な意味合いも含めて飲んでみた。いやそりゃ進化してるでしょうよ何本飲んだと思ってるんスか(前フリ)。

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ライムストーンヒル シャルドネを飲みました。

シャルドネハウス」を自負するウェホフのシャルドネには6キュヴェがある。バトラーを頂点に、ザ・サイト、レスカ、ヴォン・バロン、フィネス、そしてライムストーンヒルの順で、だからライムストーンヒルはスタンダードレンジ。樽は使わないアンウッデッドなシャルドネ。樽ドネならぬ鋼ドネ(はがどね)。

産地のロバートソンヴァレーは南アフリカの西ケープ州の生産地。その中心都市のロバートソンは1853年に設立され、当初は馬車製造で栄えるも鉄道網が発展して廃れ、次にダチョウ養殖で栄えるも第一次大戦後に廃れ、紆余曲折を経て現在は「バラとワインの谷」として知られるようになったという妙に要素の多い地域。結果オーライ感がすごい。

余談だがロバートソンはこの地に教会を建てた神父さんの名前だそうだ。私が最初に入植していたらヒマ・ヴァレーになっていた……?

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ウェホフ家は1694年に南ア入植、ロバートソンヴァレーでもっとも古い造り手であり、この地に根ざして3代目。現当主のダニーさんはドイツのガイゼンハイム研究所で学んだ方なんだそうで、だから白品種が得意とかそんな感じなのかな。たしかにウェホフのワイン、ドイツ感あるような……ないような……!(なにも言ってない)

 

ライムストーンヒル シャルドネはどんなワインか?

ライムストーンヒルに話を戻すと、まず栽培は1ヘクタールあたり4000-4500本植えられた樹齢7-21年のブドウの樹から、ヘクタールあたり5-8トンを収穫するのだそうだそれが多いのか少ないのかはさっぱりわかんないけど。

収穫したブドウはステンレス樽で発酵、4カ月間シュール・リー。品種は100%シャルドネでアルコールは13.42%、総酸は7.39g/l、PHは3.41。残糖は4.8g/lだ。

と、数字を見せられてもさっぱりわかんないので、中庸オブザ中庸かつアンウッデッドなシャルドネであるコノスル ビシクレタ シャルドネと比較してみよう。こんな感じだ。

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ライムストーンヒル:アルコール13.42%、総酸7.39g/l、PHは3.41、残糖4.8g/l

コノスル ビシクレタ:アルコール13%、総酸6.17g/l、PH3.43、残糖3.8g/l

コノスルに比べると酸も糖もともに高いことがわかる。よくわかんないけどいいんじゃないでしょうかというわけでボチボチ飲んでみよう。

 

ライムストーンヒル シャルドネを飲んでみた(1年8カ月ぶり2回目)

グラスに注ぐとシャルドネというよりソーヴィニヨン・ブランのような薄い色。色の印象そのままにちょっぴり草的なハーブ的な香りがする。

私はブログの1記事目でこのワインを「はちみつレモン」と稚拙な表現で論じた。それから1年8カ月。私は数百本のワインを飲み、テイスティング能力に磨きをかけてきた。その上で飲んだ結果、私は思った。「はちみつレモンで合ってる」と。味覚に全然変化なかった(ただ飲んでるだけでテイスティング能力は上がりません)。

ハチミツみたいな甘い香りにレモンのような柑橘の香り、そこに草とかナッツ的な要素も加わっておいしいなあこれやっぱり。2000円台半ばで売られるワインなので当然といえば当然かもだけど、ちょっとギョッとするほどおいしい。さすが南アフリカワイン、コスパがどうかしてる。

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vivinoの評価は3.8。もっと高くてもいいくらいに感じる。

私はこれを朝食のおかずのサバの塩焼きの残りとかいう江戸時代の貧乏浪人の食卓みたいなつまみと合わせたのだが、これがまたむちゃくちゃ合った。少しレモンを絞ったらマジで完璧だった。

「私が経験した世界のシャルドネの99%よりもはるかに優れたバランスと飲みや

すさ、そして言うまでもなくフィネスを備えています」

ロバート・パーカーがこのワインを評してこう言ったらしいけど納得だ。

以前おいしいと感じたワインを改めて飲んでおいしいと感じるって、なんだかうれしいもんですね。

このセットは間違いない↓

 

ONE WINE。250ml入りの缶ワイン全4種類を飲んでみた。

ONE WINEマーケットインとプロダクトアウト

マーケットインとプロダクトアウト、という言葉がある。一般に「顧客が望むものを作って売る」か「作り手が作りたいものを作って売る」かの違いであるとされ、一般的には前者のほうが推奨されるけれども規模と場合と商材の特性によっては後者のほうが良い場合もあったりするよねみたいな感じで使われる。

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サントリー「ONE WINE」を買ってみました。

そして9割方がプロダクトアウトの思想に基づいて生産されている印象のあるワインの世界にあって、マーケ全振りの超マーケットインで世に出たのが2021年10月26日発売のサントリーの缶ワイン「ONE WINE」だ。

 

ONE WINEの開発背景

この商品、発売元はサントリーワインインターナショナルだが、プロジェクト自体はサントリーマーケティング業務を担うサントリーコミュニケーションズと広告会社のR/GAが進めたというプロダクト。

この手の開発でよく聞かれるのが「ユーザの課題をプロダクトで解決する」みたいなストーリーだが、ONE WINEの場合「ワインは好きだけど、飲みきれるか不安で、気軽にボトルを開けられない…」(ニュースリリースより)という課題を解決すべく開発されたのだそうで、その課題は、まとめるならば以下のようなものになるようだ。

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 ・飲みきれない/冷蔵庫の場所をとる
・ラベルになにが書いてあるかわからない
・開けるのが面倒(専用のオープナーが必要)
うーん、わかる。超わかる。

ワインには「一度開けたらその日のうちに飲み切らないといけない」という謎の呪いがかけられている上に(注:実際はそんなことない)、コルク栓を引っ張り出すのは激ムズだしラベルには筆記体で英語だかフランス語だかわからん文字が大量に書かれていて解読不能だしええいもうチューハイ飲も。となる。

 

ONE WINEが解決する課題

この課題を解決するために、ワインを250ml入りの缶に詰めて飲み切りやすくすると同時に開栓の問題を解決。加えて、以下のような顧客価値を提供している。
・デザイン性が高く、わかりやすい
・冷蔵庫内の場所をとらない
・さまざまシチュエーションで飲める
・両親や友人へのプレゼントにもピッタリ
・ホームパーティへの手土産にももってこい

享受できるのはビールやチューハイとは違う、ワインならではのちょっぴり贅沢なひととき。モノ消費よりコト消費。ワタシ時間にオレ時間。みたいなことだろうたぶん。賢い人が考えた感ある。

 

ONE WINEをどう評価するか

こんな感じでドがつくマーケットインなプロダクトであるONE WINEに対する私・ヒマワインの感想はシンプルだ。「いいぞもっとやれ」である。

そもそも私は雰囲気も味のうちとなる高級ワインを除いてはワインの容器は軽くて環境負荷が少なければ少ないほうが望ましいという立場(重い・大きいボトルは輸送時の炭素排出量が多い)。

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品種は4つ。左からメルローピノ・ノワールシャルドネソーヴィニヨン・ブランだ。個人的にはデザインはふつうだと思う。

缶でも紙パックでもビニール袋でもなんでもいいが、缶はそれ自体から直接飲めるメリットもあるし最良の選択肢だと思う。調べたら令和2年度のアルミ缶の再利用率は94.0%ですってよすげえ(アルミ缶リサイクル協会のHPより。アルミ缶リサイクル協会なんてあるんだね)。持続可能なワイン飲み目標(SWGs)的にもアリだ。

また、もっと個人的なことを言えば私はできれば毎日赤ワインと白ワイン両方飲みたいなんなら泡も飲みたい派。ところが1日あたりの酒量は多くないため、2本3本開けると数日かけても若干持て余し気味になる。なので、白もしくは赤のボトルを開け、250ml入りのONE WINEの赤もしくは白を開ける、というのはほぼベストなソリューションとなるのだ。

 

ONE WINEはどんなワインか

さて、ではONE WINEはどんなワインなのだろうか。生産者はボジョレー・ヌーヴォーでお馴染みのジョルジュ・デュブッフ。品種はメルローピノ・ノワールソーヴィニヨン・ブランシャルドネの4種類が用意され、すべてそれぞれの品種を100%使用。

産地はラングドック・ルーションで格付けはIGP ペイ・ドックとなっている。

お題目がどうであれ、最終的にはおいしいかおいしくないか。4本セットを買って飲んでみることにした。

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ONE WINE4種類を飲んでみた

でもって結論を言うとこれがなかなか全然悪くなかった。250ml入り1本550円税込なので、750mlのボトルに換算すると1本1650円。飲んだ感想も「1本1650円の南仏のワインだなあ」という感じの普通においしい安うまワインだった。ものすごくうまい! 驚き! とかではないがこんなんでいいんだよ感がすごくある。

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単一品種100%使用。添加物も亜硫酸以外表示されていない。

ちなみに、4品種を私の好みの順に並べるならばこうだ。

ソーヴィニヨン・ブランメルローピノ・ノワール<<シャルドネ

ソーヴィニヨン・ブランは酸味が強めで果実味があまり感じられず、香りも弱く感じた一方、シャルドネはふくよかで果実味たっぷりぽよんぽよんのぽっちゃり系で大変おいしかったのだった。赤2品種もいずれも無難においしかった。

250mlという量は少ないようで意外としっかりとあり、なんなら1日これ1本でも私は割と満足できると思う量。価格の550円はやや高く感じるが、店頭に並ばずネット販売のみという数量を考えれば仕方ないのかもしれない。

これがボトル換算約1000円の1本350円、あるいは300円を切るくらいになったら、あるいは地殻変動が起きないこともないよう気がしなくもないのだが。缶に入った飲み物に500円以上を払う、真に解決すべきはその心理的ハードルであるような気がしなくもないのだった。

 

 

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